Rockface

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    バランスドリル - その1

    去年の記事ではバランスよく滑る為の基本の構えである、パラレルポジションとアスレティックスタンスについて書いたけれど、今回はそのスタンスを基本として、どのようなバランス練習が行われているのか紹介する。

    まず、ドリルというほどのものではないけれど、Boots Undoneという、バックルをすべて外して滑るものがカナダのドリル集に載っている。他のさまざまなドリルをバックルを外して行うことで、より難しくすることも出来る。個人的にはウォームアップとして、朝一番にこれでじっくり1~2本滑ることも多い。

    次に、若い(小さな?)ジュニアの間でかなりよく見かけるのがカナダのドリル集でGoalpostと呼ばれるもの。



    ストックを上下逆に持った手を肩の高さに保ち、斜面下に目標物を決めて、それを垂直に立てたストックの間から常に見えるようにしながら滑ることによって、バラ ンスを保つ際に重要な、上半身と下半身の分離を鍛えることが出来るとカナダのドリル集には載っている。動画(USSAのもの)ではスラローム(小回り)の場合下の目標物を狙い、GS(大回り)の場合には谷スキーの先を狙うように、と説明されている。

    今年のシーズンインでは、これのバリエーションでストックのグリップではなく、シャフトの中心を持って行うパターンのものをやっているのを良く見かけた。また、ストックを両手で横に持って、斜面に平行に保ったまま滑るドリルが昔からあるけれど、同じ狙いのものだ。



    ここではこのドリルの説明を以下のようにしている。

    ストックを体の前で持ち、斜面に平行になるように保つ。手のひらは上に向けても、下に向けても良い。上に向けるパターンは、腕が固まり、肘が張り、骨盤を引っ張る筋肉を緩めてローテーションする癖のあるスキーヤーに有効である。もうひとつのバリエーションはストックを手首の上に乗せてバランスをとるものである。手は体の前に自然に出し、過剰に突き出すようにしてはいけない。手、腕、肩を一つの物として考える。肩や腰を平行に保たずにストックだけを動かす事も可能であるから、コーチはこれに注意して必要に応じて修正すること。

    ストック(及び肩と腰)を、ターンの各ポイントで斜面に平行に保つことによって、スキーヤーは左右のバランスがしっかり取れるポジションを取ることができる。この練習をガーランドで始めれば、ストックを斜面に合わせるのを楽にする事が出来る。


    他にもストックを使うものでは、肩に担いだり、



    さらに両肘の内側を通して背中に回したり、腕を伸ばして頭の上に平行にして持ったり と色々なバリエーションがあるが、これらはそれぞれ少しずつ違う狙いで行われる物だ。例えば背中に回すバリエーションはカナダのドリル集では

    スキーヤーはストックを背中に回して両肘(の内側)で引っ掛け、肩を後ろに、胸を持ち上げるようにする。ターンは高い上半身と、両すねへの圧力をしっかり意識しておこなう


    とされていて、目的は、

    • 安定した上半身を培う
    • 前後のバランスを培う
    • (体の各部の適切な)並び方を鍛える


    となっている。これに対して、頭上で持つパターンのものは

    スキーヤーはストックを頭の上で肩の外側の幅で持ち、「勝利のポーズ」



    をとってターンする。上に伸びること、両脛の圧力、拇指球への荷重と両足、両足首、両膝、腰の並びをしっかり意識して行う。


    目的としては

    • 前後のバランスを培う。
    • (体の各部の適切な)並び方を鍛える
    • 上半身と下半身の分離を強化する


    と、微妙に違う目的になっている。また、腰の下に当てて腰を持ち上げながら滑るものは、

    ストックを尻のすぐ下に当て、前と上に引きながら脛により体重がかかるように滑る。肩は膝の皿より前に出るようにする。




    目的は

    •(体の各部の適切な)並び方を培う
    • 前後のバランスを強化する
    • 上下のバランスを強化する


    のように、しっかり腰を持ち上げて、各関節が自然に並んだ形で滑る事に主眼が置かれている。

    さらに、前に紹介したdartfishではバランスを強化するドリルとしてCarry The Torchというドリルなども載っている。



    この練習は強い横のバランス感覚を養う。ストックはグリップの下部で親指と人差し指で持つ。外のストックはターンの外側で雪の上を引きずり、内側のストックは体の前でオリンピックのトーチを持つように空中で持つ。これにより、両肩が雪面と平行になることを促す。ストックを扱う動きは滑らかである必要がある。体重は外スキーの上。内スキーを持ち上げて行ってもよい。



