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    内脚の使い方 - ワールドカップスタイル

    ネット上に、前にも登場してもらったGreg Gurshmanコーチによる内スキーの使い方に関する記事がある。英文で3300単語にもなるもので、訳すのに二の足を踏んでいたけれど、「内脚 スキー」の検索結果に、ここのBlogがGoogleで2番目、Yahooではトップという状況になっていて、毎日かなりの人が来てくれているので、重い腰を上げて訳してみた。これはレーサーのトレーニングの話なので、普段滑るときの「コツ」としては、前に紹介した記事で触れた、Harald Harbのメソッドも役に立つかもしれない

    最新レースターンにおける内スキーの使い方
    http://youcanski.com/en/coaching/inside_ski.htm


    内スキーを積極的に使うことが最新のテクニックの一部となって10年以上たちますが、スキーレース界ではいまだに広く議論が続いており、私が思うには、これはよく誤解されています。一部のスキーインストラクターや、場合によってはコーチさえも、50:50に荷重した「レールターン」を推奨しています。ターン全体を通じての外スキーの支配的な役割にこだわる人たちもいますし、さらには、ターンを始める際に内スキーに荷重することを教える人たちもいます。この記事では私の考える内スキーの使い方を示したいと思います。私は、現在ヨーロッパの数々のナショナルチームのテクニカルコンサルタントを務めているという立場上、この非常に重要な最新テクニックの側面をレーサーやコーチが理解する役に立つべきであるように感じています。

    まず最初に、最新のターンでは上で書いたケースのどれもが使われることがあります。しかしながら、スキーへの荷重の配分をターンのフェイズを抜きしてに話すのは混乱を招きやすいと言わざるを得ません。私がレーサーを教えたり、コーチ法のセミナーを行うときには、かならず内スキーの使い方を、ターンのどこで使われるのかということと絡めて話します。通常はターンの弧を3つの仮想的なフェーズに分けます。

     フェーズ 1 フォールラインの上
     フェーズ 2 フォールライン
     フェーズ 3 フォールラインの後

    私はこの分け方が、内スキーがターンの弧を進んでいく際の挙動を理解する際に、特に有意義なものだと確信しています。たとえば、フェーズ1の始めに内スキーにより大きく荷重するのは完全に良くないことですが、フェーズ3の一番最後の部分ではほとんど必須になります。同じことが50:50のアプローチでも言え、これは中程度の斜度での浅いターンのフェーズ3ではとても有効なものです。言い換えれば、効率的な動きのパターンを作り出すには、一つの内スキーの使い方のアプローチにだけこだわるべきではありません。それぞれのフェーズにおける内スキーの役割を理解して、そこに特有の動きを教える必要があります。

    過去のスキー技術と比べた場合、積極的に内スキーを使うことは、効果的な最新の技術のさまざまな要素において間違いなく重要な役割を果たしています。この記事では、内スキーの使い方を主にGSターンで示したいと思います。しかしながら、この技法はスキーレースのすべての種目において同じものです。

    内スキーの使い方に関する技術は、一部のインストラクターやコーチによって頻繁に誤解されているため、我々はジュニアレーサーが内スキーを間違って使っているのをよく見かけます。私の見たところによれば一番よくある間違いは、「均等に荷重された」両スキーを推奨すること(つまり50:50のアプローチ)です。若いレーサー達が両スキー上にガッチリと立って「レールターン」をしてカービングするように間違って教えられています。子供や、さらにはジュニアレーサーでさえ、常にワイドスタンスになったまま、膝と脛を横から横へ動かしてエッジ角をつくり、このようなターンをしているのを、我々全員が見たことがあるはずです。通常このようなタイプの「ターン」は、大きくサイドカットのあるジュニア用のスキーでは簡単に行えますし、スラロームスキーでは特に簡単です。これらのスキーヤーは固まって見え、私に小さなそりが坂を下ってくるのをよく連想させます。典型的には、これらのスキーヤーは中程度の斜度の整地で、下にあるようなずっと平行で同じ深さの溝を描きます。



    さらに悪いのは、彼らの多くがこれを最新のダイナミックなレースターンだと勘違いしているという事です。この幻想は彼らがより長く、真っ直ぐなスキー(FIS規格のGSスキーならいうまでもなく)に切り替えたり、単に急な斜面に移動しただけでたちまち消え去ります。ところが、そのときにはもう手遅れなのです。ターン全体を通じて両スキーに均等に荷重する動きのパターンを身につけたレーサーは、ゲートに入るといい滑りを見せることが全く出来ません。ゲートの中では、このようなレーサーは通常フェイズ2の始まりまでに内スキーに傾いて乗り込んで、外スキーへの圧力を失っています。結果、フェイズ3の弧の少なくとも一部の部分ではかなりずれて滑ることになります。

