Rockface

    スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    1. --/--/--(--) --:--:--|
    2. スポンサー広告

    カナダスキー教程 - 上級 (コーチングメソッド)

    カナダスキー教程シリーズ、アドバンスト編。具体的な内容に入る前に、どのように運動能力は発達するのか、スポーツのコーチをする際、どのようなメソッドがあるかという概要から。原書では6章からになる。

    運動能力の学習過程を理解する

    カナダコーチ協会によるコーチ用の教材は、熟達したスポーツの能力が、予想可能な、計画出来る形で発達することを示している。運動技能修得の各ステージを理解することは、効果的なメソッドの基礎となる。運動能力の学習の原則は、あらゆるレベルでのすべてのスキルに対して当てはまる。それぞれの技能学習のステージは、教え方と密接にかかわっている。

    Initiation - 入門

    スキルや活動に対する初めての接触。
    何をしていいかまったくわからない。


    Acquisition - 獲得

    鍵となる動きの要素を正しい順番で調整しながら実行できる。
    動きは安定せず、正確さにかける。
    考えながら動いている。
    荒いフォーム。動きの同期、リズム、流れにかける。


    Consolidation - 統合

    動きの統合が見られるようになる。
    変動のない状況では、リズミカルでコントロールされた動き。
    上級の動きの要素が見られるようになるが、プレッシャーを感じたり、環境が変わったり、要求される事が難しくなってきた場合には安定して行うことが出来ない。


    Refinement - 洗練

    難しいコンディションでも正確で安定している。
    動きは意識せず、自動的に行われる。
    小さな微調整しか必要ではない。
    自身による見直しと、修正が可能。


    Creative Variation - 創造的多様性

    多様性

    動きは難しい状況でも完璧である。
    効率的な自分なりのスタイルを確立している。
    手本に合わせた動きもすることが出来る。


    臨機応変

    自発的に新しい動きの組み合わせを作り出し、予想しなかったシチュエーションに対応できる。
    競技や慣れない状況において、効率的な自分なりの動きが発達する。


    創造性

    スキーヤーは好みや規定、原則などに合わせてスキルを作り出すことが出来る。
    動きに個人の持ち味が出るようになり、物事を行うやり方は、個性的、本能的で、スキルは自動的に使われる。



    I A C R Cv - 入 獲 統 洗 創



    教える際に:

    Initiation - 入門

    生徒のタイプに合った明確なイメージを使う。
    安全で滑りやすい環境を提供する。
    大量の繰り返しを確保し、完全さを求めない。


    Acquisition - 獲得

    繰り返し練習を増やす - 必ずしも完全さを求めない。
    トライ&エラーによる学習。
    スキーヤーの運動に対する意識を高めるような質問をする。
    左右の対称さを求める/促進する。


    Consolidation - 統合

    スキーヤーをさまざまなシチュエーションに出会わせる。
    さまざまなコンディションでの繰り返し練習。
    より複雑で困難な課題に挑戦させる。
    トライ&エラーによるさらなる学習。


    Refinement - 洗練 

    スキルが高いレベルで実行されるように、複雑で困難なシチュエーションを取り入れる。
    さらに大量の繰り返し練習。
    決断能力を発達させる。


    Creative Variation - 創造的多様性

    スキーヤーが自分なりのさまざまな滑り方を発見できるような環境づくり。
    競技中や厳しい状況での完璧な実行を求める。



    生徒へのフィードバック:

    Initiation - 入門 & Acquisition - 獲得

    何をどこでどのようにいつやるかという指示。
    実演やビデオを使う - 視覚的な基準。


    Consolidation - 統合 & Refinement - 洗練

    スキーヤーは自分でフィードバックが出来るようになってくる - インストラクターは促進する役を果たす。
    知識と理解を発達させる - ある程度の指示と説明。
    フィードバックの量は減っていく。


    Creative Variation - 創造的多様性

    すべての意思決定に対してスキーヤーとインストラクターのチームワークが求められる。
    さまざまな環境を使う。
    スキー中にタイミングを取るための目印を使う。
    他チームとの練習の機会の提供。
    トレーニングの効果を最大に上げる為の、スキーヤー・競技者の管理。



    トレーニングメソッドの比較

    効果的なアプローチは、学習者のニーズに合っていて、運動能力の発達段階や、学習の環境を踏まえた物。

    「行動型トレーニング」は指示的なものだ。インストラクターは学習者に何をすればいいか伝え、実技に対して定期的にフィードバックを与える。これはInitiation - 入門とAcquisition - 獲得の段階で有用なメソッドだ。運動のスキルは一連の動きに分解され、発達段階は簡単なものから複雑なものへという流れになる。繰り返しと、インストラクターからの定期的なフィードバックがスキルの保持のために使われる。

    「意思決定型トレーニング」はジョアン・ビッカース博士によって研究されたアプローチで、判断する力と自立性の発達を促進するものだ。インストラクターは学習者が色々なパターンを試し、解決方法を見つける手助けをする。課題はしばしば分割されずに完全な形で与えられ、複雑で、複数の運動スキルを同時に使う難しいものとなる。一連の動きと発達段階の進み方は複雑になり、さまざまな違った種類のドリルやシチュエイションが、臨機応変であることや、能力の幅広さの発達を促進する。意思決定トレーニングでは、質問を投げかけることで学習者が課題や実技に対する理解を深めるのを助ける。自分で考えることを促進するため、学習者に対するフィードバックはしばしば遅れ、あるいは少なくなる。

    *発達の要素

    個人の発達にはさまざまな要因がかかわる。身体的、心理的な要素とともに、機材の選択や調整も大きな影響を持つ。雪のコンディションや地形は常に学習プロセスに影響を及ぼす。これらについてはこのセクション及び、Training for Performance (9.2)で触れられている。


    行動型トレーニング

    短期間で結果を出すのに効果的。
    限定的な学習者による自省的な思考。
    インストラクターからのフィードバック抜きには発達が阻害される可能性がある。


    意思決定型トレーニング

    長期間での発達に効果的。
    自分で見直すことが出来る(自己反映的)、自立的な学習者を育てる。
    いくつかの要素は短期間でも役立てることが出来る。



    アドバンストレッスンの計画

    発達戦略を決める:

    セッションの計画には行動型と意思決定型のトレーニングの配分の決定が含まれる。学習者の発達レベルと、時間的制限、発達させるターゲットの能力に基づいて行う。

    1. スキーヤーの総合的なレベルを見積もる

    総合的なスキー能力はスキーの経験がどれだけあるかを示し、教える際の最初の目安となる。

     エキスパート
     アドバンスト
     インターミディエイト
     ビギナー
     エントリーレベル


    2. 時間枠を考える。

    1回きりか、複数回やるのか?

    短期 = 指示的、規定的

    長期 = 対話的 自己反映的


    3. 能力開発のターゲットを決める

    能力開発の目的を、観察と、学習者からのフィードバックによって選ぼう。短い期間であれば、インストラクターの選択が大きな重さを持つ。この場合は、インストラクターが主導して目的を決める。もしセッションが長期間に渡るものの一部であれば、学習者を分析と問題解決に参加させよう。

    • 口頭 - 学習者に自分の滑りをどう考えるか質問する。

    • 視覚 - 滑りをみて、使われているスキルの組み合わせやシチュエーションなどを評価する。

    I A C R Cv - 入 獲 統 洗 創


    • どのようなタイプの学習者で、どのような性格なのかを判断する。


    4. ターゲットの運動スキルの発達段階にあわせる。

    もし目標が新しい動きのパターンや戦術ならば、行動型のアプローチを優先しよう。すでに確立されたパターンに対する調整を行うには長くかかり、体系的なアプローチが必要となる。高度な、洗練された課題では、自分で考えることを促進しよう。


    5. トレーニング戦略の選択

    良い戦略は生徒にやりがいと手ごたえを与え、運動及び認識のスキルを発達させる。適切に選択された発達戦術は、ある特定の種類の、複数のスキルの習得を目標とし、新しい結果を出したり、効率的な動きを発達させたり、滑りに対する感覚を磨いたりする。適切な手ごたえを与えることは、学習者を引きつけ、やる気と欲求を生み出すとともに、自省的な考え方と、問題解決の能力を発達させる。滑る環境それ自体も発達のための価値ある道具となる。地形と、雪のコンディションはスキーを教える上での創造的な楽しみの一部だ。


