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    真っすぐフェイスコントロール

    基礎スキーによると時代は「フェイスコントロール」だそうだ。スキー板はラケットとかゴルフのクラブでは無いので「フェイス」はついていないんだけど、そこは日本人らしく相手の言いたい事を汲み取ると、どうもソールの事らしい。これに対して体を真っすぐに滑るのがいいとされているようで、実際技術選ではそうやって滑っている人が多い。

    確かに真っすぐの方が遠心力には耐えやすいし、レースのGSでは、真っすぐに傾いている「ことも」ある。でも、完全に真っすぐに傾いてしまうのは英語ではバンクターンといって、ほとんどの場合は酷い失敗とされる。「バンクターンだね」と言われるのは「後傾だね」と言われているようなもんだ。普通は最低でも少しアンギュレーション(腰、膝でくの字に曲げる事)を作る。GSの金メダリストTed Ligetyが自分のサイトにのせている記事では

    A typical WC GS skier on current skis will angulate in such a way that a line from the inside edge of their outside ski through the center of their knee will fall slightly outside their COM
    現在のスキーでは、US Ski TeamのGSスキーヤーは通常外スキーの内エッジから膝の中心までを通る線が重心の少し外側を通るようにアンギュレーションする(くの字をつくる)


    とされているし、

    ワールドカップの女子ヘッドコーチのTrevor Wagnerも、トップレーサーのJulia MancusoとLindsey Vonnの滑りについて

    they both turn their outside knee inward at the initiation of the turn in order to get early edge pressure and to get the outside ski carving by the time it enters the fall line.
    彼女達のどちらもが、ターンの開始時に、外膝を内側にむけて回して、早い段階でエッジに圧力をうけ、フォールラインに入る前に外スキーをカービングさせている。


    いっている

    しかもこれは80km/hで20mの間隔の旗門を回るGSの話だ。60km/hくらいのスラロームでは上半身は垂直に立って、強いアンギュレーションを作っている事が多い。60km/hといえば、朝早くならともかく、昼の、人のそこそこいるゲレンデで出してる人はあまりいないくらいのスビード。それくらいでもきっちりくの字を作って滑るわけだ。

    なぜくの字を作るのかと言えばまずはエッジが立つからだ。スキーと言うのはエッジで雪を削ったり、切り込んだりして滑る物だから、エッジを立てるのは大事な技術。風の強い寒い日、雪が吹き飛ばされてカチカチになった、30度くらいの斜面で、みんなおっかなびっくりズルズル滑り落ちながら滑ってるような時がある。あれはエッジが立ってないから、もっと言うと、最後の1/3くらいでは立ってるんだけど、最初の2/3で立てられてないからだ。ここの ビデオにある、"Turns without separation (上半身と下半身の分離無しのターン)"の滑りがそれ。良い例の、"Turns with separation"のように、ターンの最初の谷回りから外足に乗ってキッチリエッジを立ててターンが出来れば、余裕ができるので、丸くターンをして、圧雪直後のように普通に降りてこれる。

    完全に”切れた”、ズレの無いカービングをするのにも、しっかりエッジを立てるのが必須だ。ここの、オーストリアの学校のカービングレッスンのビデオのように、まずはキッチリエッジを立てて、ズレを一切無しで滑るのがカービングの第一歩。もちろんこのビデオはカービング導入のためのレッスンで、実践ではこれほど強いくの字は作らない事が多いけれど、これがまず出来なければ完全なカービングは出来ない。これが出来た上で、状況に合わせてくの字の量を調整するわけだ。

    例えば80km/h出して思いっきりカービングターンをする「状況」ならば、くの字はかなり少なくなって「外スキーの内エッジから膝の中心までを通る線が重心の少し外側を通る」程度になるかもしれないし、深雪ならばエッジを立てる必要も、内足に乗ってしまう心配も少ないので、真っすぐ傾くような感じで滑るのが良い時もあるけれど、板が横にズレやすい状況でやるスキーというスポーツで、完全に真っすぐ傾くのはほとんどの状況でメリットがない。真っすぐ傾くと大抵は上の"Turns without separation"の例のように、ズレてスピードや進む方向のコントロールが甘い滑りになるか、それでも無理にカービングをすればエクストリームカービングのように、がっちり内足にのってコントロールが難しい滑りになるかのどっちかだ。