    またポールを40センチほどに切って、両方に取っ手を付けたハンドルバーと呼ばれる物を体の前方、胸の高さに保って滑るドリルを、アメリカのレーサーたちがやっているのを、去年の「静かな上半身」で紹介した映像で見る事が出来る。





    ハンドルバーのドリルはカナダのドリル集によれば下の事が目的とされている。

    • 上半身と下半身の分離のために必要な体幹の筋肉を分離する
    • 安定した腕と手のポジションを養う
    • 上半身の安定を意識する


    上の他のバランスドリルと同じように、上半身を安定させることに加え、手や腕の位置も安定させることを意識したドリルだという事がわかる。

    これらの映像では他にも、上に挙げたストックを平行にして滑るドリルをこなしているのが見られ、さらのそれを片足でやっているのも一瞬写っている。また、ストックを持たず両手を腰に当てたり、肩に置いたりしているのも写っているが、このようなストックを持たずに両手を体の色々な場所において滑るパターンについては次回に紹介する。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2015/03/09(月) 00:44:47|
    2. 北米スキードリル
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    バランスとスタンス

    SkillsQuestの4技能のうち、Rotary/PivotとEdgeingのドリルを今シーズン初めに紹介した。これらはスキーを回したり、傾けたりという、「スキーの操作」にかかわるもので、「スキー技術」として教えやすい、覚えやすい部分であると思う。また、特にRotaryのスキルはコブや急斜面を安定して滑るために、即効性のある、実用的なものだ。

    ただ、個人的には前に書いたように、スキーで一番大事なものはバランスとスピード感だと思うし、スキーレーサーがやっているもので一番良く見かけるのはバランスドリルだ。SkillsQuestではバランスはフリースキーで見ることになっており、特別にドリルは紹介されていないが、前に紹介したカナダスキーコーチ連盟のドリル集や、USSA Alpine Ski Fundamentals、その他実際に見かけたUSのレーサーのトレーニングなどを使って、今回からは北米で行われているバランス強化ドリルを紹介したいと思う。

    まず、しっかりとバランスを取る為に大事なスタンス(構え)。USSAではAthletic Stanceと、Parallel Positionといわれるものを基本に組み立てていく。

    Athletic Stanceとはスポーツ一般で使われる用語で、基本の構えの事。これがどのような物かはスポーツごとに違うわけだけれども、USSAはスキーのAthletic Stanceを、

    動いているか止まっているかに関わらず、左右の足首、膝、腰、肩を通る線は、スキーに対して直角になる。

    スキーヤーの重心は両スキーと両足の支えの上に真っすぐ並んでいる。

    両手と両腕は自然に持ち上げられ、体の前にあり、視線は前を見ている。

    一般に「スクエアスタンス」と呼ばれるものである。


    としている。これに対してParallel Position は、

    スキーは平行で前後が同じ距離だけはなれ、整列した体の内側(=山側)の適切な先行により、斜滑降の際のアンギュレーション(外向外傾)と動的なバランスを保っている。

    スキーヤーの両足首、両膝、腰と肩は前に出たスキー(=山スキー)に対応する形で並んでいる。内腰は持ち上げられ、上体は腰の向きを向いている。重心は両スキーと両足の支えの上に保たれている。


    という事だ。

    これらのポジションはUSナショナルチームのすべてのメンバーと、世界中のレーサーが使う物で、アスリートは状況次第でこの両方のポジションを滑らかに行き来出来るようになる必要があるとされている。

    アスレティックスタンスでは体重は両足にのり、腰はスキーの向く方を向き、体はリラックスして、関節は自然にまげられ、エッジは立てられていない。これは直滑降やジャンプ、”時には”ターンとターンの間の瞬間的なトランジションにおいて使われる。

    パラレルポジションでは足は肩の広さに広げられ、内側の膝、腰、腕、手、肩は、内足が前に出ているのに合わせて、少し前に出ている。内足が先に出ていることは必須であり、これは斜面が傾いている事からくるものだ。腰は山側が上げられ、体重は谷スキーに乗る。

