Rockface

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    スキーの進化

    北米では、ゲレンデのコースは難易度によって共通のサインで分類されている。緑の丸 が「簡単」、青の四角 が「そこそこ」、 黒の菱形 が「難しい」、黒の菱形二つ が「エキスパートのみ」といった具合だ。Wikiによると、黒の菱形二つ(ダブルブラックダイヤモンド)はゲレンデのメンテナンス技術の向上と、スキー場同士の宣伝合戦の結果出てきた比較的新しいレーティング(格付け)だそうだ。厳密な規定があるわけではないけれど、ブラックダイヤモンドで最大30度以上、ダブルブラックで最大40度以上くらいな感じで、ブラックの斜面のほとんどには圧雪車が入らない。

    コロラド州では2004年にColorado Ski Safety Actという法律が改正されて、これらにExtreme Terrainというのが加わった。「4.5メーター進む間に最低6メーターの高低差がある崖があり、さらに、30メーターにわたり最低50度の平均斜度の斜面がある場所」と決められて、ダブルブラックダイヤモンドの中に「EX」と入った専用のサイン が用意されることになった。このサインが付く所は大抵の場合、スキーを肩に担いで数分から15分ほど歩いてたどり着く、バックカントリー的な斜面だけれど、雪崩のコントロール(雪崩れそうになったらダイナマイトで爆破!)がされていて、In bound (ゲレンデ内)だ。日本人もよく行っているカナダのWhistler Blackcombだと、Blackcomb側にあるSpanky's Ladderと呼ばれる稜線の一部を超えた先のいくつかのボウルなんかが同じような斜面。こういうところは圧雪が入らないのはもちろん、あまりコブらしいコブにもならないことが多い自然な斜面だ。

    Spanky's ladder


    地元のスキー場でも、一番上のリフトを降りてちょっと行くと、標高3,800m辺りでみんながたむろって居る場所がある。 



    ここで待ってると… 



    雪上車が来て3,970mの山頂まで連れてってくれる。数年前から始まったサービスだ。歩くと上まで30分かかるのに、暖かいキャビンで5分揺られるだけ! しかもタダ!! すっごく狭いけど(笑)



    ここの頂上が終点で、好きなルートを降りて来れる。

    カービングでGをグワーッってかけて滑るのも楽しいけど、どっさり雪が降った日の朝、誰も滑ってないまっさらな雪に一番に滑り出すのは、ちょっと中毒的に気持ちいい。スキー板や技術の進化でそういう場所を滑る人が格段に増えていると思う。ワイオミング州にJackson Holeという好きな人には有名なスキー場があって、そこにCorbet's Couloir (Couloir=狭い急な谷)というこれも好きな人には有名なコースがある。



    地元の山岳ガイドでスキーインストラクターのCorbetさんが見つけて、「いつか、誰かが(これでさえ)滑るだろう」と言ったことでCorbet's Couloirと名前がついたんだけど、1967年に地元のスキーパトロールのLonnie Ballが始めて滑ったらしい。

    45年後のCorbet's Couloirでプロがどうやって滑ってるかというと…



    スキーは確実に進化してるね。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/27(水) 07:19:10|
    2. 北米スキー生活
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    世界でのハイブリッドターン - インタースキー2011

    前回はインタースキー2003のビデオに対する海外のスキーヤーやスキー教師達の反応を紹介したけれど、続いてサンアントンで行われた、インタースキー2011での、日本の発表とデモンストレーションのレポートが、オーストラリアのISIA加盟団体、APSIの報告書にあったので紹介。オーストラリアのデモ、Paul Lorenz氏によるもの。

    http://www.apsi.net.au/media/2286/winter_2011_snowpro.pdf

    私はずっと日本の体系についてもっと学びたいと考えていた。今は日本で働くようになったのでなおさらである。日本のインストラクターがとても奇妙な動きをゲレンデで教えているのを良く見るのだ。今まで見た事のある何とも大きく違うものだ。興味深く感じたので、日本のチームと一緒にスキーをして、この動きを正当化する理由を聞いてみようと決めた。

