ストックを体の前で持ち、斜面に平行になるように保つ。手のひらは上に向けても、下に向けても良い。上に向けるパターンは、腕が固まり、肘が張り、骨盤を引っ張る筋肉を緩めてローテーションする癖のあるスキーヤーに有効である。もうひとつのバリエーションはストックを手首の上に乗せてバランスをとるものである。手は体の前に自然に出し、過剰に突き出すようにしてはいけない。手、腕、肩を一つの物として考える。肩や腰を平行に保たずにストックだけを動かす事も可能であるから、コーチはこれに注意して必要に応じて修正すること。
ストック(及び肩と腰)を、ターンの各ポイントで斜面に平行に保つことによって、スキーヤーは左右のバランスがしっかり取れるポジションを取ることができる。この練習をガーランドで始めれば、ストックを斜面に合わせるのを楽にする事が出来る。
スキーヤーはストックを背中に回して両肘(の内側)で引っ掛け、肩を後ろに、胸を持ち上げるようにする。ターンは高い上半身と、両すねへの圧力をしっかり意識しておこなう
• 安定した上半身を培う
• 前後のバランスを培う
• (体の各部の適切な)並び方を鍛える
スキーヤーはストックを頭の上で肩の外側の幅で持ち、「勝利のポーズ」
をとってターンする。上に伸びること、両脛の圧力、拇指球への荷重と両足、両足首、両膝、腰の並びをしっかり意識して行う。
• 前後のバランスを培う。
• (体の各部の適切な)並び方を鍛える
• 上半身と下半身の分離を強化する
ストックを尻のすぐ下に当て、前と上に引きながら脛により体重がかかるように滑る。肩は膝の皿より前に出るようにする。
•(体の各部の適切な)並び方を培う
• 前後のバランスを強化する
• 上下のバランスを強化する
この練習は強い横のバランス感覚を養う。ストックはグリップの下部で親指と人差し指で持つ。外のストックはターンの外側で雪の上を引きずり、内側のストックは体の前でオリンピックのトーチを持つように空中で持つ。これにより、両肩が雪面と平行になることを促す。ストックを扱う動きは滑らかである必要がある。体重は外スキーの上。内スキーを持ち上げて行ってもよい。
• 上半身と下半身の分離のために必要な体幹の筋肉を分離する
• 安定した腕と手のポジションを養う
• 上半身の安定を意識する
動いているか止まっているかに関わらず、左右の足首、膝、腰、肩を通る線は、スキーに対して直角になる。
スキーヤーの重心は両スキーと両足の支えの上に真っすぐ並んでいる。
両手と両腕は自然に持ち上げられ、体の前にあり、視線は前を見ている。
一般に「スクエアスタンス」と呼ばれるものである。
スキーは平行で前後が同じ距離だけはなれ、整列した体の内側(=山側)の適切な先行により、斜滑降の際のアンギュレーション(外向外傾)と動的なバランスを保っている。
スキーヤーの両足首、両膝、腰と肩は前に出たスキー(=山スキー)に対応する形で並んでいる。内腰は持ち上げられ、上体は腰の向きを向いている。重心は両スキーと両足の支えの上に保たれている。
いかにもアメリカンなケーキ(笑)
• 片足で直滑降
• 足踏みをしながら(左右のスキーを交互に上げながら)直滑降
• 山スキーをあげたままスロープを横切る
• 足踏みをしながらスロープを横切る
Thumper TurnsはOutside Ski Turnsへの導入として使える練習である。Outside Ski Turnsの目標は、ターンに入る時、ターン中、ターンを出る時のすべての局面において100%外スキー優位にする事である。これは始めてやるスキーヤーにとって新しい感覚である為、最初は内スキーで雪面を叩くようにして、1瞬だけでも外スキーのみで滑る感覚を掴む。なれるにつれてスキーをあげる時間を長くしていき、最終的にはずっと内スキーを持ちあげて完全に外スキーの上でバランスをとることになる。
司会の女性:
今回のスキルはエッジングドリル、Outside Ski Turnsです。外スキーだけで滑る為には色々な事が必要です。バランス、筋力、タイミング、そして、速い奇麗なカービングをするのに必要な基礎である、エッジコントロールです。
レース中は、外スキーに体重を集中させてターンをするのが目標となります。なぜ?これが一番安定して、強く、そして効率良くターンのGを処理する方法だからです。
ナレーション:
このドリルには、とても広く、邪魔するものの無い、整地の中斜面が必要だ。これによって、スピードをコントロールして、エッジングだけに集中し、ターンとターンの間に十分な時間を取る事が出来る。ターンが終了するたびに、スキーヤーはスキー2本分の長さを斜滑降してから新しい外スキーを雪に下ろし、新しい内スキーを持ち上げる。子供には「1、2、と数えましょう」と指示しよう。それから、スキー2本分の長さ斜滑降した後、新しいターンを始める。スキーヤーはストックを突いても良いが、バランスを取る為に寄りかかってはいけない。目標は、内スキーを持ち上げながらカービングターンをする事。このドリルは非常に難しく、スキーヤーの弱点がすぐに明らかになる。正しく行われた場合、次のような事がみられる。