    適切な時に適切な事を適切なだけやるのが上手く滑るコツで、状況に合わせた適切なくの字を作るのが大事だ。だからレーサーのトレーニングでも、上半身と下半身の分離と言うのは最高に重要なポイントで、こういうメニューがたくさんある。上半身と下半身を分離せず、真っすぐ傾くのがいいというのは相当に特殊な状況だからだ。

    「内足主導」が「ターンの最初でちょっとだけ内足”にも”体重をかける」というのを極端にして「ターンの最初で内足にほとんど体重をかける」と、なぜか普通のスキーとはほぼ逆の滑りになってしまったように、「フェイスコントロール」も「状況によって体を真っすぐ気味にする事がある」というのが極端になって、「状況に関わらず、体は真っすぐがいい」と、普通のスキーでは完全に失敗とされる滑りになってしまったように見える。

    まあスキーなんて好きに滑れば良いし、大体一番大事なのは実はスキー技術云々より、スピードが出てる中、適切な時に適切な所に重心を持って行くバランス感覚とスピードの感覚。レーサーのトレーニングでも一番大事にされてるのはそこの部分だ。バランス感覚とスピードの感覚さえあれば、わりとどんな滑りかたでも滑れちゃう。とはいえ、いろんな所を速く安定して滑るための、スキー特有の体の動かし方とか技術としては、今でも外足荷重と上下半身の分離が2つの柱だね。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2012/05/09(水) 07:04:16|
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    2軸運動とナンバ歩き

    2軸スキーと言うのがあるらしい。ナンバの動きで滑るそうだ。なるほど。上手いレーサーのフリーラン見てると内半身がシュパッと滑らかに鋭く前に入ってるもんな。片方の手足が同時に前に出るナンバ歩きっぽいかも。どれどれ、何言ってるんだろう?

    http://www.saj-edu.ne.jp/edu2005/2jiku/2jiku-01.html
     

    トップコントロールでも内足を軸にして外側を動かして、内足でターン弧の調整をするというような方法を使っています。そういう意味では、自分は2軸運動感覚でスキーをやっているのではないかなぁ…

    「ナンバ歩き」は、2軸運動であり、意外と効率が良いらしい


    らしいかなぁ… かぁ。他のサイトを見てみた。

    http://enami.blog50.fc2.com/blog-entry-1432.html

    ターン前半は外足が前
    切り換え直後も荷重配分は内足の割合が多くターン


    なるほど。具体的だ。で、これって基礎スキー以外の世界とは全く逆の滑り方だ。前のエントリーで書いたように、内足荷重はせず、内足を素早く前に入れるのが普通。内足はバランスもとりにくいし、弱いので。

    内半身と外半身を別々に使った、いわば「2軸」の滑りについて元アメリカスキーコーチ協会代表のTom Reynoldsが書いているので、例によって下に引用/超訳。

    http://web.mac.com/kvkayak/skiracecoach/Articles/Entries/2009/10/1_The_Body_Divided.html
    (Appleのホスティングサービス終了によりリンク切れ)

    分割された体

    過去40年の間にスキー板の形は大きく変わってきた。技術の変化はすでに1970年代からワールドカップの一流ヨーロッパ人選手達において明らかであった。ホースト アブラハムは著書Skiing Rightの134ページで、オープンスタンスの”分離された両足”は、外スキーを有効な角度に近づけ、内スキーが浮くように動いて、ターンを補助、修正出来るようにさせる、と述べている。アブラハムはさらに、「オープンスタンスでの広いスキーの軌道においては、多少荷重された内スキーを支点として外スキーが回転する。オープンスタンスは、骨盤付近にある、体をひねるための強力な筋肉が、スキーヤーのバランスを崩しかねない大きな逆ひねりをすることなしに、板と足を回す事を可能にする(1983年 p.134)」としている。