    私は雪の上に出る前に、まず室内での講義に出席した。これはとても有益であった。雪上のプレゼンテーションは短く、実技的なもので、あまり話は無かったからである。

    我々は日本のチームコーチと、スキーに対する新しい考え方を開発するために雇われた物理学の教授の話を聞いた。講義は日本のスキー文化に対する興味深い事実から始まった。80年代後半から、90年代前半にかけてスキー場開発のブームがあり、1993年には約950のスキー場があり、1800万人のスキー人口がいたのである。スキーはすぐに日本の国民的なスポーツになり、年配の方々を含むすべての年代の人間を惹きつけた。

    年月がたち、スキーにかかる費用とスキー関連の怪我が大幅に増えると、日本でのスキーの人気にかげりが見え始めた。2010年には稼動しているスキー場の数は約350に落ち、スキー人口は900万人ほどになった。このことがSAJを、彼らのスキー技術を見直し、より獲得しやすい、体の負担や、怪我のリスクの少ない技術を開発することに向かわせたのである。

    彼らはターンを開始する別の方法を探し始めた。主に、重力を使い、筋力を強調しないものである。教授はハイブリッドターンと呼ばれる、新しいスキー技術を生み出すために行った、いくつもの実験をビデオにおさめている。

    (訳注: この後、ボールが斜面を転がり落ちる、コップが斜面を転がるなどの実験の話が続くが、日本語で十分に情報があると思われるため省略)

    この新しい技術は「ハイブリッドターン」と呼ばれており、現在日本のゲレンデで教えられている。彼らはこの新しい技術がスキー関連の怪我を減らし、怪我への恐れからスキーから離れていた年配の方々の興味を集めることが出来ると考えている。この技術は、すべてのレベルの人間の、すべてのゲレンデ状況での、すべての滑り方に適用されるものとして教えられている。

    講義のあと、我々は雪上のクリニックへと出かけた。幸運なことに、日本でトップクラスに有名なデモンストレーターで、競技会の優勝者、井山敬介と滑ることが出来た。彼らの英語力は限られており、あまり説明はなかったが、ハイブリッドターンのデモンストレーションがあり、われわれが行った彼らの技術のパフォーマンスに対してフィードバックをくれようとしてくれた。Andrew Raeが時折参加して、他の国々に彼ら(日本人)が何を言いたいのか説明してくれたのも、なかなかの見ものであった。この技術は直接的に抑えたり、押したり、捻ったりという予想された動きが全く無く、多くの国々にとって理解するのが難しいものだった。

    結論を言うと、私は彼らの、新しい、より良い技術を作り出そうとする心意気を賞賛するし、それが日本のゲレンデ上で見られるスキーヤーの人数の増加につながることを祈っている。この技術は初心者にとって完全に獲得可能なものである。ほとんどの初心者が自然にやる羽目になるものだからだ。それはとても興味深く見え、実験に裏付けられたものではあるが、現実に実行されると、少し違った様相を見せた。我々は頻繁に、敬介が内脚に落ち、外スキーが勝手なコースにそれていくのを見た。これは彼の身体能力の強さとバランス感覚、スキーに対する理解によって対処されたが、平均的な初心者では対処することが出来ないかもしれない。また、私はこの技術は特定の雪のコンディションに合っているもののように思う。オーストラリアの固い雪で良い結果が出るかどうかは議論の余地がある。