    パラレルターンをより速いスピード、より難しいコンディションで行う為に、スキーヤーは、インクリネーションやアンギュレーション、さらに動的なバランスが協調して強まっていく事を可能にする、生体力学上有利なパラレルポジションに「入っていったり(作っていったり)」、「出て行ったり(解いていったり)」する事が大事である。アスレティックスタンスとパラレルポジションという基本の構えは、体の主要部分が腰を中心として滑らかに協調する事を可能とする物でなければならない、とされている。

    これら、アスレティックスタンスとパラレルポジションのドリルとしては以下のような物がある。


    まずは単にアスレティックスタンスで真っすぐ滑り降りるもの。

    Get Microsoft Silverlight

    バリエーションとしては片足、高いクローチング、低いクローチングがある。行う事自体は非常に簡単な物だが、まず立ち方に問題があったら何をやっても駄目と言うのは簡単に想像がつくので、コーチングをする際にまずはここから始めると言うのは理にかなっている。


    次にパラレルポジション。こちらは残念ながら映像は見つからなかったが、USSAのドリルプランに説明がある。
    http://my.ussa.org/sites/default/files/documents/athletics/education/2012-13/documents/Parallel.pdf


    • 初心者向けから中級者向けの整地で行う

    • 斜面の横に、スキーを平行にして自然な幅だけ広げて立つ

    • 内足(山足)が先に出る事が必須。これは斜面が傾いている事によって出るもの

    • 両足首、両膝、腰と肩はそれぞれ平行になる

    • 山側の腰は上げられ、体重は谷側のスキーにかかる

    • 肩は腰の向きを向く

    • 手はリラックスして体の前にあり、スキーヤーは進行方向を見ている

    • 体重はスキーの中心にのり、山スキーは足首、膝や腰から、斜度に対応する形で前に出ている

    • スキーヤーは足首、膝、腰を曲げて直立した姿を保っている

    • 手はリラックスしてしっかり前に出されている


    「手はリラックスして前」というのは”大事な事なので2回”言われている(笑)いや、実際とても大事だ。


    評価のポイントは


    • スキーは自然な幅に開かれ、平行。山スキーが前に出ている

    • 両足首と両膝、腰と肩が平行

    • 山側の腰が上がっている

    • 体重は谷スキーの中心にかかっている

    • 手は前に出て、肩はリラックスしている

    • 上体は腰の向きを向いている

    • 進行方向を見ている


    バリエーションとしては


    • 山スキーを持ち上げて斜滑降

    • サイドスリップからエッジセット(エッジを立てて止まる)

    • 完全にエッジをかけて(ずらさないで)斜滑降

    • 直滑降から、完全にエッジをかけたまま(ずらさないで)斜滑降へと移る


    という物があげられている。

    このように、USSAでは自然な両スキーの幅で、山側の半身は前(外向)、山腰を上げて(外傾)滑るのが基本の構えとされていて、山スキーは「斜度に対応する形」で出るとなっている。どのような状況でも絶対に正しい形があると言う事ではなく、状況に対応して必要なだけ出るという事だ。

    さて、構えの事だけでずいぶんな量になってしまったので、このような基本の2つの構えを前提にした上で、実際どのようなドリルでバランスを鍛えるのかは次のエントリーで書こうと思う。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2014/03/15(土) 23:50:59|
    2. 北米スキードリル
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    Edgingドリル - その2

    日本に帰国する用事があったりして2週間ぶりの更新となってしまったけれど、前回のPSIAとカナダの初級エッジングドリルに続いて、今回はUSSAのSkills Questでエッジングがどう扱われているかの紹介になる。Skills Questではフェーズ2でOutside Ski Turnsを使ってエッジングを評価することとなっている。そこまでの展開として、まず、

    •  片足で直滑降

    •  足踏みをしながら(左右のスキーを交互に上げながら)直滑降

    •  山スキーをあげたままスロープを横切る

    •  足踏みをしながらスロープを横切る



    等の練習や、以下の1000 stepsやThumper Turnsというドリルがあげられている。(Thumper Tunrsは実際には次のフェーズ3で挙げられているが、Outside Ski Turnsへの導入と書かれているためここにまとめる)