    短くて撓みやすいカービングスキーの登場によって、ターンの重要性は突然、2本のスキーを同調させて曲がる事に置かれるようになった。2本のスキーがそれぞれ違う働きを持ちつつも、一つのユニットとして働く事が重要なのである。このセオリーを理解するために、人間を2脚(訳注:3脚の足が2本になった道具)として見てみよう。

    人間は外足から外足に向けて歩く。そして踏み出すのに使った外足は次に内足になる。内膝は畳まれて、動きたい方向に向かって動く。スキーで連続したターンをしたり、氷の上でアイススケートしたりする時にも、これに似た動きのパターンが現れる。内足が目的の方向へ最初に入っていき、体の内半分を先へと導くのである。人間の歩行においてはこの動きは自然で自動的なものである。

    スポーツの動きでは、選手の体を縦に二つに区切る事によって、深い洞察を得る事が出来る。多くのスポーツにおいて、内半身が外半身の動きとタイミングを調整しているのがわかるだろう。この動作はラケットを使うスポーツや野球などで容易に見る事が出来る。このようなスポーツにおいては、スキーのターンでは外足にあたる、後足が優勢な足となる。この優勢な後足が体の土台を作り、爆発的な前への動きを、腰が回転する前の段階でもたらすのである。この時、優勢な後足はパートナーを必要とする。このパートナーにあたる足はスキーで言えば内足となる、能動的に動く前足である。前足は二次的な足かもしれないが、内半身の動き、タイミング、バランスをコントロールしている。例えばテニスや野球では、前足が早く動きすぎれば、腰は開き、スイングから力が失われる。遅すぎれば、選手は打点に向かって前に飛び出すような、不安定な動きを見せる事になる。スイングのタイミングをとる時に、体の動きを内半身と外半身の間で調整する事が、向かってくる球を打つために必須なのである。

    スキー選手も”打点”を持っている。ライズライン(訳注:ターンの目的の場所、旗門等からフォールラインと逆に上側に伸びるライン)とフォールラインが合わさる場所の事である。スキーレーサーはどこでターンを開始するかを判断しつつ、雪面やスピード、次の旗門の場所によってライズラインをどこに置くか決定する。レクリエーショナルスキーヤーはライズラインを雪面、スピード、及び曲がりたいターンの半径から決める。


    (Appleのホスティングサービス終了により図リンク切れ)

    1. 体の傾きが始まる
    2. 前の外脚を引き込みつつ、その足を新しいターン方向へ動かす。これは1と同時に起こる。
    3. ターンの力に対応するため、優勢な足である外足のスキーのエッジ角が決まる。
    4. 内半身が前に動き、体が足の上に並んだ体勢を取る。(強い外スキー)
    5. ターンから出ながら、次のターン開始のタイミングをとる。これはレーサーをゲートの下に戻す。レクリエーショナルスキーヤーの場合は滑らかで丸い弧を書く事につながる。

    青四角:重心を中心に持って行く。支える足の切り替え
    赤線:外スキー


    ターンの開始が早すぎれば、板は望みのライン上に乗る前にズレなければならなくなる。遅すぎればスキーヤーは必要なエッジ角と、伸ばした外足へとかかる圧力無しにフォールラインに入る事になり、適切な場所よりも下に出てしまうか、トランジション(エッジの切り替え前後)で潰されたようになってしまう。両足と体幹の同期のタイミングが、強いターンエントリーの為に重要である。

    運動パターンの開発: 両足と胴体の統合

    技術的には、ターンの過程はターン出口での体の縦軸の前への動きによって始まる。この動きが腰と両手を板の中心に並ぶ位置に置き、トランジションでの前後のバランスを高める(写真の1を参照)。次に、重要なポイントとなる動きが、腰の回転及び両腿を傾ける動きとともに、体の傾きと、外足を伸ばす事によって始まる。これにより、スキーヤーは体幹、へその周辺のねじれをゆるめる事が可能になり、両スキーがそろってフォールラインに入るにつれて骨盤を回転させる事が出来るようになる(写真の2)。

    ターンエントリーでのこの動きのタイミングによって、体(骨格と筋肉の構造)の配置が決まる。腰から肩までの体はスキーの先を追いつつ、ターンの内側に向かって直角に動き続ける(写真の2、3)。この動きが内足を、ターン出口に近づきつつある体幹と腰の下に保持する(写真の4)。この運動パターンは、タイミングの上手い取り方と、内半身と外半身が骨格や筋肉の構造的にどのように動作するのかへの理解を必要とする。