    シチュエーショントレーニング

     コブ、木の間、急斜面、平らな斜面。
     幅広いコンディション。
     斜面を使ってのゲーム。

    認識トレーニング

     質問と自己反映的な課題。
     チャレンジ。リスクの高いことをする事。
     自立と問題解決。

    幅広さのトレーニング 

     動きを誇張した練習。
     さまざまな運動強度。
     リズムとターンの形。



    すべりの評価 - 上級の能力

    発達のための適切なターゲットを設定することは高いレベルでスキーを教える際に難しい部分の一つだ。スキーを取り巻く複雑な環境の中で、動きのパターンを分析し、解釈するためにはさまざまな方法がある。以下の事に注目しよう:

    スキーのスキル(4.6)
    基本的な能力(3.7)
    (http://rockface.blog.fc2.com/blog-entry-20.html)


    滑りの目的と、結果を出す際の効率性を基準にして評価しよう。流れとリズム、スキーのリアクションを見極める力を養おう。物理と生物力学の原理を理解することが役に立つ。次に挙げるものは、上級の滑りを評価する際に、自分自身に問いかけるべきいくつかの質問の例だ。

    強さと流れの保持

    スキーヤーは強くしなやかなスタンスを保っているか?
    スキーヤーは強く安定して見えるか?
    ターン中に滑らかで力強い流れがあるか?


    弧から弧へ

    スキーヤーは先を見ているか?良いラインを選んでいるか?
    ターンとターンの間でバランスは保たれているか?適切な時期にストックを突いているか?
    雪とスキーとのコンタクトは良くコントロールされているか?


    圧力をかけることと軌道の変化

    リズムと跳ね返りがあるか?
    スキーの反発はコントロールされて、適切な方向に向けられているか?
    色々な種類のターンの形が出来ているか?


    スキーを回すスキル

    スキーヤーは減速したり、スピードを保ったり、加速したりすることが出来るか?
    スキーを回す際に幅広いスキルが使われているか?
    状況と地形に合わせた回し方が出来ているか?



    次回はカナダスキー教程シリーズ最終回、アドバンスト編の具体的なタクティクスの予定。
    スポンサーサイト

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/27(水) 07:04:44|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0

    カナダスキー教程 - 5 Skills

    今回は、CSIAスキー教程による、スキーの滑り方を考える際の5つのスキルと3つの基本的な能力について紹介する。4章p72からp86になる。

    カナダのスキーレース連盟CSCFでもこの5つのスキルという考え方をしていて、これをベースに、技術の分析や練習の組み立てをしている。アメリカのスキースノーボード連盟USSAでは、これのタイミングとコーディネイション以外の4つとほぼ同じ分け方になる。


    様々なスキーのスキル

    スキーの滑り方は5つの基本的なスキルを使って分析し、発展させることが出来る。

    • スタンスとバランス
    • タイミングとコーディネイション
    • ピボット
    • エッジング
    • プレッシャーコントロール


    基本的な能力:
    5つのスキーのスキルを使うことで、3つの基本的な能力が現れる。これらは効率の良い滑り方を発達させ、クライアントが良い結果を出せるかどうかを決定する。

    1 スキーの中心にのった、動きやすいスタンス

    中心に動きやすいように乗っているか? あるいは固くなって不安定か?


    2 下半身で回る

    下半身で回っているか? それとも腰と肩を行きたい方向に捻っているか?


    3 エッジ上でのバランス

    エッジは雪を捉えているか? 捉えられずに、スピードとターンの形のコントロールに欠けているか?


    どの能力に注意を払う必要があるか見極めたら、5つのスキルを使って解決策を探そう。たとえば、下半身で回ることが出来ないスキーヤーは、ピボットのスキルを発達させる必要があるだけかもしれない。あるいは、不適切なタイミングとコーディネイションがピボットすることを妨げているのかもしれない。同じように、エッジの上でバランスが取れないスキーヤーはスタンスに問題があるのかも知れず、それは肩を山に向けて傾け、捻っていることから来ている可能性がある。

    3つの基本的な能力というフィルターを通して滑りを見ることで、どのスキルを発達させる必要があるかを見極める事が出来る。ほとんどの場合、スキルは協調して働いていて、一つを発達させることで他のスキルにも影響が出てくる事になる。



    スタンスとバランス:



    スタンスとはスキーヤーの体の各部分の並び方の事だ。良いスタンスは安定して、かつ動きやすいもので、スキーヤーがバランスを調整する事を可能にする。

    バランスとは、スキーヤーが転ばないように神経筋肉系を使用することだ。最適なバランスは、最小の動きと筋力で、重心とそれを支える土台を適切な位置に配置する。

    この2つは他のスキルを使う際の基礎となるものだ。


    スタンスのバリエーション

    スタンスに取り組む際には個人の体のタイプを考えに入れる必要がある。腰の広さや、X脚、O脚は個人個人のスタンスに影響する。ブーツの種類や調整も同様だ。目標は、その個人にとって最大限に動きやすく自然なスタンスを作ることだ。


    スタンスと安定性

    スタンスの広さはスピードと雪のコンディションで変わってくる。固い雪と高いスピードは広いスタンスからくる安定性を必要とする。同じように、ビギナーには広い土台が役に立つ。柔らかい雪では狭い足場の方がコントロールしやすいかもしれない。狭いスタンスはコブや荒れた雪等の素早さが要求される場面でも役に立つだろう。


    バランス - 動的なプロセス

    バランスとは、外界の刺激に対する、常に連続した一連の調整だ。バランスを崩そうとする力が強く多様なスキーというスポーツにおいてはこの意味が特に強くなる。”バランスを保つ”為に、体は内耳から受け取る感覚のフィードバックや、視覚の手がかり、脚の下での圧力の配分の感覚に対して筋肉の動きを使って反応し、骨格を直立させ、また重心を足元の土台によって支えられた位置に保つ。バランスを保つ動きは前後、左右、上下、さらに回転と、すべての方向に働く。

    ビギナーやインターミディエイトのスキーヤーは”考えて”バランスを取る反応をする傾向にある。上級者は必要な筋肉だけを使った自動的な反応を身に付けている。エキスパートは経験からバランスが崩れる状況を予測して、雪や地形の変化に対応する。この事はエキスパートのバランスの取り方を、先手をとった、より正確で効率的なものにする。



    タイミングとコーディネイション:



    タイミングとはスキーヤーが適切な瞬間に適切な行動を起こすことだ。ターンの種類や地形や雪のコンディションはスキーヤーがタイミングを決定することに影響を及ぼす。コーディネイションとはさまざまな運動技能を融合させ、一つの動きを作り出す能力の事だ。これら二つは、スキーヤーが持つ運動能力や運動の経験、スポーツ固有のトレーニングによって大部分決まり、他のスキルを適切に使用する際の鍵となる。


    タイミング = 決断

    タイミングとはスキーヤーが、自分の置かれた状況を解釈して様々なスキルを適切な量と順番で適用することを学んでいく中で、周りの環境にたいして反応することだ。どのような状況においても、スキーヤーは望んだ結果を出すために、動きのタイミングを調整する。このスキーの一面はフリースキーと、指導を受けながら量を滑ることで磨かれる。


    運動のコーディネイション

    空間の感覚と運動能力はバランスを取るための道具である。スキーヤーはゲレンデを滑り降りる動きをコントロールするためにさまざまな動きを調和させる。もともとの運動能力がコーディネイションの能力の大きな部分を占めるが、どのようなレベルにあっても発達させることは出来る。筋肉と感覚が応答する能力を発達させることで、正確に速く反応することが可能になる。ウォーミングアップ、さまざまなスキルを発達させること、重要な動きの繰り返し練習がコーディネイションを発達させる役に立つ。


    タイミングとコーディネイションの発達

    初心者と初級者にとってタイミングとコーディネイションは、動けるようになることとリズムを発達させることから始まる。スピードが上がるにつれ、両スキーのエッジを同時に切り替えることと、エッジと圧力のコントロールのために、体の各部分の動きの範囲を大きくすることが目標になってくる。距離を滑ることによって、体の反応はより速く、自動的になる。やるべきことは感じる能力と決断力を磨くことだ。



    ピボット:




    ピボットとは両脚と両足を使って方向を変える能力の事だ。カービングか、ずらしたターンかに関わらず、下半身がターンをする運動を導く。


    ピボットと方向転換

    両脚を股関節で回転させることは進行方向にクロスするようにスキーを向けるもっとも効率的な方法だ。雪に対してスキーがグリップする力と合わさることで、スキーのターンの弧に向けてスキーヤーは方向を変える。ピボットの結果として上半身と下半身の分離が起きる。


    ピボットとエッジング

    上半身と下半身の分離は、アンギュレーション(外傾)によってスキーヤーがエッジの上でバランスを取ることを可能にする。大腿骨を股関節の中で回転させることで股関節が横方向、ターンの内側へ動きやすくなり、エッジ上でバランスをとる助けになる。


    ピボットとバランス

    脚で回ることによって方向転換を、バランスを崩すことなく効率的にすることが出来る。スキーを腰や上半身のローテーション無しに回すことは、外スキーの上でバランスを取る役にも立つ。



    エッジング:



    エッジングとはスキーの雪面に対する角度をコントロールして、サイドカットの特性を引き出す能力の事だ。エッジングによってスキーヤーは進行方向とスピードのコントロールをすることが出来る。


    エッジングと方向転換

    進行方向が変わるときには、エッジングが行われている。エッジングは雪に対するグリップを提供し、向心力が質量を方向転換させる。エッジングの量は、減速したいのか、スピードを維持したいのか、加速したいのか、またどれだけ素早く方向を変えたいのかで決まる。


    インクリネーション(内傾角を作ること)

    自転車の場合のように、傾く角度はスピードと外からの力、通りたいラインによって決まる。傾きが大きすぎればスキーヤーは内スキーに乗るか、倒れてしまい、小さすぎればターンの弧を維持することが不可能になる。


    アンギュレーション(外傾)

    足首と膝、腰で調整される。体の各部分を曲げることでスキーヤーはバランスをとり、インクリネーションだけで作るものよりも大きなエッジアングルを得ることが出来る。


    ターンの開始 - インクリネーションの傾く向きを変える

    方向転換のために、スキーヤーはインクリネーションの傾く向きを変える。これは土台であるスキーを回すこと及び/または、重心を移動させることで行われる。ボーゲンやシュテムは土台を新しいターンの外側に持っていき、インクリネーションの傾く向きを新しい方向に向ける手段だ。



    パラレルターンでは、この「倒れる」ことは、外スキーの圧力を抜いていくこと、及び/または、それを逆のスキーに移動させることで可能になる。これにより、効果的に重心を支える土台を谷スキーから新しい外スキーに移動させ、インクリネーションの方向を変えることが出来る。両スキーから圧力を抜いていくのも、重心を土台の上を通し、新しいターンの内側へとクロスオーバーさせるもう一つの方法である。ほとんどの場合エッジの切り替えはこれらの組み合わせでなされ、スキーヤーの技術レベルと、目的次第で、受身か能動的、また、同時(パラレル)か順番(ボーゲン)に行われる。


    エッジングとプレッシャーコントロール

    スキーが雪面に平らになっていくと、グリップが抜け、向心力は少なくなる。スキーを慣性で進んでいる方向にクロスする方向にむけエッジを立てると、スキーヤーの質量が動かされ、重さ、あるいは圧力の感覚が生まれる。



    プレッシャーコントロール:



    プレッシャーコントロールとは、ターンの力に対してバランスを取ったり、筋力を使ったりすることで、スキーに荷重したり荷重を抜いたりする能力の事である。これはエッジングと密接に関係しており、ターンの種類や地形によって、どのようなものなのか違ってくる。


    プレッシャーコントロール - 感覚の技術

    スキーを開放したときの浮遊感と、ターンによる力や重力に耐えることからくる重さの感覚とを繰り返すことは、スキーの魅力の一つだ。ターンの力学がスキーヤーの扱う荷重を生み出し、圧力の感覚と、スキーの滑走感を生み出す。スキーヤーは地形と雪のコンディションを予測して反応することを学び、足下の圧力の感覚を発達させていく。


    雪とのコンタクトのコントロール

    体を曲げ伸ばしする動きはサスペンションのように働き、重心を安定した軌道に保ちつつ、スキーを雪面にコンタクトさせ続ける。この動きはインクリネーションの傾きの線に沿って行われる(エッジアングルと直角に)。スキーの跳ね返りが大きくなったり、地形が難しくなったりすると、この効果は大きくなる。


    両スキーへの圧力の配分

    ターンからの力が強くなるにつれて、圧力は自然に外側へと移っていく。谷(外)スキー上でバランスを取るのが、アイスバーンや、高速、急斜面ではもっとも確実な方法だ。ターンとターンの間では、圧力は両スキーにかかる。片方のスキーからもう片方のスキーへと移っていく「重さ」の感覚は、通常徐々に移り変わり、重心の軌道やスキーの滑りを最大限邪魔しないようなタイミングで行われる。


    前後の圧力

    現在のスキーは中央からターンするようにデザインされている。中央より前に多少の圧力をかけてターンを開始することは良いが、あまり掛けすぎるとスキーが回りすぎてしまい、減速する。方向転換や雪の抵抗で突然増加した摩擦力はスキーを減速させ、後ろに引きずられるようにする。この調整は、重心と、それを支える土台であるスキーの、片方または両方を動かすことで行うことが出来る。



    ターンフェイズ:

    ターンフェイズの考え方は、特定の動きのパターンをターンの特定の部分に関連付け、技術の評価と発達のためのものさしを提供する。また、ターンのある部分での問題は、他の部分に影響するため、原因と結果を理解する助けにもなる。ここでは参考の為に1から3までに分類したが、効果的に結果を出せるどのようなアプローチをとってもかまわない。最終的な目標は、連続した、流れるような滑り方だ。


    フェーズ1 エッジアングルが小さくなる



    スキーを雪面に対して平らにしていくことで、次の方向転換を開始する。重心は次の弧に向かった慣性を持っている。スキーのグリップ力が減っていき、体の質量がスキーを横切り、次のターンの内側に入っていく。スキーが平らになっているので、スキーの向きを変えるのは簡単になる。


    フェーズ2 足場を作り、体の各部を並べる



    大きなエッジ角や圧力無しに、脚の回転は続いていく。どれだけスキーがターンするかは望むターンの形と、減速したいのか、スピードを維持したいのか、加速したいのかによって変わる。慣性を維持して、前及びターンの内側に動いていきながら、次の両エッジ上で、自然な上半身と下半身の分離を伴った、中央に乗ったスタンスでバランスをとる。これによってフェーズ3での荷重に備えることになる。


    フェーズ3 - 荷重とコースの変更



    方向転換を終わらせるために、スキーの雪に対するアングルはどんどん高くなっていく。強く安定したスタンスが外からの力を扱うために必要になる。下半身が引き続きまわることを導いていく。アンギュレーションによってエッジングが増え、体重の大部分が外側のスキーに保持される。スキーがたわみ、力が溜まっていくと、そのエネルギーをスピードとスキーの返りを生むために使うことが可能になり、次のターンへと力強く繋げていくことが出来る。


    滑りの種類によって各フェイズを調整する

    • 急斜面やコブでは、各フェーズのタイミングが変わってくる。


    1 エッジを外す動きが速く、しばしば圧力を抜くことによって開始される

    2 スキーヤーの下での積極的な脚のピボットが速い方向転換と上半身と下半身の分離を生む。

    3 スキーの制御と、板の返りを得るために、積極的に自分から回していく。板の返りを作ることは、難しい雪でターンを開始することを楽にし、コブや急斜面でのリズムを作り出す。


    • ターンフェイズは遅いスピードの場合にも当てはめることが出来る


    1 両スキーに同じだけ荷重し、ターンとターンの間で滑らかに滑走する

    2 アンギュレーションと上半身と下半身の分離により、外スキーの上でバランスを取る

    3 外スキーでグリップすることによって、コースの変更が出来る>





    このように、カナダのシステムでは、レジャーでもレースでも同じように、5つのスキルと3つの能力という軸を使ってスキーの滑りを見ている。漠然と滑りを見て、何となく後傾だとか無理に板を捻ってるとか言うのではなく、必要な能力を整理分類して見る事で、必要な物が何で、何をすれば良いのかという事が分かりやすくなると思う。

    次回はアドバンスト/エキスパート=上級編。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/15(金) 07:58:46|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2