    もしスキーヤが全体的に良いバランスを保っていたとしても、50:50のスキーへの荷重配分では綺麗な弧を作るチャンスは非常に少なくなります。このアプローチは比較的平らに近い斜面での、浅いターンならいいかも知れませんが、この内スキーの使い方一つだけしか技術の引き出しに入っていなければ、好結果を出すことは出来ません。では、なぜこのような間違いがコーチやレーサーの間でこんなにもよく見られるのでしょうか? おそらく、かれらはゲートの真横で取られた下のスイスのDidie Cucheの写真のようなものを見て、ワールドカップスキーヤーの技術を真似しているからだと思われます。



    この写真ではCucheはターンのフェーズ3を両スキーに荷重して行っています。下の連続写真で著者が示しているように、このフェーズでは内スキーがたわむことは頻繁にあります。



    最後のフレーム(ターンのフェイズ3)では、内スキーは明らかに荷重されていて、少したわんでいます。しかし、これは3フレーム中の1フレームに過ぎません。実際、下から3つ目のフレームではスキーヤーはフェーズ2の完了とともに、著しく少ない内スキーの荷重でフォールラインを抜けており、内スキーは真っ直ぐです。

    それではワールドカップレーサーは毎回のターンでよりスピードを乗せるために、どのように内スキーを使っているのでしょうか?
    一般的に、ワールドカップスキーヤーはフェーズ1における外側と内側のスキーの荷重の配分の割合を80%:20%から70%:30%くらいに保ちます。この割合はターンの弧の中で変わってきます。通常、良いターンは、下で著者が示しているように、フォールラインの上で外スキーに90%近い荷重で開始されます。



    ターンは上から2番目のフレームではじまります。この時点では内スキーは非常にかるく、ほとんど雪から浮いています。スキーヤーがフェーズ1を進んでいくにつれて、荷重はより内スキーに移動していきます。フェーズ2でフォールラインに入るころには、下の連続写真で見られるように、内スキーはさらに荷重を持ち、単に横方向のバランスを保つためだけでなく、フェーズ2とフェーズ3でカービングで弧を描くのに実際に貢献するようになります。



    レーサーがフェーズ3の完了の時点でこれよりもさらに内スキーに荷重を移すのは珍しいことではありません。典型的にはこれは、上でHermann Maierが見せているように、ターンの終わり(つまりフェーズ3の完了時)を直線的にして、弧からはずれ、加速して出て行くために行われます。

    これらのターンのフェイズは通常違う長さになります。それぞれのフェーズの長さは斜度のきつさやターンの形で変わってきます。斜度がきつければきついほど、ターンが丸ければ丸いほど、スピードを保つためにフェーズ2と3は短くなる必要があります。緩斜面から中程度の斜面での、大きく長いターンでは3つのフェーズの長さはほぼ同じになります。この特定の状況でのみ、両スキーの荷重の割合はターン全体で50:50に近くなります。GSやSuper-Gでのこの特定な状況が、一部のインストラクターやコーチに、すべてのターンで内足がどのように使われるべきかの基本的なテクニックだと誤って理解されているものです。

    斜度が中程度からきつい場所での通常のターンでの、スキー間の荷重のおおよその割合は下のようになります。



    上のMaierの連続写真で見られるように、フェーズ3が完了する時点におけるこの割合は、内スキーにより荷重を移動させる方向、外60% 内40%かそれ以上までに、変わり得ます。これはとても頻繁に誤解される最新技術の一面です。詳しい説明は下になりますが、荷重の配分のパーセンテージが文字通りに取られないことを希望します。これはおおよその仮の数字であって、現実には下のオーストリアのRainer Schoenfelderが見せているように、圧力は両スキーがターンの弧を進んでいくのにつれて移動していきます。



    この連続写真ではレーサーはターンの全体を通して両スキーを常に雪面につけています。Schoenfelderはゲートに近寄るにつれて徐々に外スキーから内スキーに荷重を移しています。不躾ですが、彼のスキーは、両スキーにターン全体で同じだけ荷重しているジュニアレーサーとは違うシュプールを描くであろうと言わせていただきます。上であげたように、彼らはこういうシュプールを残します。