    (Appleのホスティングサービス終了により写真リンク切れ)


    現代のスキー技術には、重要でない半身はない。外半身と内半身は同じように大事なのである。



    「オープンスタンスでの広いスキーの軌道においては、多少荷重された内スキーを支点として外スキーが回転する。オープンスタンスは、骨盤付近にある、体をひねるための強力な筋肉が、スキーヤーのバランスを崩しかねない大きな逆ひねりをすることなしに、板と足を回す事を可能にする」
    これがなんと1983年の話。”トップデモンストレーター”の「内足を軸にして外側を動か」す滑りは30年近く前からあって、最近出てきた今までと逆の理論じゃ無い。で、レーサーの「内脚主導」が外足荷重なように、レーサーの滑らかで素早い「2軸運動」も強い外足荷重が基本だね。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2012/05/08(火) 02:16:39|
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    "本当の"内足の使い方

    今までのエントリーで「内足は駄目」と言ってきたし、何人もの世界的なコーチや選手がはっきり外足荷重だと書いているリンクを紹介した。でも「いや、凄く上手い人が内足を使うと言っていたよ」と言う人も居ると思う。実はその通り。駄目なのは「ターンの前半での大きな内足荷重」であって、内足も"何か"はしている。

    たとえば pmts.org のスキー教師達は、ボーゲンやシュテムをせずに、直接パラレルを教えるメソッドをとっている。これは「両足を使う」事に重点を置いたモダンなものだ。ここで教えているPhantom Moveというのがある。



    内足を見えない位軽く持ち上げ(見えないからPhantom=幽霊)、その「内足を」ターンの内側に傾けて、エッジを立てるというもの。人間の体の作り的に、外足を傾けても内足は真っすぐになりがちだけれども、内足を傾ければ外足も奇麗に傾いてくる事が多い。内足のスネが外足のスネより立っている滑りはA frameと呼ばれて、左右のスキーが別の動きをしてしまうから、一般にあまり良い事とはされていないけれど、この方法だと左右のスネの角度をそろえて滑りやすい。

    Phantom MoveはPMTSのメソッドでは最初の段階で、もう少し進むと内足を持ち上げず、荷重を内足に残したままエッジを切り替える、Weighted Release(荷重しながらエッジを緩める)と呼ばれる方法をとる。

     内足荷重! 

    そう。 ステンマルクの頃 は完全に内足を上げて滑っていたけれど、最近ではあんなに大げさに動いて滑る事は滅多になくて、内足に多少荷重が残る事が多い。ここで大事なのは、練習としてわざとやるんじゃ無い限り、絶対に内足荷重が外足荷重よりも多くはならない事と、状況が厳しくなればなるほど、内足荷重は0に近づくという事。この内足に荷重したままの切り替えについては、前のエントリーでも紹介したレースコーチのGary Dranowも この記事 で書いている。

    上のリンク内、下から2つ目にヘルマンマイヤーの写真がある。ここでは切り替えの最初の時期に、外足=谷足を踏み切るような動きで内足=山足に体重をうつしたことで、外足のスネが内足側に傾いている(A frame)のが見える。次のシーズンにはマイヤーの滑りからこの動きは消えて、下のエリックシュローピーの写真のように、両スキーを同時に切り替えるようになったと説明されている。これは谷足=内足に外足よりも体重をかけたまま曲がるようになったということではなくて"谷足を大きく踏み切ったりせずに山足に体重を移してから、両足、あるいは上のPhantom Moveのように意識としては内足、を傾けてターンをする"という事だ。

    この動きは同じサイトの ここ でも別のコーチによって次のように触れられている。

    "driving the inside knee forward and into the turn - is a focal point that works for many people trying to break the “A frame” stance and develop a more active role for the inside ski"
    「内膝を前及びターンに向けて入れる事は、A frameをなおし、内スキーをより積極的に使おうとする人達の多くに役立つポイントである」