    全体的に見て、楽しいセッションであったし、私の抱いていた、日本の数々の奇抜な練習に対する、たくさんの疑問に答えてくれることとなった。


    ハイブリッドターンとは、「年配の方々でも怪我をせず、体に負担をかけないで滑ることが出来て、なおかつ簡単に身につけられるように新しく開発された技術」であるとインタースキーでは発表されたようだ。スポーツの枠組みで見た場合、外向傾をとらず、ターン前半に内脚荷重で滑るのはPaul Lorenz氏が言っているように「初心者が自然にやる羽目になってしまう滑り」で、「特定の雪のコンディション」、つまりおそらくは綺麗に圧雪された場所にだけ向いた、上級者のカービングに使うには無理がある技術だけれども、そもそもハイブリッドターンというのは、スポーツと言うよりラジオ体操的なものと言う事のようだ。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/12(火) 08:59:08|
    2. インタースキーでの日本
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    世界での内脚主導 - インタースキー2003

    epicski.comという、海外のスキー教師やコーチが多く集まるサイトがある。古いけど、2003年、日本が水平面理論と内脚主導をやり始めたときの、インタースキーのデモンストレーションを見て、喧々諤々しているスレッドがあったので、以下紹介。

    http://www.epicski.com/t/17739/interski-japanese-demo

    HKSkier

    下のビデオは2003年のインタースキーのものだけど:
    http://www.slope8.com/jn/InterSki.mpeg

    日本人がこのカービングターン(完全な上体のローテーション)で何をやろうと、または広めようとしてるのかわからない。

    誰かわかるかな?


    nolo

    (ビデオの中の)スマート氏が言っているように「日本の景気はずっと悪く、彼らはより多くの人にスキーをしてもらえるように頑張っている」。左右違う長さのスキーを履いて、上体をローテーションさせるくらい、目新しいことは無いだろ?

    * 違う長さのスキーを履くのはすばらしい練習だと聞いたことがある。


    HKSkier

    スマート氏の話は聞いたけど、デモンストレーションのその場所ではスキーの長さは違っているように見えないけれど。それに、上体をローテーションさせてターンを始めるのは、我々が習ってきたことと完全に反対だ。


    nolo

    もっとわかりやすく言うべきだったね。見たところ、客をつかむためのギミックで、日本のデモチームもフリースキーではやらないもののように見える。

    上手いスキーヤー達は、それぞれの国の公式のスキー技術がどうであれ、みな似たように滑る。ただし、セールスやマーケティングは商品の差別化に頼っている。もし、私の持っているマーケットが「もうそれはやったよ。飽きた。」と言っているとしたら、彼らの興味をかきたてるために、スキーを「新しくてエキサイティングな物」に見えるようにしたくなるかも知れない。これはつまり「餌で釣って切り替える」戦略で、後になってからもっと上半身も含めて安定した動きを強調するんだと思うよ。


    HKSkier

    nolo
    あなたがそうやって言うのはわかる。特にビデオの中でスティーブ スマートが日本の悪い経済状況等を取り上げたりするのを聞いたしね。

    だけど、それだけじゃないと思うんだ。実際、去年のATOMICのビデオのいくつかで、日本のデモがああやって滑ってるのをみたし。日本語がわからないから何と言っているのかはわからなかったけれど。

    彼らは新しいマーケットを取り込むためのギミックじゃなくて、何かの実験をしているのに違いないと思う。

    はじめて滑るスキーヤーに、常識的な原則と完全に逆な方法で教えるのは全く意味が通らない。それに、彼らの両親や友人はみんな「基本に忠実な」スキーヤーだ。日本人はとても規律的だ。全員レッスンを受けるし、いいかげんな滑り方は絶対にしない。

    日本のスキーヤーはアメリカの普通のスキーヤーと比べて、技術的な知識に非常に詳しい。

    小さな国なのに、日本には600以上のスキー場があるんだ。そう、大小あわせて600だよ!若者の50%以上がスキーかスノーボードをするんじゃないかな。先シーズン日本に行ったときも、スキー場はかなり込んでたよ。


    Bob Peters

    えーと…
    …「悪い」スキーかもしれないけど、楽しそうだね。それじゃ駄目かな?


    Euclide

    深い新雪でスキーをかたっぽ無くすより「悪い」ことがあったとは:)


    Max Capacity

    後傾で滑れるようにはなるね… 板の後ろに足を押し付けるようにターンをしているように見えるのは俺だけ?