• ターンは片方のスキーが完全に雪から持ち上げられた状態で始まり、終わる
• 内スキーはターンの間中完全に雪から離れている
• ターン間での斜滑降の中間点で、前の内スキーを下ろし、次の内スキーを上げる際、はっきりと体重移動がみられる
• 体重移動の前と後の両方で、スキー2本分の長さを滑る間、スキーは雪から離されている
• 両腕はコントロールされ、バランスが取れていて、前にある
• ターンは丸く、スピードは一定である
よくある失敗は、• ターンの局面を問わず、内スキーを雪に付けてしまう
• 斜滑降が無い。このドリルは連続したターンをするものではない
• 斜滑降の中間ではっきりとした体重移動が無い
• ターンの開始時に突くストック以外で、ストックを使ってバランスを取る
• リズミカルで滑らかな、丸いターンを行えない
• カービングしていない
Doug Lewis(ワールドカップダウンヒル最高2位、ワールドチャンピオンシップ銅メダル):
これは僕の"行きつけの"ドリルだ。ワールドカップで、ストレスで参っていて、調子が良くなかったりした時、リフト2本ほど、Outside Ski Turnsだけで降りてきたのを思い出す。それで集中でき、バランスも良くなり、雪をしっかり捉えられるようになる。そのあとは調子も上がり、"準備完了"だ。
司会の女性:
これはスキーヤーを試して、結果を出す、素晴らしいドリルです。また、あなたがジュニアレーサーでも、ワールドカップレーサーでも毎日やれるものです。
• 子供は平地で片方だけスキーを付けて鬼ごっこをさせたり、ストックでレースコースを作ってレースをさせたりする。徐々に少し角度の付いた所でやらせる。
• 山スキー、谷スキーを持ち上げたまま斜面を横切る
• 360度ターン
• 山スキー、谷スキーを持ち上げてギルランデ(=片側のターンだけを繰り返す。Garland)
• Outside Ski Turns
White Pass Turnは前の外スキーのエッジをリリースする事を身につける為に使われ、フォールラインかその後に、外スキーが雪に付けられる。これはスキーヤーがターン終了の局面で谷スキーのエッジを山スキーの補助無しにリリースすることを覚える助けになる練習であり、焦点はターントランジションでスキーが前のターンの内エッジから次のターンの内エッジへ(親指側エッジから小指側エッジへ)と傾けられる部分にある。この練習はOne Ski Skiingの導入ともなる。
司会の女性:
1本のスキーで滑る事は若いスキーレーサーにとって、非常に大きなチャレンジとなりますが、大概の場合、彼らが好きな事の一つでもあります。そしてそれは好ましい事です。非常に価値がある物なので、いくらやっても足りないからです。このドリルは、外スキーでのカービングを洗練させるだけでなく、どうやって内スキーで滑るかを覚えるのにも役立ちます。最上のオプションではありませんが、レース中には沢山のレーサーが、ミスから内スキーで弧を描きながら脱出して助かっています。
ナレーション:
このドリルをなにも邪魔するものがない、整地の中斜面で行おう。スキーヤーは1本だけスキーを履き、連続したターンを8回行う。ターンは滑らかで丸く、一定のターン弧のカービング中回り。スキーヤーは浮いた脚を安定させ、完全に雪から浮かせる。ストックはバランスを保つ為には使ってはいけない。どちらの脚でもこれを行える必要がある。正しく行われた場合にみられる事は、
• ブーツはターンの間中完全に雪から浮いている
• 両腕はバランスを保ち、コントロールされ、前にある
• ターンは滑らかなカービングでターン弧は一定である
• ターンとターンの間では、ストックを突く
よくある失敗は、• 浮いた脚を雪に付いたり、振ったりして、補助として使う
• ストックを引きずってバランスを取る
• ターンが丸くなく、カービングでない
• ドリルを行っている間、スピードがコントロールされず不安定
Eric Schlopy(ワールドカップGS最高2位 ワールドチャンピオンシップGS銅メダル):
1本のスキーで滑る事ほど色々な感覚を目覚めさせてくれる事はない。山の大きさや、どこで滑っているかは関係ない。脚は強くなり、2本のスキーに戻った時の自信の大きさは信じられないほどだ。僕はこれを小さい時に始めて、今でもやっている。
司会の女性:
1本のスキーで滑る事は最上のドリルの一つです。これを練習すれば、バランス能力と素早さ、エッジング能力が鍛えられます。マスターすれば、レースコースを攻める自信が得られるでしょう。
Author:Rockface
コロラド在住
スキーパトロールはじめました