    また、ロシア人コーチGreg Gurshmanのサイトにも、A frameをつくらない内足の使い方の 練習法の記事 がある。

    ステンマルクの頃は大げさに体を動かして、スキーを浮かして思いっきり山足に乗ってターンを始めて、ターン後半にかけて浮いた内足をゆっくり外足にそろえていたのが、ヘルマンマイヤーの初期の頃にはもっと小さく、ターン前半にちょっとA frameが出る程度の動きになって、今の滑りでは外からは動きが見えにくい位のコンパクトな重心移動をして、ターン開始から内足をそろえたまま動かすようになったと言う事のようだ。個人的にはほとんどカービングスキーしか使った事無いから、最後の滑りしか知らないけど。

    今の滑りは「内足もつかう」けど、それは「内足=谷足に荷重をかけっぱなしで曲がる」事ではないんだな。ターンを始めるときに山足に乗るのは今でも同じだね。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2012/05/03(木) 05:02:54|
    2. 内脚の使い方
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    なぜ内足は駄目なのか

    スキーなんて好きに滑れば良いんだけど、上手く滑る”コツ”があるとすれば、「ターンの最初、いわゆる谷回りで山足に完全に乗る」のは、ここ でUS SKi Teamの元ヘッドコーチのPhil McNicholが言っているように、まず間違いなく最高に大事な事の一つ。

    「何で内足では駄目なの? どっちだって大差ないでしょ?」


    大ありなんだな、これが。伸ばした外足なら急に雪にデコボコがあっても吸収できるし、エッジ外すのも楽。かかってくるGにも耐えやすい。畳んだ内足ではもう吸収する余裕もないし、エッジも外せないし、力も出ない。70km/hくらいで荒れた雪をカービングなんて時に内足に乗ってしまうと、もう運任せでもの凄くおっかない。

    2006年から2009年の間にワールドカップで起こった21件のACL(膝の靭帯)断裂事故のうち、20件のビデオを14人のワールドカップコーチやレーサーが評価した研究がある。


    Events leading to anterior cruciate ligament injury in World Cup Alpine Skiing


    この内10件はSlip and Catchという種類の事故。内足にのったままズレて(Slip)、荷重の少ない外足が急になにかに引っかかって(Catch)、外足のACLが断裂したもの(Figure 2,3,4,5)。3件はDynamic Snowplowという、力のかかった内足が逆エッジになって内足が捻られて断裂になったもの(Figure 8)。4件が後傾でのジャンプ着地。3件がその他。

    ジャンプの着地失敗を除いた16件のうち、少なくとも13件がターンの前半に内足に乗ってしまった事が原因だ。なんと8割以上。ターン前半で内足に乗るのは危ない。

    「そんなレースみたいなスピード出さないっしょ。普通のとこで上手く滑れればそれでいいし。」


    内足はバランスもとりにくい。スキーは雪の上でやるから良く滑る。で、ターンしてる時に滑ると内側に倒れる。この時に外足に乗ってれば内足で支えてすぐ元に戻れるけれど、内足に乗っていたら手でもつくしかない。スキーの技術論で2輪が引き合いに出される事があるけれど、例えばモトクロスとかMTBだと、滑りそうなとこでは外足に力をかけて、内足を内側に浮かせておく。





    こうしとけば滑っても軽く地面を蹴るだけですぐにバランスがとれる。これが内足にのっていたら、滑ったらすぐこけてしまう。

    そもそも人間の体の作りの問題で、外足一本のターンの方が、内足一本のターンより全然簡単だし、さらに言うと内スキーはエッジも立てにくい。右に曲がるとして、右足を体の下を通して左に出してエッジを立てるのと、左足を外に出してエッジを立てるのとでは格段に左=外足のほうが簡単だ。ここで言われている ように、内足に体重をかけると「”バンクターン”と呼ばれるターンになり、硬いコースでは通常スキーが横滑りする結果になります(場合によってはあなたを道連れに)」という事になりやすい。