    ワールドカップレーサーの残すものはこのようなものになります。



    私はこういうシュプールが、ジュニアレーサーがある程度きつい斜度の場所を滑る場合にも残されるべきだと考えます。私の意見では、レーサーの残すシュプールを調べるのは、彼らの技術を分析して、洗練させるのに非常に役に立ちます。ワールドカップスキーヤーのシュプールを調べると、内スキーの残すシュプールはターンの最後、次のターンが始まる直前に深く(あるいは雪によっては広く)なるのに気が付きます。

    詳しく見ると、フェーズ3においてシュプールが平行でなくなっているのも明らかになります。なぜこれが起きるのか?おそらく答えは下のフィンランドのKalle PallanderがBeaver CreekのGSコースの、斜度がきつめのセクションでGSターンをしている写真で示されるでしょう。



    Pallanderはコースが要求するある程度丸いターンをしています。これはGSコースで見られる最大級に丸いターンでは全くありませんが、このターンでさえも相当な圧力を外スキーに作っており、板はフェーズ2の完了(下から4番目のフレーム)からフェーズ3(下から2、3番目)に入るところでずっとたわんでいます。ゲートを越える辺りでは外スキーが内スキーに比べて相当に多くたわんでいるのはあきらかです。結果、外スキーは内スキーよりきつい弧でカービングすることになりまず。これが、結果的に平行でないシュプールを生み出します。この著者の実演でよりはっきりと見えるかもしれません。



    均等に荷重を分配する事の支持者の一部は、スキーが平行でなくなることを「積極的な内スキーの舵取り」で避けることにこだわります。それはゆっくりの「レールターン」ではやれますが、レーススピードでのダイナミックなターンではほぼ不可能です。また、単純にそれは不必要ですし、実際には過剰に丸い弧を描くターンになるために非常に遅くなる可能性があります。もしレーサーがそのような弧を綺麗に描くことが可能であったとしても、ターンごとにスピードを失うことになります。フェーズ3でスピードを保ち、あるいは加速さえするために、ワールドカップスキーヤーはターンの終わりを直線的にします。別の言い方で言えば、フォールラインに対して45度辺りでターンから外れることを可能にする、下が加速して伸びた、コンマ形の弧を描きます。ここでHermann Maierが示しているように、それはフェーズ3が完了する時に外スキーから内スキーに荷重を移動することで行われます。



    上から3番目のフレームで、外スキーは、ほとんど真っ直ぐを向いている内スキーに比べて小さな弧にがっちりとはまっています。この時点でもし外スキーに荷重し続けると、横に移動しすぎて減速することになります。その代わりに、Maierは外スキーから、望む方向に彼を連れて行ってくれる内スキーに荷重を移動しています(最後のフレーム)。この動きはワールドカップレーサーによって良く使われますが、タイミングが少し難しいことがあります。もし荷重が内足に移されるのが遅れれば、レーサーは斜面を横切って遠くに行き過ぎてしまって、次のゲートを攻めるのが難しくなります。もし内スキーが少し早く荷重されれば、次のゲートに真っ直ぐ向かいすぎてしまうかもしれません。その場合はラインを修正する必要があるかもしれませんし、そうなるとレーサーのスピードに影響が出ます。そのため、適切な内スキーの荷重のタイミングをまずフリースキーで身につける必要があります。

    もう一つすばらしい、しかしそれほどあからさまではない、実演がやはりHermann Maierによってしめされています。イタリアのBormioの、とても急なコースでのGSターンです。



    この連続写真の最後の2フレームが、内スキーの使い方においては一番興味深いものになります。下から2番目のフレームはフェーズ2の非常にダイナミックな完了を示しています。両スキーがフォールラインで弧の一部を描いています。外スキーの方が明らかに大きく荷重されており、非常にたわんでアーチを描いています。正直なところ、フォールラインでこれだけスキーをたわませられるスキーヤーはワールドカップにもそれほどはいません。内スキーもフェーズ2(下から2番目のフレーム)で荷重されていますが、はっきり少ないたわみ方でかなり少さな荷重であることがわかります。荷重の配分の割合は70:30で外足といったところでしょうか。これだけ急な角度だと荷重配分は普通よりもたかく、80:20までに届くかもしれません。

    フェーズ2の中ごろまでは外スキーに圧力がかけられ、フェーズ3のはじめ(最後のフレーム)ではそのスキーのテールに圧力が移動しているのに注意してください。同時に、Maierは内ブーツのタンの圧力を保つか、増やしており、内スキーの前に圧力をかけることになっています。つまり、荷重は単純に外から内へ動くのではなく、外スキーのテールから、まだ真っ直ぐ進んでいる内スキーの前へと動くことになります。フェーズ3の中間(最後のフレーム)での配分は60:40くらいになり得ます。荷重移動はフェーズ3を出るまでに終わることになります。下のMaierの写真で見られるように、この時点で、一瞬、配分は40:60で内スキー荷重になります。