    1000 steps


    左右に踏み替え続けながらターンをする。普通にカービングをする時と同じようなポジションで、しっかりしたエッジのコントロールを保つ事。

    この練習の目的は、左右のバランス、足首の適切な絞め方、体の各部の動きの分離である。あらゆるレベルのスキーヤーを対象とするが、ターンの内側に体ごと倒れてしまうスキーヤーや、逆にターンの早すぎる時期に腰をさげて固まってしまう(パークアンドライド。参考記事)スキーヤーに特に有効。それらのスキーヤーには、外スキーに内スキーより少し長い間乗るように指示するのも良い。

    低くしゃがみ過ぎで腰が下がっているスキーヤーには、一歩一歩を特に大きくするようにさせる事で、姿勢を高く保てと繰り返し繰り返し口で言うことなく、腰を上及び前に出すようにさせられる。

    正確にドリルをこなせる程度の、非常に緩いスロープから始めるのが重要である。


    Thumper Turns




    Thumper TurnsはOutside Ski Turnsへの導入として使える練習である。Outside Ski Turnsの目標は、ターンに入る時、ターン中、ターンを出る時のすべての局面において100%外スキー優位にする事である。これは始めてやるスキーヤーにとって新しい感覚である為、最初は内スキーで雪面を叩くようにして、1瞬だけでも外スキーのみで滑る感覚を掴む。なれるにつれてスキーをあげる時間を長くしていき、最終的にはずっと内スキーを持ちあげて完全に外スキーの上でバランスをとることになる。


    これらの練習をこなして、外足だけでカービングターンがある程度できるようになったら、次のOutside Ski Turnsの出番になる。




    司会の女性:

    今回のスキルはエッジングドリル、Outside Ski Turnsです。外スキーだけで滑る為には色々な事が必要です。バランス、筋力、タイミング、そして、速い奇麗なカービングをするのに必要な基礎である、エッジコントロールです。

    レース中は、外スキーに体重を集中させてターンをするのが目標となります。なぜ?これが一番安定して、強く、そして効率良くターンのGを処理する方法だからです。

    ナレーション:

    このドリルには、とても広く、邪魔するものの無い、整地の中斜面が必要だ。これによって、スピードをコントロールして、エッジングだけに集中し、ターンとターンの間に十分な時間を取る事が出来る。ターンが終了するたびに、スキーヤーはスキー2本分の長さを斜滑降してから新しい外スキーを雪に下ろし、新しい内スキーを持ち上げる。子供には「1、2、と数えましょう」と指示しよう。それから、スキー2本分の長さ斜滑降した後、新しいターンを始める。スキーヤーはストックを突いても良いが、バランスを取る為に寄りかかってはいけない。目標は、内スキーを持ち上げながらカービングターンをする事。このドリルは非常に難しく、スキーヤーの弱点がすぐに明らかになる。正しく行われた場合、次のような事がみられる。


    •  ターンは片方のスキーが完全に雪から持ち上げられた状態で始まり、終わる

    •  内スキーはターンの間中完全に雪から離れている

    •  ターン間での斜滑降の中間点で、前の内スキーを下ろし、次の内スキーを上げる際、はっきりと体重移動がみられる

    •  体重移動の前と後の両方で、スキー2本分の長さを滑る間、スキーは雪から離されている

    •  両腕はコントロールされ、バランスが取れていて、前にある

    •  ターンは丸く、スピードは一定である


    よくある失敗は、

    •  ターンの局面を問わず、内スキーを雪に付けてしまう

    •  斜滑降が無い。このドリルは連続したターンをするものではない

    •  斜滑降の中間ではっきりとした体重移動が無い

    •  ターンの開始時に突くストック以外で、ストックを使ってバランスを取る

    •  リズミカルで滑らかな、丸いターンを行えない

    •  カービングしていない



    Doug Lewis(ワールドカップダウンヒル最高2位、ワールドチャンピオンシップ銅メダル):

    これは僕の"行きつけの"ドリルだ。ワールドカップで、ストレスで参っていて、調子が良くなかったりした時、リフト2本ほど、Outside Ski Turnsだけで降りてきたのを思い出す。それで集中でき、バランスも良くなり、雪をしっかり捉えられるようになる。そのあとは調子も上がり、"準備完了"だ。

    司会の女性:

    これはスキーヤーを試して、結果を出す、素晴らしいドリルです。また、あなたがジュニアレーサーでも、ワールドカップレーサーでも毎日やれるものです。



    Skills Questの次のレベル、フェーズ3でのドリルとしてはOne Ski Skiingがあげられている。そこにいたるまでの練習として、

    •  子供は平地で片方だけスキーを付けて鬼ごっこをさせたり、ストックでレースコースを作ってレースをさせたりする。徐々に少し角度の付いた所でやらせる。

    •  山スキー、谷スキーを持ち上げたまま斜面を横切る

    •  360度ターン

    •  山スキー、谷スキーを持ち上げてギルランデ(=片側のターンだけを繰り返す。Garland)

    • Outside Ski Turns


    等の練習の他、White Pass Turnsがあげられている。


    White Pass Turnは前の外スキーのエッジをリリースする事を身につける為に使われ、フォールラインかその後に、外スキーが雪に付けられる。これはスキーヤーがターン終了の局面で谷スキーのエッジを山スキーの補助無しにリリースすることを覚える助けになる練習であり、焦点はターントランジションでスキーが前のターンの内エッジから次のターンの内エッジへ(親指側エッジから小指側エッジへ)と傾けられる部分にある。この練習はOne Ski Skiingの導入ともなる。



    このような展開を経た後、フェーズ3のエッジング評価のドリルとして、One Ski Skiingとなる。



    司会の女性:

    1本のスキーで滑る事は若いスキーレーサーにとって、非常に大きなチャレンジとなりますが、大概の場合、彼らが好きな事の一つでもあります。そしてそれは好ましい事です。非常に価値がある物なので、いくらやっても足りないからです。このドリルは、外スキーでのカービングを洗練させるだけでなく、どうやって内スキーで滑るかを覚えるのにも役立ちます。最上のオプションではありませんが、レース中には沢山のレーサーが、ミスから内スキーで弧を描きながら脱出して助かっています。

    ナレーション:

    このドリルをなにも邪魔するものがない、整地の中斜面で行おう。スキーヤーは1本だけスキーを履き、連続したターンを8回行う。ターンは滑らかで丸く、一定のターン弧のカービング中回り。スキーヤーは浮いた脚を安定させ、完全に雪から浮かせる。ストックはバランスを保つ為には使ってはいけない。どちらの脚でもこれを行える必要がある。正しく行われた場合にみられる事は、


    •  ブーツはターンの間中完全に雪から浮いている

    •  両腕はバランスを保ち、コントロールされ、前にある

    •  ターンは滑らかなカービングでターン弧は一定である

    •  ターンとターンの間では、ストックを突く


    よくある失敗は、

    •  浮いた脚を雪に付いたり、振ったりして、補助として使う

    •  ストックを引きずってバランスを取る

    •  ターンが丸くなく、カービングでない

    •  ドリルを行っている間、スピードがコントロールされず不安定



    Eric Schlopy(ワールドカップGS最高2位 ワールドチャンピオンシップGS銅メダル):

    1本のスキーで滑る事ほど色々な感覚を目覚めさせてくれる事はない。山の大きさや、どこで滑っているかは関係ない。脚は強くなり、2本のスキーに戻った時の自信の大きさは信じられないほどだ。僕はこれを小さい時に始めて、今でもやっている。

    司会の女性:

    1本のスキーで滑る事は最上のドリルの一つです。これを練習すれば、バランス能力と素早さ、エッジング能力が鍛えられます。マスターすれば、レースコースを攻める自信が得られるでしょう。




    2回にわたってやってきた、USとCanadaのエッジングドリルの紹介。これらはカービングにおいては特に重要な物となる。Pivotのドリルの回で紹介した動画でBodeは、カービングで「一番重要なのはエッジを雪に奇麗に噛み込ませ、ダイナミックなターンの間中その上に立ってバランスをとる能力」と言っている。綺麗にエッジングしたスキーの上でバランスを取る為に重要になるバランスのドリルも、近いうちに取り上げようと思う。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/12/06(金) 10:58:18|
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    切る! Edging ドリル - その1

    前回の記事ではPivotのドリルの発展を紹介したけれど、記事の最後に、アメリカのベストセラースキー教則ビデオの著者で、元ワールドカップ選手、元PSIAデモのHarald Harbが、「PSIAがRotaryを非常に重視していることに一言以上あるようだ」、と書いた。実は彼のメソッドであるPMTSでは意識的にPivotすること(を教える事)を完全に否定していて、ターンは「スキーを横に傾けること(=Tipping)で行う」としている。この「Pivotを教えないこと」と「スキーを傾ける事でターンすること」は、実際綺麗なカービングターンを教える上で効果的に働いているように見えるし、彼の批判者達も、彼のメソッドが良い方法の一つであることは大概の場合認めている。