    内足というのは扱いにくいもの。外足を主に使った方が上手く滑りやすい。

    「足を2本使った方がGに耐えやすくない?」


    空気椅子ってのがある



    これ何分もやるのはキツい。でも足を軽く曲げて立っているならいつまででも大丈夫だ。深く曲がった足は真っすぐの足より全然弱い。だから、こういう状況だと



    外足荷重が内足荷重よりかなり多い状態が一番耐えやすい事になる。ターンで一番Gのかかる部分の体勢で「足を2本バランス良く使う」と、外足荷重になるってこと。


    最後に、最も大事かもしれないポイントは、スピードが出てきたり、急な斜面になったりした時には、出来るだけ速く次のターンの内側に重心を移動しないとスキーに乗り遅れて後傾になってしまうという事。

    右ターンをするとして、一番速く重心を右前に入れる方法は、右足=内足から体重を完全に抜いて、左足=外足を蹴りだす事。もちろん右足に体重残しても重心は移動出来るけれど、残せば残すほど重心移動は遅くなる。上のPhil McNichol が「腰を前及びターンの頂点にむけて動かすために、山スキーを土台として使」うと言っているのはそのため。息子のギャレット君は最初の滑りでは山スキー=外足にしっかり乗っていなかった為に、素早く内側に動けず、スキーに遅れてしまったわけ。これはレースの話だけれど、急斜面でもこの動きはほぼ同じ。


    このように、内足荷重は、危ないし、Gに耐えにくいし、バランスとりにくいし、ターンしづらいし、ハイスピードや急斜面に弱いし、あんまり良い事が無い。全く使わないわけじゃないけれど、特にターン前半ではやんない方がいい。

    でもまあ「何はともあれ出来るだけ傾くぜ!」っていうエクストリームカービングなんかターン前半で思いっきり内足荷重だし、スキーは楽しんだもの勝ち。ただ、あなたがもしターンの前半に内足荷重で滑ろうとしていて、急斜面が怖い、アイスバーンでズルズル滑る、コブが上手く滑れない、なら、Phil McNicholの言うように、谷回りでしっかり山足に乗ってみよう。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2012/05/02(水) 04:40:05|
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    ではどう滑るのか?

    スキーの滑り方は色々違う事を言う人が居るけれど、基本的な部分は大体決まっている(内足荷重では無い所とか)。US Ski Teamの元男子ヘッドコーチで、ワールドカップ勝利42回、表彰台89回、世界選手権優勝4回、オリンピック金メダル1回に貢献したPhil McNicholがカービングスキーでの滑り方について書いているので、以下抄訳/少々意訳。

    Where Did The Transition Go
    (Appleのホスティングサービス終了によりリンク切れ)

    この記事はカービングスキーにおけるスキーテクニックの、最近のトレンドを説明するために書いた物です。このトレンドは、今日ではストックと同じ位ありふれた物となりました。

    私はここでは非常に単純に書くようにつとめます。読み手の読解力を疑っているからではなく、我々の複雑なスポーツにおいては、正しい体の動きとテクニックの教授法は単純でなければならないと思うからです。我々スキー教師やコーチが新しい神秘的なメソッドを発見し、精巧な方法論を開発しようとすると、色々な問題を次々に作り出すことになります。単純な事をありえないくらい複雑にした結果、それを教える事が困難になってしまうのでは意味が無いと思います。

    何が変わったのか:

    過去の13年以上の間に新しいスキーによって何が変わったのでしょうか?
    新しいカービングスキーは古いスキーには出来なかった3つの大事な事が出来ます。

    1. 完全な弧を描くカービング

    2. より小さな半径のターン

    3. カービング中のより大きなスキーの撓み

    これはターン中のスキー板のスピードを大きく伸ばし、現代のスキーに難しい問題を作り出す事になりました。「ターンとターンとの間で、どうやって増えたスピードとエネルギーをコントロールするか?」

    今日の我々には幸いな事にカービングスキーがありますが、それでも未だ我々はターンの前半をマスターする必要があります。現在の機材では、スキーを回転させたり、ターンの最後1/3の局面でダイナミックな、レーサー姿勢をとることは簡単です。しかしあなたが幸運にもワールドカップスキーヤーが中斜面でトレーニングしてる所に居合わせたら、早い体重移動に重点が置かれている事や、どのように山エッジを返してターンの前半で力強い弧を書いて行くのかを見る事が出来るでしょう。