    カナダスキー教程 - インターミディエイト編

    前回のビギナーレベルに引き続き、今回の記事ではCSIAのメソッドによる、中級=インターミディエイトレベルの教え方を紹介。原書ではp60からになる。


    インターミディエイトレベル

    パラレルは効率のいい、コントロール性の高い滑り方であり、より幅広い種類の斜面やコンディションで滑ることを可能にする。インターミディエイトスキーヤーにとっての技術的なゴールはさまざまな基本的な能力を統合することだ。

    良くある問題

    インターミディエイトスキーヤーの問題のほとんどは、スタンスの取り方と、上半身でターンしまうことに関係している。固いスタンスを取ったり、スキーの上で自由に動けない体勢になると、下半身でターンしたり、バランスをとったりすることが難しくなる。このレベルのスキーヤーのほとんどが、新しいターンの方向に肩を捻ってしまう傾向にある。残念ながら、それはバランスするポイントを谷スキーの上ではなく山側に置いてしまい、エッジのグリップを作り出すのを難しくする。


    フリータクティクス:

    いろいろな違ったシチュエーションや、大量に滑る事を通じて、数々のスキルを上達させるたくさんの方法がある。小さなジャンプや、スイッチ(後ろ向き)スキー、パークのアイテムなどを使って遊んでみよう。

    地形と想像力を使う

    技術に集中するのではなく、遊ぶことに集中できるような地形の状況を探そう。ウェーブを通ることで、脚の独立とバランス感覚を、説明することなしに、発達させることが出来る。コース横のちょっとした斜面でターンすることで、スキーの自然な加速と減速や、左右方向にバランスを取ることを体験しよう。想像力をつかって、楽しく、安全で、いろいろなバリエーションのあるタクティクスを使おう。


    スイッチスキー

    後ろ向きにスキーすること=スイッチは、違ったスタイルで滑るオプションであり、簡単なコースを楽しくしてくれる。逆向きに滑る主な理由は、エアー(ジャンプ)やレール、ハーフパイプでの踏み切りや着地の際にスイッチの態勢になることだ。人の居ない非常になだらかな場所で、後ろ向きのボーゲンやパラレルをすることから始めよう。ゆるいスイッチターンをしながら、定期的に上を見つつ、肩越しに下を見る事を強調しよう。良いスタンスを作り上げ、生徒が自信をもち、安定して滑れるようになってきたらスピードを上げよう。ずれるスキーの上でバランスを取ることを学ぶために、360ターンや、「バターを塗るように」ずらしたターンを使おう。


    180とスイッチ180

    軽く跳ねて、前から後ろに回す(180)バリエーションと、後ろから前に回す(スイッチ180)バリエーションを覚えよう。上手く跳ねる、または体を伸ばす、ことが出来れば、空中に飛びあがって回ることが出来る。最初は雪面上でやってみよう。左右両方試して、自然に回れる方向を探そう。常に進む方向を見ること。スイッチの状態から飛ぶときには、回る方向と同じ方向を肩越しに見よう。着地点が見えたら、それに向けて体の捻りを緩めていく。板の中心にのって着地すれば、衝撃を吸収するのが簡単になる。180をつなげて何度もやって、(ヨーヨーポップ)素早さと敏捷性を磨こう。


    タクティクス

    • 内スキーターン
    • チャールストン(内スキーでの小回り)
    • 内側の手で雪を触る
    • ジャンプターン(Speiss)
    • 膝を山側に入れる(Knee Wiggle)
    • 特定の動きを強調して滑る



    オールマウンテンタクティクス:

    インターミディエイトスキーヤーはスキー場のあらゆる場所を滑るようになる。整地では余裕があるが、もっと難しい場所や、コブ、さまざまな雪のコンディションに挑戦し始める。

    さまざまな雪のコンディションへの対処

    新雪や春の雪、アイスバーンはそれぞれ整地とは違うアプローチが必要になる。重い湿った雪では、狭いスタンスと、スムーズなターン弧の形によって、バランスを崩すのを防ぐことが出来る。アイスバーンでは、安定性のために広いスタンスを取るのが良い。エッジを無理に噛ませようとするのではなく、リラックスして、しっかりとバランスのとれたアプローチを取ることを強調しよう。


    地形を使う

    自然の地形を使っていろいろなスキルを発達させ、山に対する意識を高めよう。小さなバーム(バンク)、あるいは少し盛り上がった場所、が、コースの横によくあり、盛り上がった地形でエッジの切り替えを協調させるための、とても良い機会になる。頂点にストックをしっかりと突き、タイミングを取ろう。このような地形は抜重の感じをつかむ為にも良い。自然にある谷や、ハーフパイプでは、楽しみながら、リズムと、スキーの圧のコントロールの感覚をつかむことが出来る。谷形の地形は左右が狭い「通路」を作り、ターンからの反発を生み出す。


    滑りをコントロールし、バランスを取るための横滑り

    急斜面や狭い場所では、横滑りを使ってスピードをコントロールしながら優雅に高度を下げよう。横滑りは上半身と下半身の自然な分離を発達させ、谷スキーの上にバランス良く乗る助けになる。


    急斜面

    急斜面ではターンの終了に集中しよう。しっかりとストックを突くことで、スキーが斜面に横に回される際に、谷スキーの上で安定感を得ることが出来る。速めのリズミカルなターンで狭く直線的に下り、スピードはスキーを止めようとするのではなく、回すことでコントロールしよう。


    木々の間を滑る


    多くのスキー場に木々の間を抜けるコースがある。先を良く見て通り方を考えよう。さまざまな形のターン弧を描くことを強調し、丸くコントロールされたターンを磨こう。


    安定性を求め、滑らかにターンを繋げるためにストックを突く

    スキーヤーが余裕を持ってターンを繋げる事が出来るようになり次第、ストックを突くことを強調しよう。多くのスキーヤーがターンの初めにストックを突くものだと思っているが、ターンの終わりでストックを突くことによって、エッジ上にバランスの取れた体勢を作り出し、下に向かって迷い無く滑り降りる事が出来る。早めに腕を伸ばしてストックを突きに行こう。バスケットを振って、上半身をストックを突く方向に迷い無く入れていこう。ストックに少し体重をかけるようにすると、上半身が安定し、スキーの向きを変えて次のターンを始めるのが簡単になる。積極的にストックを使う事で、しっかりとバランスを取って、良いリズムを作ることが出来る。


    タクティクス


    • ストックを突いてホッケーストップ
    • 斜面を斜めに横切る横滑り
    • 横滑りからエッジを立てて止まる事を繰り返す



    コブの手ほどき:

    ほとんどのスキーヤーがコブを避けるべき障害物と考えている。地形をどのようにしてターンに役立てるか教えよう。最初にコブに連れて行くときには、小さなコブのある広い場所を使おう。

    板の中心に乗った、動きやすいスタンスは、滑りのコントロールを維持し、板を回す為に必須だ。すべての関節をよく動かし、肩がつま先の上に来るようにしよう。しっかりとストックを突くことで、スキーヤーは安定し、迷い無く前方および谷スキー側でバランスを取ることが出来る。

    コブの手前側に向かってスキーを回して行き、スピードをコントロールする練習をしよう。練習のために、連続してターンせず、1回ずつしてみよう。スキーはコブの周りを通すのでなく、上を乗り越えさせる。これで丸いターンをするのが楽になり、スキーヤーを雪の柔らかい場所に導くことが出来る。ターンは、雪に接する場所が少ないコブの頂点でしよう。

    斜面によっていろいろなアプローチを使い分けよう。小さなコブの続くなだらかな場所ではタイミングの取り方と板の回し方が鍛えられる。大きなコブがある急斜面では、通るラインの正確さと、スピードコントロールが要求される。

    タクティクス

    • 斜滑降をして、バランス感覚と自由に動く能力を鍛える
    • ジャンプターンをして抜重を強調する
    • ホッケーストップでエッジングと滑りのコントロールを鍛える
    • 横滑りで滑りのコントロールとバランス感覚を鍛える
    • ストックを突くことでタイミングと安定性を鍛える



    パフォーマンスタクティクス:


    カービングの感覚をつかむ

    パラレルでスピードを出して滑ることでカービングへのドアが開く。インターミディエイトスキーヤーのカービングはまだ荒く、安定しないかもしれない。しかし、機材のターンする性能を感じ取る能力を発達させていく事が大事だ。