    PivotはUSSAでは技術の4分類、カナダのCSIAでは5分類の一つで、確実に重要なものだと思う。Pivot Slipsなんかはよく効くので自分でもやっているし、Copper MountainやLovelandといった、ワールドクラスのコーチたちも教えているスキー場でジュニアレーサー達がPivot系のドリルをやっている姿もよく見る。けれども、それはまだ技術全体の1/4、1/5だったりもする。もしあなたがアメリカのジュニアレーサーに「どうやって滑るのか?」あるいは「どうやってカービングするのか?」と聞いたとしたら、手を両膝に当てて膝を入れながら両スキーを横に傾け、「こうやってスキーを傾けて…」と答えるかもしれない。彼らはそうやって教えられているからだ。

    エッジングというと、スキーを回してエッジをかける事という意味で使う人がいるけれども、スキーを回すのは前回紹介したように、Rotary/Pivotの動きで、Edgingとは純粋にスキーとブーツを雪面に対して横に傾けることを言う(もちろん両方が同時に使われることも多い)。

    USSAのSkills QuestではこのEdgingを評価するドリルとして、まずOutside Ski Turnsをあげている。



    これをずらして回してしまうとPivot/Rotaryになってしまうので、あくまでカービングで真横に倒れるようにやらないとEdgingのドリルとしての意味は少なくなる。いきなりこういう完全なカービングを、それも片足で出来れば誰も苦労はしないので、ここにいたるまでのEdgingのドリルも、もちろんたくさんある。

    良く見られるのがPSIAでいうCarved Uphill Arc。



    これはPSIAではLevel 1でテストされるもので、前にあげたカービングの練習法でのオーストリアのメソッドとほぼ同じだ。比較的ゆるい斜面でエッジをしっかりたて、絶対にずらさないで山に向かって切れ上がって止まるというもの。両膝に手を当てて山側にしっかりと入れ込んでやるバリエーションをジュニアレーサーがやっているのも良く見かける。

    また、PSIAではその上のLevel 2でRailroad Tracksというものをやっている。



    ほとんど平ら位のなだらかなスロープで、同じように絶対にずらさないで左右に浅くターンをするというもの。カナダスキーコーチ協会のドリル集ではFUNdamental(楽しい基礎)の段階でRollerbladeとして紹介されている。個人的には腰に手を当てながらこれをやって(カナダのメソッドで言うHands All Overのバリエーション)カービングを覚えたけれど、斜面とも呼べないくらいのなだらかなところで、両スキーを絶対にずらさないことに集中してやるのがコツだ。

    カナダのドリル集にはこれをやる際の注意点として、綺麗な2本線を残すことに集中すること、脛に圧力を感じ続けること、があげられている。

    他にも、これは地元では見かけたことが無いので自分でやったことは無いけれど、おなじFUNdamentalのレベルでのドリルとして、Power Plowとか

    Ski exercise -power plow for edging from bobbys tool box on Vimeo.



    カナダのドリル集での説明:

    ハの字のポジションで、完全にエッジを立てたスキーの上でフォールラインから完全な弧をかくターンを繰り返す。肩と腰は下を見続け、手はバランスを取って前に、ストックを付くこと。(上の動画ではこの説明より比較的大きく回って体も最後は回っていっている)

    • わき腹から横に曲がって、外足に向かってわき腹がギュッとなったポジションになるように。
    • 安定した上半身とを保ち、ストックをしっかり付くように。



    Spaghetti Legsなどがあげられている。(埋め込み出来ないのでリンク)

    http://www.canfreestyle.com/wiki/spaghetti-legs/?doing_wp_cron=1385158411.8237779140472412109375

    カナダのドリル集での説明:

    膝をつけたり(X脚)離したり(O脚)して、雪に砂時計型のシュプールを残す。

    • 色々なやり方を試して、綺麗なシュプールを残すように(出来るだけ雪が飛ばないように)