    そのため、「新しい」ターンのフェーズ1の最初までには、レーサーは完全に真ん中に乗りなおしたポジションを取ることができます。もちろんこれは完璧な場合のシナリオですが、内スキーの使い方の微妙な部分を理解することになしに、これを行うことは出来ません。ここで示したことが、最新のレースターンにおける内スキーの使い方は単に両スキーを同じだけ荷重することとは違うと言うことを、十分に証明したと期待しています。内スキーの持つ大事な役割は明確だと思います。しかし、適切な内スキーの使い方を教える、明快なアプローチが必要です。私は、一つだけ基本的なドリルを使って私の考え方を示したいと思います。

    ワールドカップレーサー達の技術を調べると、多くの人間がターンに入るとき(フェーズ1の最初)に、ほんの少しだけ内スキーを持ち上げているのに気が付くかもしれません。間違いなく、100%の荷重が外スキーにかかった状態でターンに入っています。この動きは、レーサーがアグレッシブにターンの弧の中に動いていく際に、傾いて内スキーに乗ってしまうことを避けるのを助けてくれます。この技術はMaier、Cuche、Blardone、Raich、Schlopyといった古い世代の人間により多くみられます。彼らはターンの最初に内スキーを持ち上げろと子供のときから習っているのです。今、彼らはその動きを最新の技術の中で使っています。比較すると、若い世代のレーサーは両スキーを常に雪面につけていることが多い。中くらいからある程度の急斜面までなら、他の条件が同じだとすると、このアプローチが速いかもしれません。この技術は現在世界中のジュニアレーサーに一般的に教えられています。しかし、ベテランレーサーのアプローチも無視してはいけません。とくに非常に急な斜面ではそうです。わたしは、内スキーを持ち上げてターンに入るドリルが内スキーを使う技術を身につけるための基本であると確信しています。このスキルを身につける際、適切な内スキーの持ち上げ方と、正しいスキーの置き方、エッジのかけ方に注意を払う必要があります。そのために、一つシンプルなドリルをお勧めします。

    フェーズ1の始まりの直前に「新しい」外脚を伸ばし、内脚を、雪と太ももが平行になるまで縮めます。両スキーは平行で、片方が宙に浮いて、片方が雪面にあります。スキーの先はどちらも先に出さず、真っ直ぐにします。つまり、フェーズ2において典型的な、片脚が伸びて片脚が非常にまがった、大きくたたまれたポジションになります(下のMaierのフェーズ2を見てください)



    それから、内側に向かって傾いていき、内スキーの外エッジがフェーズ2の始まりで雪面に着きます。これは普通に滑ったとき、内スキーに荷重が移るのと同じタイミングで起こります。このドリルが正しく行われれば、スキーヤに内脚を曲げる動きと荷重移動を強調してやらせることになります。このドリルは明らかにスキーヤーの左右のバランスを要求しますし、それを鍛えます。内スキーのエッジが正しい角度で付くことも大事です。よくある間違いは、ただ内スキーを上げて、弧の内側に動くことなく、そのまま平らに足をつけてしまうことです。このドリルで残されるシュプールはこのようになる必要があります。



    このドリルの一つのバリエーションは、内スキーが雪に付くとき、その先を、外スキーの先より少し後ろに下げるというものです。これで体の左右が離れすぎ、結果傾いて内スキーに乗るのを防げます。

    もう一つのバリエーションは内スキーを持ち上げて、その先を外スキーの先に重ねるというものです(ジャベリンターンではありません)。正しくやれば、フェイズ1の開始時に外スキーの先の膨らんだ部分により多くの圧力を与えることが出来ます。どちらのバリエーションをやるにしてもシュプールは上のようになる必要があります。

    これらのドリルのバリエーションと、両スキーを雪につけた普通のターンを組み合わせることで、内スキーを使う体の動かし方のパターンを身に着けることが出来ます。高いレベルにおいては、ゲートの中でこれらのドリルを使うのも良いでしょう。私は内スキーの役割を理解することが、あらゆるレベルのコーチやレーサーにとって必要だと確信しています。この記事が多少ともその役に立つことを期待しています。