    ゆるい斜面でスピードを上げていく。

    ゆるい整地を使って、スピードを上げよう。フォールラインに向いたレールターンのターン弧は現代のスキーのラディウスに合ったものになる。スピードを上げることで、スキーヤーに、ターンの内側に傾いて、インクリネーション(内傾角)を使って、ターンからの力に対してバランスを取らせることが出来る。板の中心に乗り、動きやすい体勢を保つように。


    タクティクス


    • 内脚ターンで左右のバランスを鍛える
    • ターンしながら何度も跳ねて、リラックスして中央にのる事を覚える
    • 短い距離を最大スピードで滑る
    • レールターン 浅い振り幅で斜面下に向けて行う - サイドカットで曲がる


    サイドカットを探求するためのドリル

    ずれないスキーの感覚を身に着けよう。人の少ない場所で斜滑降する。シュプールをチェックして、雪面に綺麗な2本線ができているか確認しよう。


    インクリネーション(内傾角)とアンギュレーション(外傾)を調和させて使う


    左右のバランス感覚を発達させるためには、自然なインクリネーションに加えてアンギュレーションを使うことが必要だ。効果的なアンギュレーションのためには上半身と下半身の分離が要る。脚部の動きとスキーのサイドカットによってスキーを回す事を導こう。


    タクティクス


    • エッジに乗って斜滑降し、綺麗な2本線を残す
    • ローラーブレードターン
    • パワープラウ - 狭いハの字を作り、交互に左右の内エッジに乗る
    • クローチングしてターン
    • 膝に手を置いてカービング
    • 腰に手を置いてカービング
    • 両ストックを引きずってターンし、上半身を安定させる
    • ジャベリンターン 内スキーを持ち上げて外スキーにクロスさせる
    • 上半身を極端にターンの外側に向ける



    いつものように、付属の映像はYoutubeで見られる。



    次回はアドバンスト+エキスパート編に移る前に、スキーの基礎となる、5種類の技能について。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/09(土) 08:03:39|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2

    カナダスキー教程 - ビギナー編

    前回の記事ではFast Track to Parallelの5つのステップを紹介した。epicski.comで耳に挟んだところによると、ボーゲンからシュテム、そしてパラレル、と進化して行く教え方は80年代中盤からしていないようで、これはアメリカのPSIAでも同じらしい。

    Fast Track to ParallelはEntry Level=「本当に初めて」から数回目位の初心者向けのメソッドで、この後にBeginner=初級、Intermediate=中級、Advanced=上級、Expert=エキスパートというカテゴリーがある。それぞれのレベルは以下のようになる。

    初級:グリーンと簡単なブルーを滑れる(斜面の色分けについてはここ)。粗野なボーゲンから"ほとんどパラレル"くらいまでの滑りで、状況によって大きく変わる。

    中級:自信をもってグリーンを滑り、ブルーでも余裕がある。荒れた斜面や簡単なブラックを滑ることもある。ほとんどの状況でパラレルだが、斜面が急になったり、状況が難しくなると荒さが見える。

    上級:常にパラレルで滑り、ブルーや、簡単なブラックでも余裕がある。パラレルの基礎の動きを身に着けていて、ハイスピードや、難しいコンディションに対応できるように、それをさらに磨こうとしている。

    エキスパート:スピードや斜面の難しさにかかわらず、安定して滑ることができる。理想的な動きを見せることができ、必要ならば状況にあわせて滑り方を変えられる。



    ビギナーレベルからのメソッドにはそれぞれPerformance Tactics=カービング寄りの滑り、All-mountain Tactics=コブや不整地など、Free Tactics=パークやグラトリ等の3種類のタクティクス=戦術が用意されていて、これらを組み合わせて教える方法になっている。具体的な内容は下のようになっている。


    ビギナーレベル

    ビギナースキーヤにとっての技術的なゴールは、スキーの中心に動きやすいスタンスで乗って、下半身を使ってスキーの舵取りをすること、および、外スキー、あるいはターンするスキー、のエッジ上でバランスを取るのを覚えることだ。スノープラウやウェッジ(ハの字に開いた滑り方)は広く安定した土台と、スピードや方向をコントロールする手段を提供する。

    良くある問題

    ビギナースキーヤーに最も良くある問題は、後傾で固いスタンスと、上半身でターンすることだ。この二つの問題はしばしばお互いに関連している。肩を捻ることはスキーヤーが山に向かって傾く原因になる。その結果、谷スキー上でバランスが上手く取れず、しっかりと雪へグリップすることや、方向をコントロールすることが難しくなる。



    フリータクティクス:

    地形を利用

    小さなウエーブは脚の独立性や、スキーへの圧力の切り替え、自由に動く能力を発達させる。横の斜面は楽しい探検になるし、ちょっとした丘や谷間に上がったり降りたりするのは、連続したターンをするときの圧力変化に似ていて、左右のバランスも鍛えられる。


    小さなジャンプを取り入れる

    初めてのジャンプをして、地形で楽しもう。生徒が浮遊感を感じられるような、小さな自然の地形を見つけよう。数センチでも雪面から浮かせることで、俊敏さを養い、スキーの中心で飛び上がって着地する感覚を生み出す。


    360度ターン

    雪上での360度ターンはスタンスとエッジの感覚を鍛えるために最高の方法だ。平らな整地で、前に乗り出して360を始めて、踵で終わるようにさせよう。これによって前後のバランスの感覚を認識させ、エッジを立てないスキーの上でバランスをとらせることが出来る。



    オールマウンテンタクティクス:

    さまざまな地形でバランスとコントロールを発達させよう。ビギナーであっても、さまざまな種類の斜面やコンディションに出会う事になる。それらに注意を払って、レッスンに取り入れよう。

    ゲレンデの端を使う

    ゲレンデの端をつかって、スキルを伸ばそう。細いコースや連絡コースは多くの場合中央が削られている。端を滑ることで、削られて、固い場所を避けて良い雪を滑ることが出来る。


    急な斜面を上手く滑るには

    ビギナーにとってはグリーンの斜面の急な部分は技術的にも心理的にも手ごわい物だ。最初のステップは、恐怖心をコントロールすること。ターンの終わりに集中して、斜面に横になってターンを終えよう。低いスタンスで安定性を出し、谷スキー上でバランスを取ることに集中しよう。常に両足の上にいるようにして、山側に倒れこんでしまうのを避けよう。ずれるスキーは、エッジがガッチリはまり込んだスキーよりもターンがしやすく、より良いスピードコントロールが出来る。


    タクティクス

    • 肩を斜面に平行に保つ

    • 谷側のストックを雪面に引きずって、アンギュレーションを作り谷スキーの上でバランスを取る。

    • 横滑りとギルランデでエッジの感覚を磨く

    • わざと「シュテム」あるいはボーゲンをして、方向転換を始める。足を最初に回すことで、上半身をねじったり傾けたりするのを避けることが出来る。

    • 丸いターンが出来るようにする。ほとんどのスキーヤーはターンの最初で急ぎすぎてしまい、バランスを失ってしまう。ゆっくりとターンを始めるのは怖く見えるかも知れないが、実際はそのほうが良いバランスとコントロールを得られる。



    パフォーマンスタクティクス:

    逆らわないことを覚える

    重力に逆らわずにスピードを出す自信をつけていくのは、楽しい事だし、カービング寄りの滑り方への導入になる。自信を持つことでより自然にバランスを取ることができ、その結果機材の回転性能を見出すことができる。非常になだらかな斜面をたくさん滑ることが、恐怖心を乗り越え、滑らかに滑走するためのベストな方法だ。


    スキーのサイドカットを感じよう

    非常になだらかなスロープでのレールターンはエッジの感覚と左右のバランスを磨く役に立つ。スピードを乗せて、ほんの少しだけ方向を変えてみよう。ターン弧はビギナー用スキーのラディウスと近いものになる。これでどのようにサイドカットがターンに役立っているのか感じ始めることが出来る。慣性があれば、スキーはグリップし始めて、スキーヤーはターンの内側にバランスできることに気が付く。


    タクティクス


    • 両ストックのバスケットを引きずって、肩を平行に保つ

    • クローチングを組んでターンすることで、真ん中に乗ったポジションを作る。(なだらかで安全な場所で)

    • 両膝に手を置いて滑る

    • 「ホッケースティック」あるいは「ゴルフスイング」ターン(ホッケースティックやゴルフクラブをターンの外で振るようにイメージしてアンギュレーションを作る)