    HKSkier

    誰かインタースキー行った人で、この日本人がやっている「テクニック」を説明できる人は居ないのか?


    oisin

    多くのスキーヤーがつかう技術が生まれる所を上手く表してるな。後傾で滑る。曲がれない。上体を振る。曲がれたもん!


    HKSkier

    かわいいね


    oisin

    すまん、かわいいつもりで書いたんじゃなかった。俺が書いたのは、今までたくさん見た、自己流のスキーヤーとか、親切な友達に実力以上に難しいコースに連れてこられてしまい、何とか生き残るための方法をひねり出さなければいけなくなった人たちが見せる、発達の流れだよ。インストラクターがしょっちゅう出会う、良くある間違った滑り方だ。どういう流れでそれが作られていくのかを理解すれば、治療の方法がわかるかもしれない。いいデモンストレーションだと思うよ!


    HKSkier

    これは日本がインタースキー2003でやったものだ。どうやってターンを始めるべきでないかを見せたいんじゃないだろう。

    noloに答えたときに言ったように、去年のAtomicの数本のビデオで日本人のデモがああやって滑ってるのを見たことがあるんだ。彼らは初心者にカービングの感じをつかませるためかなんかに、新しいことをやろうとしているんだと思う。


    Martin Bell

    いくつかの国で、カービングスキーでは「外向」(あるいは強い内半身とか、内半身の先行)は要らないと信じてる人がいるんだよ。2001年の復活祭の休日にザーマットで子供達に外向の練習をさせていたら、スイス人のインストラクターが、「駄目よ、それ間違いね。現代のスキーでは、肩はスキーが向いたほうを常に向くね。」といってきた。たぶんこの日本の変なのは、それを馬鹿みたいに極端にしたものだろう。大昔のフランスのローテーション滑りにカービングを加えたみたいに見える…


    ydnar

    全員へ
    みんな正しいスキーの滑り方にこだわりすぎて、「間違った」動きをしている人をみると否定的なリアクションをとりがちだよね。上体のローテーションは間違ってると長い間されているから、誰かがやっているのをみると、「あーあー、何考えてるんだ」という反応になる。彼らが考えているのは「ほら、この動きでターンができる。面白くて楽しい感じだ」ってことなんだ。私は相手次第では、とてもレベルの高いスキーヤーにストックを捨てて体を回して傾けてターンするようにさせたこともあるよ。どうなったと思う?数ターンもしたら手を雪に擦って、止まって大笑いしてたよ。こんなにスキーが楽しくて馬鹿みたいなのはもう何年もなかったからってね。もっとまじめなタイプの人間にも、内向が出るくらい極端に外向を減らさせたり、少しローテーションさせたりして、それがターンの結果にどうやって影響するか見させたりもした。そういうタイプでさえ前よりもうちょっと正対して乗るのも試してみようかな、と思うようになったよ。

    スイス人はそういう方法をずいぶん試しているのを知っているし、スイス人の元デモに体の大きな部分の動きによるスキーという方法を最初に聞いた。試してみるまで否定するなよ。Bob Petersが言ったように、楽しそうに見えるし、実際どうだと思う?



    HKSkier

    それもそうだね



    日本のスキー教程が目指すものは本当はなんだろうか。真実は次回インタースキー2011のレポートの紹介で。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/12(火) 06:33:51|
    2. インタースキーでの日本
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    適切な外向傾の作り方 - How to skin a cat.

    「外向傾を全く取らないのは駄目」というのが、世界のワールドカップ選手やコーチ、スキー教師の間で共通した認識なのは今までのエントリーで書いてきた。だけど、「外向傾は0」というのは簡単でも、「適当な外向傾の量」を示すのは難しいし、人によっても意見の分かれる部分だ。

    今まで紹介してきたようなコーチやスキー教師はどう言っているだろうか。以下は主にカービング大回りでの話。


    最初に、元US代表選手で、ベテランレースコーチのRick Schnellmann
    http://www.yourskicoach.com/YourSkiCoach/Skiing_Into_Counter.html