    ワールドカップの映像を細かく見るのは混乱の元になります。そこでは選手達は最高に難しいコースで能力のギリギリの所まで自分を追い込んでいるからです。それよりも、ワールドカップに勝つために彼らがこなす、膨大な量の反復練習に注目した方が賢明です。

    私の息子のギャレットを例にとって良くある切り替えを見てみましょう。

    (Appleのホスティングサービス終了により写真リンク切れ)

    1から2の間を見てください。不十分な足首の曲がり方と速いスキーの走りがわかるでしょうか。スキーが動くスピードと、撓んだスキーに溜まった力によって、ターンの終わりでスキーが前に飛び出しています。2では彼はスキーの中心に戻れて(バランスを取り直して)いません。

    2から3で、彼は新しいターンに入り込んで行っています。バランスを崩したまま、前と斜面下方面に動いてスキー前方のふくれた部分を噛ませていますが、スキーがそれなりに効果的に仕事をして、次のターンを始めています。

    3から4では、一連の体の動きによって、スキーの位置がズレながらきまり、スキーが斜面の下を向いてからエッジが噛んで遅い段階でカービングが始まっています。(ここは急な斜面では無い事に注意)


    次によりよい基本的な切り替えの動きを見てみましょう。

    (Appleのホスティングサービス終了により写真リンク切れ)

    この連続写真は切り替えの最初の部分である、ターンの出口に目を向けた物です。1から2で、まだ前のターンの終盤のうちに、新しい外足に体重を移しているのが分かるでしょうか。2から3では、彼が腰を前及びターンの頂点にむけて動かすために、山スキーを土台として使っているのが見えます。この事によってスキーの真ん中に乗りなおして、バランスをとる事が可能になります。このバランスの取れたポジションから、思い通りのターン弧でカービングするために、スキー全体をつかうことが出来るのです。

    (Appleのホスティングサービス終了により写真リンク切れ)

    こちらの連続写真は切り替えの残りの半分、ターンの開始の部分です。1から2で彼はよりよい形に関節を並べながら(腰が外足と外膝の上にある)、エッジをどんどん傾けていっています。新しいターンの形にスキーは撓み、カービングしています。3では外スキーにしっかり乗っており、ターンの頂点のはるか前から、腰が外足の上へ奇麗に並んでいます。

    まとめ:

    いかに今日のスキー板で曲がるのが簡単とはいえ、我々は切り替えをマスターする事を学ばなければいけません。そうしてからのみ、スキーヤーはターンの完全なコントロールが得られ、速く滑ったり、あらゆる斜面を意のままに滑ったりする事に集中するための準備が出来ます。

    今までずっと有効だった事を見直し、それらの技術とコンセプトを現代のスキーに当てはめましょう。

    •体重を新しいスキー(山スキー)にまだ前のターンが終わりかけているうちに早く移す。
    •新しい(山)スキーを土台にして、腰を前に動かし、足首を縮め、バランスを取る。
    •腰が外足の膝と腰の上に並んだ状態を保ち、前方、斜面の下、に向かって入れ続ける。
    •両足を別々に使う
    •外スキーに集中する
    •常に動き続ける。固定したポジションに固まらない。

    役にたついくつかのドリル:
    1. ステップターンをしてみましょう: 山スキーに乗り移ってからスキーを傾けてターンして行く
    2. 片足でスキー
    3. 内足でスキー
    4. ダイナミック・ウェッジターン いろいろな足の長さで、外スキーから外スキーに動く
    5. エッジを傾けるドリル: 山エッジから谷エッジへと傾けていく

    では幸運を祈ります。我々がすでに知っている事を現在の機材に当てはめる事を忘れないように。あなたがずっと探していた、神秘的な新しいアプローチが見つかるかもしれませんよ!



    山回り終わりから谷回り始めで山スキーに乗ってからターンする。大まかな動きはステンマルクの頃から変わってない。初心者にも分かりやすく大げさにやるならこういうのをするべきなような。



    …しかし当時のウェアってロボットみたいで凄い(笑)

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2012/05/01(火) 05:48:25|
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