    • 短い距離を出来るだけ速く滑る



    ターンを繋げる:
    エッジを外すために、雪への噛みこみを緩めると同時に、重心が次のターンの内側に倒れて行くようにする。エッジが切り替わるのに伴い、スキーヤーは次の外スキーの中心に徐々に「重さ」が移動していくのを感じることが出来る。この重さの感覚は、重力とターンの力に対してバランスを取ることによって生まれる自然な圧力で、無理に加重したり、圧をかけたりすることによるものではない。

    タクティクス

    • フォールラインに向けてリズミカルにショートターン

    • 徐々にボーゲンの開き方を減らしていって、両エッジが同時に切り替わる感覚をつかむ

    • 低いスタンスで「ゴリラターン」をして、両エッジが同時に切り替わるのを感じる。



    これらビギナー編のドリルも、Fast Track to Parallel編と同じように、ウェブ上で見ることが出来る。




    次回は中級=インターミディエイト編。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/09(土) 00:56:56|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0

    カナダスキー教程 - イントロダクション・エントリーレベル

    少し前に、スキーは小学生のときに滑ったきりという、ボーゲンがやっとの女性を教えることになった。普段人に教えないので、どうやって教えたものか全くわからない。Harald HarbのPhantom Moveは、普段はハイヒールしか履かないという、運動自体何年もしていない女性には無理だろうしなあ… とりあえず前をボーゲンで滑ってリードして、「左に曲がるときは右にじっくり体重かけてー 右に曲がるときは左にー そうそう、良いねー」 とやっておいた。まあ大方そんなもんで良いんじゃないかと思うけど、プロはどう教えているのだろう。今回は前回のレース志向の記事からガラッと趣向を変えて、海外のスキー教師の指導法を紹介しようと思う。

    カナダという国がある。アメリカと同じような国ととられることが多くて、確かに英語圏(カナダにはフランス語圏もある)の言葉はほとんど同じなんだけど、社会システムや文化は結構違ったりする。社会保障の手厚い、ヨーロッパ的な部分のある国だ。

    そのカナダのスキー教師協会CSIAのサイトは、無料でさまざまなリソースを提供していて、そのなかに最新のカナダのスキー教程もある。本も映像も丸々そのままだ。

     
     付属の映像

    覗いてみると、まずインストラクターとしての適切な行動、コミュニケーションのとり方、グループの心理、安全確保の方法、などが具体的に示されている。カバーする範囲も、スキーの履き方から始まって、レース用からロッカーまでのスキーの選び方や、夏季のトレーニング、雪崩対策まで広範囲にわたっている。また、子供に対する配慮なんかも、心理的なものから、体の発達の順序まで、具体的な話に丸々1章が割かれている。なによりまずは「インストラクター」として適切な行動、発言をすることと、どうやってお客さんに安全に楽しんでもらうか、どうやって集団を把握するか、というところに非常に重点がおかれている感じだ。不適切なインストラクターの行動は本部にレポートする事として、対応する専門の部署の連絡先も書いてあり、30日以内に調査して対処するとされている。

    技術的には、全くの初心者からなんとかパラレルが出来る位までのレベルには"Fast Track to Parallel"という5段階に分かれたメソッドが使われている。

    第一段階 Mobility=動けること。ブーツだけ履いてその場で跳ねたり、スキーを履いて歩いたりと、まずはブーツやスキーをつけて「動く」ことを教える。


    第二段階 Sliding=滑る。斜面とはいえないくらいの場所で、片足ずつ上げて前にちょこっと滑ったり、スケーティングしたり、スキーが「滑る」ことに慣れる。


    第三段階 Stopping=止まる。真っ直ぐボーゲンをしたり、出来る人間はHockey Stop=アイスホッケーのように足をそろえてガッと横になって止まったりする。


    第四段階 Turning=曲がる。ボーゲンで真っ直ぐ下を向いた状態から片方にまがる。この際、谷スキー(外スキー)の上に乗り、腰からくの字を作ることを強調する。


    第五段階 Linking=つなげる。左右両方に曲がれるようになったら、谷スキーのエッジを外して外スキーの上でバランスをとるように動いていく。下半身の動きで曲がるように。足を回して、外スキーの上でバランスをとるようにすれば、多くのスキーヤーが「パラレルになることがある」位になるとされている。


    それぞれの段階でTactics=戦術として、目標を達成するためのいくつかの具体的なドリルや、Cue=きっかけ(「足の先をターンの進行方向に向けるように!」等の目的の運動のイメージをわかせるような言葉)があげられていて、ドリルは映像でも見られる。



    このメソッドで実際にプロが教えると下のようになる。



    なるほど。手取り足取りすばらしい。さすがプロは違う。だけどこれだけ具体的に教え方が書かれていれば、自分でも教えられそうな気がしてくる。実際経験が無いので、どれだけ効果的かはわからないけれど、代わりにCSIAのスキー教師養成コースに参加したイギリス人のブログ記事をちょっと紹介。フランスのスキー場での話だ。

    で、ディジーが今週スキーを始めた(一日レッスンをミルトンキーンズのインドアスキー場で受けた後 *イギリスにはスキー場がスコットランドの5箇所しかない)。奴はESF(フランスのスキースクール)のインストラクターに日曜と月曜教わって、昨日は休み、今日、俺、嫁、息子と一緒に出てきた。他のメンバーはLes Arcsに出かけやがった。つまり俺が丸っきりのビギナーを教えなきゃいけないって事だ。ところが、俺がカナダで教わった(で、信じちゃいなかった)「Fast Track to Parallel」とかいうたわごとは、なんと実際効く事がわかった。3本目を滑るころにはあのでかぶつをボーゲンから卒業させて、考えこまずに初歩のパラレルをさせることが出来た。コツはたち方とバランスを徐々に直していって、ここだというときに後ろを滑らせてスピードをつけさせることだ。機が熟していれば、これであんまり考えずに勝手にパラレルになる。まるで魔法のようだ。

    ついでに嫁の骨盤を突き出して、立ち方を直すことも出来た。ゲレンデの周りのスキーヤーは俺が彼女に向かって「骨盤!骨盤!」と何度も何度も叫ぶのを見て、面白がっていたようだ。


    なるほど。次機会があったら試してみよう。

    この後、教程は初級、中級、さらに上級と続いていくので、次回はそれの紹介をしようと思う。


    追記:この教程、Canadian Ski Teaching Manualが紙の本で欲しい場合はCSIAのネットショップ
    https://www.snowpro.com/estore/e/
    のPublicationsセクションから購入できる。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/07(木) 09:49:17|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0

    内脚の使い方 - ワールドカップスタイル

    ネット上に、前にも登場してもらったGreg Gurshmanコーチによる内スキーの使い方に関する記事がある。英文で3300単語にもなるもので、訳すのに二の足を踏んでいたけれど、「内脚 スキー」の検索結果に、ここのBlogがGoogleで2番目、Yahooではトップという状況になっていて、毎日かなりの人が来てくれているので、重い腰を上げて訳してみた。これはレーサーのトレーニングの話なので、普段滑るときの「コツ」としては、前に紹介した記事で触れた、Harald Harbのメソッドも役に立つかもしれない

    最新レースターンにおける内スキーの使い方
    http://youcanski.com/en/coaching/inside_ski.htm


    内スキーを積極的に使うことが最新のテクニックの一部となって10年以上たちますが、スキーレース界ではいまだに広く議論が続いており、私が思うには、これはよく誤解されています。一部のスキーインストラクターや、場合によってはコーチさえも、50:50に荷重した「レールターン」を推奨しています。ターン全体を通じての外スキーの支配的な役割にこだわる人たちもいますし、さらには、ターンを始める際に内スキーに荷重することを教える人たちもいます。この記事では私の考える内スキーの使い方を示したいと思います。私は、現在ヨーロッパの数々のナショナルチームのテクニカルコンサルタントを務めているという立場上、この非常に重要な最新テクニックの側面をレーサーやコーチが理解する役に立つべきであるように感じています。

    まず最初に、最新のターンでは上で書いたケースのどれもが使われることがあります。しかしながら、スキーへの荷重の配分をターンのフェイズを抜きしてに話すのは混乱を招きやすいと言わざるを得ません。私がレーサーを教えたり、コーチ法のセミナーを行うときには、かならず内スキーの使い方を、ターンのどこで使われるのかということと絡めて話します。通常はターンの弧を3つの仮想的なフェーズに分けます。