    「ターン後半で山脚荷重にしてから切り替える」というのは、US Ski Team元ヘッドコーチPhil McNicholがキャンプで言っていたことと同じで、紹介されているドリルもUp and Overと同じものだ。レーサーやコーチ同士でも意見の違いというのはあるし、時には人によって全く逆の事を言っていることもあるけれど、上手い人のほとんどがやっている「基礎」の動きがあるとすれば、これは間違い無くその一つだろうと思う。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/05(火) 11:23:47|
    2. 内脚の使い方
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2

    "本当の"内足の使い方

    今までのエントリーで「内足は駄目」と言ってきたし、何人もの世界的なコーチや選手がはっきり外足荷重だと書いているリンクを紹介した。でも「いや、凄く上手い人が内足を使うと言っていたよ」と言う人も居ると思う。実はその通り。駄目なのは「ターンの前半での大きな内足荷重」であって、内足も"何か"はしている。

    たとえば pmts.org のスキー教師達は、ボーゲンやシュテムをせずに、直接パラレルを教えるメソッドをとっている。これは「両足を使う」事に重点を置いたモダンなものだ。ここで教えているPhantom Moveというのがある。



    内足を見えない位軽く持ち上げ(見えないからPhantom=幽霊)、その「内足を」ターンの内側に傾けて、エッジを立てるというもの。人間の体の作り的に、外足を傾けても内足は真っすぐになりがちだけれども、内足を傾ければ外足も奇麗に傾いてくる事が多い。内足のスネが外足のスネより立っている滑りはA frameと呼ばれて、左右のスキーが別の動きをしてしまうから、一般にあまり良い事とはされていないけれど、この方法だと左右のスネの角度をそろえて滑りやすい。

    Phantom MoveはPMTSのメソッドでは最初の段階で、もう少し進むと内足を持ち上げず、荷重を内足に残したままエッジを切り替える、Weighted Release(荷重しながらエッジを緩める)と呼ばれる方法をとる。

     内足荷重! 

    そう。 ステンマルクの頃 は完全に内足を上げて滑っていたけれど、最近ではあんなに大げさに動いて滑る事は滅多になくて、内足に多少荷重が残る事が多い。ここで大事なのは、練習としてわざとやるんじゃ無い限り、絶対に内足荷重が外足荷重よりも多くはならない事と、状況が厳しくなればなるほど、内足荷重は0に近づくという事。この内足に荷重したままの切り替えについては、前のエントリーでも紹介したレースコーチのGary Dranowも この記事 で書いている。

    上のリンク内、下から2つ目にヘルマンマイヤーの写真がある。ここでは切り替えの最初の時期に、外足=谷足を踏み切るような動きで内足=山足に体重をうつしたことで、外足のスネが内足側に傾いている(A frame)のが見える。次のシーズンにはマイヤーの滑りからこの動きは消えて、下のエリックシュローピーの写真のように、両スキーを同時に切り替えるようになったと説明されている。これは谷足=内足に外足よりも体重をかけたまま曲がるようになったということではなくて"谷足を大きく踏み切ったりせずに山足に体重を移してから、両足、あるいは上のPhantom Moveのように意識としては内足、を傾けてターンをする"という事だ。

    この動きは同じサイトの ここ でも別のコーチによって次のように触れられている。

    "driving the inside knee forward and into the turn - is a focal point that works for many people trying to break the “A frame” stance and develop a more active role for the inside ski"
    「内膝を前及びターンに向けて入れる事は、A frameをなおし、内スキーをより積極的に使おうとする人達の多くに役立つポイントである」


    また、ロシア人コーチGreg Gurshmanのサイトにも、A frameをつくらない内足の使い方の 練習法の記事 がある。

    ステンマルクの頃は大げさに体を動かして、スキーを浮かして思いっきり山足に乗ってターンを始めて、ターン後半にかけて浮いた内足をゆっくり外足にそろえていたのが、ヘルマンマイヤーの初期の頃にはもっと小さく、ターン前半にちょっとA frameが出る程度の動きになって、今の滑りでは外からは動きが見えにくい位のコンパクトな重心移動をして、ターン開始から内足をそろえたまま動かすようになったと言う事のようだ。個人的にはほとんどカービングスキーしか使った事無いから、最後の滑りしか知らないけど。

    今の滑りは「内足もつかう」けど、それは「内足=谷足に荷重をかけっぱなしで曲がる」事ではないんだな。ターンを始めるときに山足に乗るのは今でも同じだね。

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    1. 2012/05/03(木) 05:02:54|
    2. 内脚の使い方
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