    Q:どのような場合に受動的に外向に入って行き、どのような場合に積極的にターンの最初に外向を作ればいいでしょうか?
    (訳注:”外向に入っていく”というのは、体を谷に向けたまま、ターン前半は内向、板が下を向いたときに正対、後半は外向という滑り。ここではその前半の話。)

    A:ターンの最初に骨盤を移動させ外向をつくると、外傾を作り、外脚の上でバランスを取るのがすごく簡単になります。遅いスピードでのターンや、ターンがシャープにフォールラインを超えてスキーヤーの向きを大きく変えるような場合は、ターン最初で左右へのバランスを上手くとりやすいという事には大きな価値があります。
    スピードが高い場合は、慣性のおかげでターン初期での左右のバランスをあまり気にしなくても良いので、(ターンの初期に谷を向いて)”外向に入っていく”方法がより適切な方法になります。スキーヤーがターンの最後で比較的谷の下を向いたターンを繰り返す場合も、左右のバランスがとりやすいので、この方法が適しています。

    ”外向に入っていく”事が可能な場合、これはとても効果的に体を使える選択肢となります。腰をわざわざ外向させる動きがなくなるわけですから。体は下向きの方向を保ったまま、スキーが回ってくるのを待つことになります。しかし、これはちゃんとやるのが少し大変な方法となります。なぜなら、ターンの前半で体を捻った体勢になり(先行動作)、前のエッジを外し始めた瞬間にスキーが勝手に回ってこようとするからです。高い技術のあるスキーヤーにしか、スキーが回って来ることをコントロールして、綺麗なカービングターンを行うことは出来ません。

    ”外向に入っていく”ことの問題点は、ターン初期の外向が無いことにより、外足を親指側に傾かせ新しい外スキーに圧力をかけていく力が存在しないことです。スキーヤーはターンの上半分を、外向を取った場合に比べ、あまりしっかりと(雪面と)噛み合わずに通過することになります。このため、両方の滑りが出来るスキーヤーの一部は、ターン初期で外スキーがしっかりと噛んだ、安定した感覚を経るために、自分から骨盤を外に向けて外向を取ることがあります。

    両方試して、それぞれの感覚を比較してみましょう。



    次に、元チェコ/スロバキアチームのアルペンオリンピックチームキャプテン等、USSA認定コーチの集まりのスキーコーチング会社、Modern Ski Racingの記事
    http://www.modernskiracing.com/HipsForward.php

    よく、内足を引いて腰が前にあるポジションを保てと言っているのを聞きます。疑いもなく、我々は内足がターンの先に凄く出て行って、トランジション(切り替え時)にポジションが後ろになった、受身のポジションでターンするようなことになりたくない。とはいえ、内足を後ろに引きすぎて体が自然の力学の結果起こそうとする動きをブロックするようなことにもなりたくありません。つまり、少しの外向が出来るように、多少の内半身の先行を作ることです。この動きのより良い見方は、ターンで片足が長く、片足が短い体勢を取る際に、内足の踵を体の下にたくし込むということです。これにより、内足をあまりにも引きすぎて、外向とその後の連鎖的な動きを邪魔することを防ぐことが出来ます。内スキーの先行の量をコントロールすることが必要なのは疑いありませんが、それが実際になくなることはありません。体が適切なバランスを保つのに必要だからです。



    続いて、各国のナショナルチームと仕事をしているというロシア人コーチGreg Gurshmanの所属する別のコーチング会社youcanski.comによる、オーストリアコーチングメソッドの紹介
    http://www.youcanski.com/en/coaching/austrian_coaching.htm