    前回紹介した動画でBodeが言っていたように、カービングで「重要なのはエッジを雪に奇麗に噛み込ませ、ダイナミックなターンの間中その上に立ってバランスをとる能力」で、その際「左右のバランスは必須の物になる」。Skills Questの最初のエッジングドリル、Outside Ski Turnsは、バランスも発達していなければ出来ないけれど、そこにどうやって持っていくかの方法もあげられている。次回はSkills QuestのEdgingセクションの紹介をしたいと思う。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/11/23(土) 10:49:55|
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    ずらしの発展 - Pivot系ドリル

    今、日本のスキー界では「ズラし」が熱いらしい。乗るしかない、このビッグウェーブに! …古いな(笑)

    実は、前にあげた、アメリカのUSSAでも、カナダのCSIAでも、「ズラし」という技術は無い。いや、もちろん無いわけは無いけれど、技術の分け方としてそういう分類はしていなくて、主にRotary(カナダ)やPivot(アメリカ)=回旋、と、Edging=エッジの角度のコントロール、とが混ざった物と捉えている。

    アメリカのジュニアレーサーのトレーニングプログラムである、Skills Questでも、Pivotのドリルはいくつか出ている。ただ、Skills Questはフェーズ3でも滑走週3-4日、年間70日という、完全にスポーツとしてやっているレベルの物だし、あくまで評価の基準なので、あまりきめ細かくバリエーションが無い。ここでは、アメリカのスキー教師協会である、PSIAが何をやっているかも絡めて紹介したいと思う。

    PSIAはアメリカで一般の人にスキーを教えるスキー教師の団体だ。教える資格はLevel 1からLevel 3までの3段階あって、大体1が初心者を、2が中級者を、3が上級者を教えるという具合。そのLevel 1の試験で出るのがこれ。




    Side Slip、いわゆる「横滑り」だ。最初の説明では「フォールライン(真下)に直角にスキーを向けて止まった状態から、エッジを緩め、真下に向かって数メーター滑った後止まる。両方の向きでそれぞれ行い、上半身と骨盤より下の下半身の分離を見せる事。」と、ある。途中の字幕は

     「スキーは真下にずれていく」

     「両スキーは中心からしなる」

     「両スキーが同じようにずれる」

     「山スキーは谷スキーより前に出る」

     「両スキーは常に平行」

     「関節はバランスが取れた形で曲げられ、重心を、土台であるスキー(Base Of Support)の上に保つ」

     「両脚は、安定した骨盤と上半身の下で回転される(上半身と下半身の分離)」

    となっている。後で出てくるけれど、このとき両スキーをぴったり付けず、肩幅(腰幅)程度の、自然に動きやすいスタンス(アスレチックスタンス)を保つのもポイントだ。「上半身と下半身の分離」が強調されていて、上半身が完全に真下(進行方向)を向くことも求められ、大事な部分。


    次にLevel 2で出てくるのがHokey Stop。(張りつけ出来ないのでリンク)

     http://vimeo.com/7440961


    今度は直滑降から横滑りに移り、止まるもの。説明は「スキーヤーは直滑降で真っ直ぐ数メーター滑ってから、両スキーを90度回転させて両エッジを同時に立てて突然止まる」と、なっている。

    以下途中の字幕

     「両スキーはフォールラインに直角になるまで同じ割合で回っていく」

     「両スキーは同時に同じ割合で横に傾いて(=エッジ角が付いて)いく」

     「両スキーは中央からしなる」

     「ターンは安定した骨盤と上半身の下で、両脚によって行われる」

     「スキーを横に傾ける(=エッジ角をつける)動きは”足(feet)”と”脚(Legs)”で行われる」

     「体の伸び縮みの動きは徐々に行われ、重心を、土台であるスキー(BOS)の上に保つ」


    これはSkills QuestのSide Slip with Edge Setと、要求される厳格さは違うもののほぼ同じものだ。




    このほか、Level 2にはこれを左右連続してやるLinked Hockey Slipsがあり、(これもリンク)

    http://vimeo.com/7427952


    Level 3になると、前にも紹介した、左右を滑らかにつなげたPivot Slipsが出てくる。




    この際の注意点は上とほぼ同じ。ここでも足は多少開いて、両足(ブーツ)の下を中心にそれぞれのスキーが回転することになる。

    より詳しいUSSAのPivot Slipsの説明を一部訳すと、

     • サイドスリップは6メーター行う
     
     • 大きくスピードを落とさずにサイドスリップした後今度は反対に回して6メーター

     • 左右2回ずつ行う

     • 最後はストックを付きながらエッジを強めてとまり、その姿勢を3秒保つ

    となっている。





    さらにPSIA Level 3ではこれのバリエーションとして後ろを向くものや





    横を向いた状態からジャンプをして真下を向いて着地、そのまま回していくものなどもテストされる。




    またSkills Questではフェーズ4で、Side Slip to Straight Run to Side Slipという、ピボットを途中で一旦とめて直滑降を混ぜるバリエーションをあげている。