     フェーズ 1 フォールラインの上
     フェーズ 2 フォールライン
     フェーズ 3 フォールラインの後

    私はこの分け方が、内スキーがターンの弧を進んでいく際の挙動を理解する際に、特に有意義なものだと確信しています。たとえば、フェーズ1の始めに内スキーにより大きく荷重するのは完全に良くないことですが、フェーズ3の一番最後の部分ではほとんど必須になります。同じことが50:50のアプローチでも言え、これは中程度の斜度での浅いターンのフェーズ3ではとても有効なものです。言い換えれば、効率的な動きのパターンを作り出すには、一つの内スキーの使い方のアプローチにだけこだわるべきではありません。それぞれのフェーズにおける内スキーの役割を理解して、そこに特有の動きを教える必要があります。

    過去のスキー技術と比べた場合、積極的に内スキーを使うことは、効果的な最新の技術のさまざまな要素において間違いなく重要な役割を果たしています。この記事では、内スキーの使い方を主にGSターンで示したいと思います。しかしながら、この技法はスキーレースのすべての種目において同じものです。

    内スキーの使い方に関する技術は、一部のインストラクターやコーチによって頻繁に誤解されているため、我々はジュニアレーサーが内スキーを間違って使っているのをよく見かけます。私の見たところによれば一番よくある間違いは、「均等に荷重された」両スキーを推奨すること(つまり50:50のアプローチ)です。若いレーサー達が両スキー上にガッチリと立って「レールターン」をしてカービングするように間違って教えられています。子供や、さらにはジュニアレーサーでさえ、常にワイドスタンスになったまま、膝と脛を横から横へ動かしてエッジ角をつくり、このようなターンをしているのを、我々全員が見たことがあるはずです。通常このようなタイプの「ターン」は、大きくサイドカットのあるジュニア用のスキーでは簡単に行えますし、スラロームスキーでは特に簡単です。これらのスキーヤーは固まって見え、私に小さなそりが坂を下ってくるのをよく連想させます。典型的には、これらのスキーヤーは中程度の斜度の整地で、下にあるようなずっと平行で同じ深さの溝を描きます。



    さらに悪いのは、彼らの多くがこれを最新のダイナミックなレースターンだと勘違いしているという事です。この幻想は彼らがより長く、真っ直ぐなスキー(FIS規格のGSスキーならいうまでもなく)に切り替えたり、単に急な斜面に移動しただけでたちまち消え去ります。ところが、そのときにはもう手遅れなのです。ターン全体を通じて両スキーに均等に荷重する動きのパターンを身につけたレーサーは、ゲートに入るといい滑りを見せることが全く出来ません。ゲートの中では、このようなレーサーは通常フェイズ2の始まりまでに内スキーに傾いて乗り込んで、外スキーへの圧力を失っています。結果、フェイズ3の弧の少なくとも一部の部分ではかなりずれて滑ることになります。

    もしスキーヤが全体的に良いバランスを保っていたとしても、50:50のスキーへの荷重配分では綺麗な弧を作るチャンスは非常に少なくなります。このアプローチは比較的平らに近い斜面での、浅いターンならいいかも知れませんが、この内スキーの使い方一つだけしか技術の引き出しに入っていなければ、好結果を出すことは出来ません。では、なぜこのような間違いがコーチやレーサーの間でこんなにもよく見られるのでしょうか? おそらく、かれらはゲートの真横で取られた下のスイスのDidie Cucheの写真のようなものを見て、ワールドカップスキーヤーの技術を真似しているからだと思われます。



    この写真ではCucheはターンのフェーズ3を両スキーに荷重して行っています。下の連続写真で著者が示しているように、このフェーズでは内スキーがたわむことは頻繁にあります。



    最後のフレーム(ターンのフェイズ3)では、内スキーは明らかに荷重されていて、少したわんでいます。しかし、これは3フレーム中の1フレームに過ぎません。実際、下から3つ目のフレームではスキーヤーはフェーズ2の完了とともに、著しく少ない内スキーの荷重でフォールラインを抜けており、内スキーは真っ直ぐです。

    それではワールドカップレーサーは毎回のターンでよりスピードを乗せるために、どのように内スキーを使っているのでしょうか?
    一般的に、ワールドカップスキーヤーはフェーズ1における外側と内側のスキーの荷重の配分の割合を80%:20%から70%:30%くらいに保ちます。この割合はターンの弧の中で変わってきます。通常、良いターンは、下で著者が示しているように、フォールラインの上で外スキーに90%近い荷重で開始されます。



    ターンは上から2番目のフレームではじまります。この時点では内スキーは非常にかるく、ほとんど雪から浮いています。スキーヤーがフェーズ1を進んでいくにつれて、荷重はより内スキーに移動していきます。フェーズ2でフォールラインに入るころには、下の連続写真で見られるように、内スキーはさらに荷重を持ち、単に横方向のバランスを保つためだけでなく、フェーズ2とフェーズ3でカービングで弧を描くのに実際に貢献するようになります。



    レーサーがフェーズ3の完了の時点でこれよりもさらに内スキーに荷重を移すのは珍しいことではありません。典型的にはこれは、上でHermann Maierが見せているように、ターンの終わり(つまりフェーズ3の完了時)を直線的にして、弧からはずれ、加速して出て行くために行われます。

    これらのターンのフェイズは通常違う長さになります。それぞれのフェーズの長さは斜度のきつさやターンの形で変わってきます。斜度がきつければきついほど、ターンが丸ければ丸いほど、スピードを保つためにフェーズ2と3は短くなる必要があります。緩斜面から中程度の斜面での、大きく長いターンでは3つのフェーズの長さはほぼ同じになります。この特定の状況でのみ、両スキーの荷重の割合はターン全体で50:50に近くなります。GSやSuper-Gでのこの特定な状況が、一部のインストラクターやコーチに、すべてのターンで内足がどのように使われるべきかの基本的なテクニックだと誤って理解されているものです。

    斜度が中程度からきつい場所での通常のターンでの、スキー間の荷重のおおよその割合は下のようになります。



    上のMaierの連続写真で見られるように、フェーズ3が完了する時点におけるこの割合は、内スキーにより荷重を移動させる方向、外60% 内40%かそれ以上までに、変わり得ます。これはとても頻繁に誤解される最新技術の一面です。詳しい説明は下になりますが、荷重の配分のパーセンテージが文字通りに取られないことを希望します。これはおおよその仮の数字であって、現実には下のオーストリアのRainer Schoenfelderが見せているように、圧力は両スキーがターンの弧を進んでいくのにつれて移動していきます。



    この連続写真ではレーサーはターンの全体を通して両スキーを常に雪面につけています。Schoenfelderはゲートに近寄るにつれて徐々に外スキーから内スキーに荷重を移しています。不躾ですが、彼のスキーは、両スキーにターン全体で同じだけ荷重しているジュニアレーサーとは違うシュプールを描くであろうと言わせていただきます。上であげたように、彼らはこういうシュプールを残します。



    ワールドカップレーサーの残すものはこのようなものになります。



    私はこういうシュプールが、ジュニアレーサーがある程度きつい斜度の場所を滑る場合にも残されるべきだと考えます。私の意見では、レーサーの残すシュプールを調べるのは、彼らの技術を分析して、洗練させるのに非常に役に立ちます。ワールドカップスキーヤーのシュプールを調べると、内スキーの残すシュプールはターンの最後、次のターンが始まる直前に深く(あるいは雪によっては広く)なるのに気が付きます。

    詳しく見ると、フェーズ3においてシュプールが平行でなくなっているのも明らかになります。なぜこれが起きるのか?おそらく答えは下のフィンランドのKalle PallanderがBeaver CreekのGSコースの、斜度がきつめのセクションでGSターンをしている写真で示されるでしょう。



    Pallanderはコースが要求するある程度丸いターンをしています。これはGSコースで見られる最大級に丸いターンでは全くありませんが、このターンでさえも相当な圧力を外スキーに作っており、板はフェーズ2の完了(下から4番目のフレーム)からフェーズ3(下から2、3番目)に入るところでずっとたわんでいます。ゲートを越える辺りでは外スキーが内スキーに比べて相当に多くたわんでいるのはあきらかです。結果、外スキーは内スキーよりきつい弧でカービングすることになりまず。これが、結果的に平行でないシュプールを生み出します。この著者の実演でよりはっきりと見えるかもしれません。