    編集者ノート:上の写真から、一見どちらのレーサーも、特にフェーズ2(ターン開始)とフェーズ3(ターンマキシマム)において、大きなティップリードを示しているような印象を受けるかもしれない(内スキーが外スキーよりも大きく先に出る)。私達はこれらのアスリートはわざと内スキーを前に押し出したり、腰を逆回転させたりしてこの状態を作っているのではないと強調したい。ティップリードはこれらのトップレーサーの非常に高いエッジアングルのために自然に起こるものである。このような極端に高いエッジアングルを取るためには、外側と内側の足の大きな左右方向の距離を必要とし、それが結果として前後のスキーの距離を生むのである。(人間の膝は曲がると前に出るという単純な解剖学的な事実により。たとえばバッタであれば逆ティップリードが生まれる)



    さらに、元ワールドカップ選手、元USデモのスキー教師Harald Harb。最初のRick Schnellmannによる、外向のデモンストレーションを批判する内容。1番目の写真がRick Schnellmann。
    http://www.pmts.org/pmtsforum/viewtopic.php?f=1&t=3232



    これはカウンターアクティング(適切な外向傾をとって良いバランスを保つこと)ではない。これはカウンターアクティングを示そうとしたものだが、わざとやっていて、過剰な内スキーの先行のある、後ろに座ったようなポジションになっている。外脚のヒザが内脚のヒザの後ろに落ちており、外脚のヒザは山に向かって入れこまれている。これは腰の落ちたパークアンドライド(ポーンと後ろ気味のポジションに入ってそのまま固まって曲がること)だ。どんな意味でも実用的ではない。



    こちらが実用的なカウンターアクティングだ。全く違う。彼はスキーの上にたって、スキーをたわませており、バランスが取れている。

    2枚の写真を比べよう。上の写真をみると、彼はカウンターアクティングを見せようとしていろいろなことをやっている。内スキーを前に押し出し、腰を捻り、足(ブーツ)を傾けていない。彼のスキーはほとんどエッジが立っていない。体はスキーのアングルと並んでいない。彼はバランスが取れた良いターンを見せることよりも、わざとらしくカウンターを見せることに集中している。どんなに切実に何かを見せたいとしても、ターンの質を犠牲にするべきではない。誤解を招くからだ。



    最後に、Ski Racing誌に時折寄稿しているレースコーチRon LeMaster。オリンピック金メダリストDidier Defagoと世界選手権金メダリストDidier Cucheのダウンヒルレースでのターンを比較して。
    http://ronlemaster.com/skitechtoday/blog/2010/10/09/more-than-one-way-to-skin-a-cat/

    Cucheの腰と上半身はターンの外側に向けられ、英語で「Countered Stance」と呼ばれる体勢になっており、大きな腰からの外傾が見られる。Defagoの体勢はかなり違っている。彼はアメリカ人が「Square(正対)」とよぶ少ししか外向を取らない構えを取っており、著しく少ない腰からの外傾を使っている。さらに、彼は外スキーのエッジをコントロールするために(膝)からの外傾を多く取っている。(訳注:”膝”の部分は脱字だが、彼の普段言っている事や、通常AngulationにはHipとKneeしかないという事から考えて、ここは間違いなく膝からの外傾だと思われる。)
    二人のアスリートの構えの違いは、主に体つきの違いから来ている。174cm 89kgのCucheは体重に比べて背が低い方だ。Defagoは10cm高いが、1kg重いだけだ。腰からの外傾の目的は、スキーヤーが外足に体重を乗せ、エッジが鋭く立っている局面で、外脚の大たい骨の股側の付け根の上で重心のバランスをとることである。そのためには、上半身と比較して、体の中心部分に重さが集まっていれば集まっているほど、より大きな外傾を取ることが必要になる。外向の目的は、臀部と太ももの筋肉を、スキーヤーと雪との間に働く力に対して最適な形に並べることである。通常は、身長に対して腰が広いほど、より強い外向が必要になる。結果として、Cucheの背の低く、ガッチリした体つきがより大きな腰からの外傾と外向となって現れ、Defagoの背が高く、狭い腰の体つきは正対した構えを要求する。