    上のLinked Hockey Slipsとの違いは、ここではサイドスリップの際にスピードを落とさないことが求められている事。荒れた雪面でこれをやっていて、逆エッジを食らって谷側にたたきつけられたことがあるけれど、それくらいの薄いエッジのかけ方が必要だ。ちなみにその時はしばらく悶絶して人が集まって来ることになったので、そうならないように気をつけよう(笑)

    どのように行うかは下のように規定されている。

     • 圧雪された中斜面でおこなう

     • 直滑降から始める

     • スキーは腰の広さに保つ

     • 10メーター滑ってスピードに乗った後、両スキーはフォールラインに90度まで回される

     • そのまま大きくスピードを落とすこと無しに、6メーター真下にサイドスリップ

     • その後直滑降に戻って6メーター、逆方向に回してサイドスリップ6メーター

     • 4回目のサイドスリップでエッジを強めて、ストックを付きながら止まり、そのまま3秒静止


    実際やってみると、板の中央のいい位置に乗り続けていないと綺麗に回らない。最初に書いたように、Pivot (Rotary)とEdgingのトレーニングとして行われているという事がよく分かる。


    最後に、今までのドリルの流れとは違うけれども、前にパトロールのトライアウトでもやらされた、木の葉落としのドリルとカービングのターンとの関連をBodeとPhilが見せているビデオがあるので紹介。



    Phil 「今回のエピソードではカービングターンを扱う。それにはプレッシャーコントロールとエッジングが必要になる」

    Bode「カービングになると、すべての事がもう少しダイナミックになってくる。1本のエッジに乗るのでバランスがもっと大事になってくるし、左右のバランスは必須の物になる。ここで最初に話す前後のバランスも同じように大事だが、一番重要なのはエッジを雪に奇麗に噛み込ませ、ダイナミックなターンの間中その上に立ってバランスをとる能力だ」

    ナレーション「上体の動きはあなたが奇麗なカービングターンをマスターする上で非常に重要な物になる。ボーディーがターンをする際の前傾がわかるだろうか」

    Phil「ターンに入る際、スキーのシャベル、つまりスキーの先のサイドカットが広がっている部分、に向かって立ち上がる。この部分は同時に柔らかくなっているのでスキーがしなり、サイドカットがターンの弧を内側に引っ張ってくる。ターンを抜けて行くに連れて、自然に踵の方に押される感じがするだろう。これが自然な動きだ。ターンを前で始めて… 踵に向かって少し押される。ここでやるべき事は(後ろに動きながら)これに耐えて(前に動きながら)これを積極的にやる。(もう一度後ろに動きながら)これに耐えて(前に動きながら)これを積極的にやる」

    ナレーション「ボーディーが木の葉落としの練習をやるのを見てみよう。この練習はエッジのかけ方を理解して、奇麗な弧を描いたターンをするのに非常に役にたつ」

    Phil「重心を前に移動して、今度は後ろに。微妙な動きだ。スキーがどのように反応するか、どこにバランスポイントがあるかを掴め」

    ナレーション「前後の動きを色々試してみよう。(実際にターンをする時には)一般には後ろへの動きには耐えることになる」


    このように、「ズラし」と「カービング」という対極にある2つの別の技術ではなく、ピボット(回旋)とエッジング(それにバランスやプレッシャーコントロール)という技術があり、それらを適切に使った結果、カービングを含めたレベルの高い滑りが出来るようになると捉えられていて、上に挙げたPivot Slipのバリエーションは、そのうちの主にピボットの分野のドリルだ。

    今シーズンは日本にズラシのビッグウェーブ(笑)が来るようなので、Side Slip、Pivot Slip系のドリルの発展をまとめてみた。USSAの4技能の1つ、ピボットはこれだけでもかなり押さえられると思う。PSIAはピボットをかなり重視していて、Harald Harbはそれに一言(以上)あるようだけれど、その事に関してはまた次の機会に。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/11/13(水) 08:47:21|
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