    均等に荷重を分配する事の支持者の一部は、スキーが平行でなくなることを「積極的な内スキーの舵取り」で避けることにこだわります。それはゆっくりの「レールターン」ではやれますが、レーススピードでのダイナミックなターンではほぼ不可能です。また、単純にそれは不必要ですし、実際には過剰に丸い弧を描くターンになるために非常に遅くなる可能性があります。もしレーサーがそのような弧を綺麗に描くことが可能であったとしても、ターンごとにスピードを失うことになります。フェーズ3でスピードを保ち、あるいは加速さえするために、ワールドカップスキーヤーはターンの終わりを直線的にします。別の言い方で言えば、フォールラインに対して45度辺りでターンから外れることを可能にする、下が加速して伸びた、コンマ形の弧を描きます。ここでHermann Maierが示しているように、それはフェーズ3が完了する時に外スキーから内スキーに荷重を移動することで行われます。



    上から3番目のフレームで、外スキーは、ほとんど真っ直ぐを向いている内スキーに比べて小さな弧にがっちりとはまっています。この時点でもし外スキーに荷重し続けると、横に移動しすぎて減速することになります。その代わりに、Maierは外スキーから、望む方向に彼を連れて行ってくれる内スキーに荷重を移動しています(最後のフレーム)。この動きはワールドカップレーサーによって良く使われますが、タイミングが少し難しいことがあります。もし荷重が内足に移されるのが遅れれば、レーサーは斜面を横切って遠くに行き過ぎてしまって、次のゲートを攻めるのが難しくなります。もし内スキーが少し早く荷重されれば、次のゲートに真っ直ぐ向かいすぎてしまうかもしれません。その場合はラインを修正する必要があるかもしれませんし、そうなるとレーサーのスピードに影響が出ます。そのため、適切な内スキーの荷重のタイミングをまずフリースキーで身につける必要があります。

    もう一つすばらしい、しかしそれほどあからさまではない、実演がやはりHermann Maierによってしめされています。イタリアのBormioの、とても急なコースでのGSターンです。



    この連続写真の最後の2フレームが、内スキーの使い方においては一番興味深いものになります。下から2番目のフレームはフェーズ2の非常にダイナミックな完了を示しています。両スキーがフォールラインで弧の一部を描いています。外スキーの方が明らかに大きく荷重されており、非常にたわんでアーチを描いています。正直なところ、フォールラインでこれだけスキーをたわませられるスキーヤーはワールドカップにもそれほどはいません。内スキーもフェーズ2(下から2番目のフレーム)で荷重されていますが、はっきり少ないたわみ方でかなり少さな荷重であることがわかります。荷重の配分の割合は70:30で外足といったところでしょうか。これだけ急な角度だと荷重配分は普通よりもたかく、80:20までに届くかもしれません。

    フェーズ2の中ごろまでは外スキーに圧力がかけられ、フェーズ3のはじめ(最後のフレーム)ではそのスキーのテールに圧力が移動しているのに注意してください。同時に、Maierは内ブーツのタンの圧力を保つか、増やしており、内スキーの前に圧力をかけることになっています。つまり、荷重は単純に外から内へ動くのではなく、外スキーのテールから、まだ真っ直ぐ進んでいる内スキーの前へと動くことになります。フェーズ3の中間(最後のフレーム)での配分は60:40くらいになり得ます。荷重移動はフェーズ3を出るまでに終わることになります。下のMaierの写真で見られるように、この時点で、一瞬、配分は40:60で内スキー荷重になります。



    そのため、「新しい」ターンのフェーズ1の最初までには、レーサーは完全に真ん中に乗りなおしたポジションを取ることができます。もちろんこれは完璧な場合のシナリオですが、内スキーの使い方の微妙な部分を理解することになしに、これを行うことは出来ません。ここで示したことが、最新のレースターンにおける内スキーの使い方は単に両スキーを同じだけ荷重することとは違うと言うことを、十分に証明したと期待しています。内スキーの持つ大事な役割は明確だと思います。しかし、適切な内スキーの使い方を教える、明快なアプローチが必要です。私は、一つだけ基本的なドリルを使って私の考え方を示したいと思います。

    ワールドカップレーサー達の技術を調べると、多くの人間がターンに入るとき(フェーズ1の最初)に、ほんの少しだけ内スキーを持ち上げているのに気が付くかもしれません。間違いなく、100%の荷重が外スキーにかかった状態でターンに入っています。この動きは、レーサーがアグレッシブにターンの弧の中に動いていく際に、傾いて内スキーに乗ってしまうことを避けるのを助けてくれます。この技術はMaier、Cuche、Blardone、Raich、Schlopyといった古い世代の人間により多くみられます。彼らはターンの最初に内スキーを持ち上げろと子供のときから習っているのです。今、彼らはその動きを最新の技術の中で使っています。比較すると、若い世代のレーサーは両スキーを常に雪面につけていることが多い。中くらいからある程度の急斜面までなら、他の条件が同じだとすると、このアプローチが速いかもしれません。この技術は現在世界中のジュニアレーサーに一般的に教えられています。しかし、ベテランレーサーのアプローチも無視してはいけません。とくに非常に急な斜面ではそうです。わたしは、内スキーを持ち上げてターンに入るドリルが内スキーを使う技術を身につけるための基本であると確信しています。このスキルを身につける際、適切な内スキーの持ち上げ方と、正しいスキーの置き方、エッジのかけ方に注意を払う必要があります。そのために、一つシンプルなドリルをお勧めします。

    フェーズ1の始まりの直前に「新しい」外脚を伸ばし、内脚を、雪と太ももが平行になるまで縮めます。両スキーは平行で、片方が宙に浮いて、片方が雪面にあります。スキーの先はどちらも先に出さず、真っ直ぐにします。つまり、フェーズ2において典型的な、片脚が伸びて片脚が非常にまがった、大きくたたまれたポジションになります(下のMaierのフェーズ2を見てください)



    それから、内側に向かって傾いていき、内スキーの外エッジがフェーズ2の始まりで雪面に着きます。これは普通に滑ったとき、内スキーに荷重が移るのと同じタイミングで起こります。このドリルが正しく行われれば、スキーヤに内脚を曲げる動きと荷重移動を強調してやらせることになります。このドリルは明らかにスキーヤーの左右のバランスを要求しますし、それを鍛えます。内スキーのエッジが正しい角度で付くことも大事です。よくある間違いは、ただ内スキーを上げて、弧の内側に動くことなく、そのまま平らに足をつけてしまうことです。このドリルで残されるシュプールはこのようになる必要があります。



    このドリルの一つのバリエーションは、内スキーが雪に付くとき、その先を、外スキーの先より少し後ろに下げるというものです。これで体の左右が離れすぎ、結果傾いて内スキーに乗るのを防げます。

    もう一つのバリエーションは内スキーを持ち上げて、その先を外スキーの先に重ねるというものです(ジャベリンターンではありません)。正しくやれば、フェイズ1の開始時に外スキーの先の膨らんだ部分により多くの圧力を与えることが出来ます。どちらのバリエーションをやるにしてもシュプールは上のようになる必要があります。

    これらのドリルのバリエーションと、両スキーを雪につけた普通のターンを組み合わせることで、内スキーを使う体の動かし方のパターンを身に着けることが出来ます。高いレベルにおいては、ゲートの中でこれらのドリルを使うのも良いでしょう。私は内スキーの役割を理解することが、あらゆるレベルのコーチやレーサーにとって必要だと確信しています。この記事が多少ともその役に立つことを期待しています。



    「ターン後半で山脚荷重にしてから切り替える」というのは、US Ski Team元ヘッドコーチPhil McNicholがキャンプで言っていたことと同じで、紹介されているドリルもUp and Overと同じものだ。レーサーやコーチ同士でも意見の違いというのはあるし、時には人によって全く逆の事を言っていることもあるけれど、上手い人のほとんどがやっている「基礎」の動きがあるとすれば、これは間違い無くその一つだろうと思う。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/05(火) 11:23:47|
    2. 内脚の使い方
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2

    プロフィール

    Rockface

    Author:Rockface
    コロラド在住
    スキーパトロールはじめました

    最新記事

    最新コメント

    最新トラックバック

    月別アーカイブ

    カテゴリ

    未分類 (15)
    内脚の使い方 (2)
    カナダスキー教程 (7)
    インタースキーでの日本 (3)
    北米スキー生活 (5)
    北米スキードリル (7)

    検索フォーム

    RSSリンクの表示

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード

    QR

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。