    もう一つアスリートが技術を選択する際に大事な要素は、その個人が最初にどうやってスキーを習ったかである。スキーで良いターンをするためのやり方は一つではなく、発達段階で磨いた技術が、スキーヤーが最高のレベルに到達したときに一番効果的なものになることが多い。アメリカにこの場合にぴったりなことわざがある。「猫の皮を剥ぐやり方は一つではない」というものだ。スキーの話でいえば、CucheとDefagoがここでやっているように、2人の人間が、同じ事を違うやり方でやりつつ、どちらも優れたスキーヤーでありうるということである。



    大まかにいえば、外膝が内膝の後ろに入りこむほど大きく体を開くのではなく、体が有効に使えないほど無理に内足を引き付けるのでもない、というところだろうか。その範囲であれば、大きく作る方法と作らない方法のそれぞれにメリットがあるし、個人の体型によっても適切な量は変わってくるということだ。感覚的な話も人それぞれの部分があるだろう。個人的な話をすれば、骨盤の左が前に出ているとカイロプラクターに言われて(目でみてわかるほどではないけど)、普段足を組む方向を変えたり、Pivot Slipを重点的にやったりして直したんだけれども、その前には、カービング大回りの場合、左ターンはターン半ばで内足の踵を体の下に引き付けて、右ターンはターン前半で骨盤の内側を意識して前に出すのが良いターンになっていた。

    良く聞く「スキーの前後差を無くせ」と言う様なアドバイスはもちろん有効な事もあるだろうけれども、物理的に本当に前後差がなく、本当に外向の無い滑りと言うの通常しないし、人次第、状況次第で必要な事は逆だったりするわけで、あまり画一的な流行にとらわれず、自分に最適な方法をさがすのが良さそうだ。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/08(金) 09:32:31|
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    外向

    突然だけど、上半身をターンの外に向けて、外向を作る主な目的は、外傾を作り重心を外足側に寄せることだ。

    体を外に向けて、上体を立てると、体がくの字になった外傾が作れる。これによって、大きなエッジ角を得つつ、外足に荷重をのせることが出来る。外向無しでこれをやろうとすると、動きのレンジの少ない腰の横側への運動を、小さな筋肉の腹斜筋ですることになるけれど、外向すれば、大きな腹直筋を使った、動きやすい前方への運動が出来る。



    床に座って、上の写真くらい位内脚をたたんで外脚を伸ばす体勢をとった時(もちろん滑りながらでもいいけれど)、外向をとらずに上体を真っ直ぐ前に向けたまま外傾をとると、横腹が非常にきつい、ガチガチのポジションになるのに対して、写真のように少し外向をとるだけで格段に自然な、力強いポジションになるのがわかる。



    上のTedの写真では、切り替えで体がスキーと同じ方向を向いた、"Squared Position=正対"になっている。 そこからターンの頂点に向かって上体の向きはほぼ保たれて、頂点では大きく外向がとられているのが見える。これによって、大きなエッジアングルを得つつ、外足に荷重のかかったバランスのいいポジションを作っているわけだ。

    あまり外向傾をとらないので有名なKalle Palanderも下の写真のように、



    ターンの頂点に向けて上体はほぼ元の角度を保って、内半身が外半身より先に出ている。こうやって内半身がスッと前に出るのは、上手いレーサーに共通に見られる動きだ。ここで外向を保たずに、体ごと回ってしまうと、人間の体の作り的に内脚に乗ってしまうし、多くの場合はエッジ角が足りずにずれてしまう。

    スキーの滑り方に関する他のすべての事と同じように、外向も「適度」が大事だ。そのため、適当なときに適度な量を作る練習として、Javelinと呼ばれるドリルや、



    Pivot Slipと呼ばれるものがよく使われる。




    カービング板でスキーを始めると、倒せば曲がるのでおろそかになりがちだけど、適度な外向が作れると滑りが格段に安定するので、是非抑えておきたいポイントだ。前も紹介したHarald Harbはブログでこういっている

    「外向傾を作る動きはスキーヤーの成長において大事ではない、という人が居るとしたら、その人は世界最高のスキーヤー達がやっていることを見ていないのである。」

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/02(土) 08:37:22|
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