Rockface

    スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    1. --/--/--(--) --:--:--|
    2. スポンサー広告

    切る! Edging ドリル - その1

    前回の記事ではPivotのドリルの発展を紹介したけれど、記事の最後に、アメリカのベストセラースキー教則ビデオの著者で、元ワールドカップ選手、元PSIAデモのHarald Harbが、「PSIAがRotaryを非常に重視していることに一言以上あるようだ」、と書いた。実は彼のメソッドであるPMTSでは意識的にPivotすること(を教える事)を完全に否定していて、ターンは「スキーを横に傾けること(=Tipping)で行う」としている。この「Pivotを教えないこと」と「スキーを傾ける事でターンすること」は、実際綺麗なカービングターンを教える上で効果的に働いているように見えるし、彼の批判者達も、彼のメソッドが良い方法の一つであることは大概の場合認めている。

    PivotはUSSAでは技術の4分類、カナダのCSIAでは5分類の一つで、確実に重要なものだと思う。Pivot Slipsなんかはよく効くので自分でもやっているし、Copper MountainやLovelandといった、ワールドクラスのコーチたちも教えているスキー場でジュニアレーサー達がPivot系のドリルをやっている姿もよく見る。けれども、それはまだ技術全体の1/4、1/5だったりもする。もしあなたがアメリカのジュニアレーサーに「どうやって滑るのか?」あるいは「どうやってカービングするのか?」と聞いたとしたら、手を両膝に当てて膝を入れながら両スキーを横に傾け、「こうやってスキーを傾けて…」と答えるかもしれない。彼らはそうやって教えられているからだ。

    エッジングというと、スキーを回してエッジをかける事という意味で使う人がいるけれども、スキーを回すのは前回紹介したように、Rotary/Pivotの動きで、Edgingとは純粋にスキーとブーツを雪面に対して横に傾けることを言う(もちろん両方が同時に使われることも多い)。

    USSAのSkills QuestではこのEdgingを評価するドリルとして、まずOutside Ski Turnsをあげている。



    これをずらして回してしまうとPivot/Rotaryになってしまうので、あくまでカービングで真横に倒れるようにやらないとEdgingのドリルとしての意味は少なくなる。いきなりこういう完全なカービングを、それも片足で出来れば誰も苦労はしないので、ここにいたるまでのEdgingのドリルも、もちろんたくさんある。

    良く見られるのがPSIAでいうCarved Uphill Arc。



    これはPSIAではLevel 1でテストされるもので、前にあげたカービングの練習法でのオーストリアのメソッドとほぼ同じだ。比較的ゆるい斜面でエッジをしっかりたて、絶対にずらさないで山に向かって切れ上がって止まるというもの。両膝に手を当てて山側にしっかりと入れ込んでやるバリエーションをジュニアレーサーがやっているのも良く見かける。

    また、PSIAではその上のLevel 2でRailroad Tracksというものをやっている。



    ほとんど平ら位のなだらかなスロープで、同じように絶対にずらさないで左右に浅くターンをするというもの。カナダスキーコーチ協会のドリル集ではFUNdamental(楽しい基礎)の段階でRollerbladeとして紹介されている。個人的には腰に手を当てながらこれをやって(カナダのメソッドで言うHands All Overのバリエーション)カービングを覚えたけれど、斜面とも呼べないくらいのなだらかなところで、両スキーを絶対にずらさないことに集中してやるのがコツだ。

    カナダのドリル集にはこれをやる際の注意点として、綺麗な2本線を残すことに集中すること、脛に圧力を感じ続けること、があげられている。

    他にも、これは地元では見かけたことが無いので自分でやったことは無いけれど、おなじFUNdamentalのレベルでのドリルとして、Power Plowとか

    Ski exercise -power plow for edging from bobbys tool box on Vimeo.



    カナダのドリル集での説明:

    ハの字のポジションで、完全にエッジを立てたスキーの上でフォールラインから完全な弧をかくターンを繰り返す。肩と腰は下を見続け、手はバランスを取って前に、ストックを付くこと。(上の動画ではこの説明より比較的大きく回って体も最後は回っていっている)

    • わき腹から横に曲がって、外足に向かってわき腹がギュッとなったポジションになるように。
    • 安定した上半身とを保ち、ストックをしっかり付くように。



    Spaghetti Legsなどがあげられている。(埋め込み出来ないのでリンク)

    http://www.canfreestyle.com/wiki/spaghetti-legs/?doing_wp_cron=1385158411.8237779140472412109375

    カナダのドリル集での説明:

    膝をつけたり(X脚)離したり(O脚)して、雪に砂時計型のシュプールを残す。

    • 色々なやり方を試して、綺麗なシュプールを残すように(出来るだけ雪が飛ばないように)



    前回紹介した動画でBodeが言っていたように、カービングで「重要なのはエッジを雪に奇麗に噛み込ませ、ダイナミックなターンの間中その上に立ってバランスをとる能力」で、その際「左右のバランスは必須の物になる」。Skills Questの最初のエッジングドリル、Outside Ski Turnsは、バランスも発達していなければ出来ないけれど、そこにどうやって持っていくかの方法もあげられている。次回はSkills QuestのEdgingセクションの紹介をしたいと思う。
    スポンサーサイト

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/11/23(土) 10:49:55|
    2. 北米スキードリル
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0

    ずらしの発展 - Pivot系ドリル

    今、日本のスキー界では「ズラし」が熱いらしい。乗るしかない、このビッグウェーブに! …古いな(笑)

    実は、前にあげた、アメリカのUSSAでも、カナダのCSIAでも、「ズラし」という技術は無い。いや、もちろん無いわけは無いけれど、技術の分け方としてそういう分類はしていなくて、主にRotary(カナダ)やPivot(アメリカ)=回旋、と、Edging=エッジの角度のコントロール、とが混ざった物と捉えている。

    アメリカのジュニアレーサーのトレーニングプログラムである、Skills Questでも、Pivotのドリルはいくつか出ている。ただ、Skills Questはフェーズ3でも滑走週3-4日、年間70日という、完全にスポーツとしてやっているレベルの物だし、あくまで評価の基準なので、あまりきめ細かくバリエーションが無い。ここでは、アメリカのスキー教師協会である、PSIAが何をやっているかも絡めて紹介したいと思う。

    PSIAはアメリカで一般の人にスキーを教えるスキー教師の団体だ。教える資格はLevel 1からLevel 3までの3段階あって、大体1が初心者を、2が中級者を、3が上級者を教えるという具合。そのLevel 1の試験で出るのがこれ。




    Side Slip、いわゆる「横滑り」だ。最初の説明では「フォールライン(真下)に直角にスキーを向けて止まった状態から、エッジを緩め、真下に向かって数メーター滑った後止まる。両方の向きでそれぞれ行い、上半身と骨盤より下の下半身の分離を見せる事。」と、ある。途中の字幕は

     「スキーは真下にずれていく」

     「両スキーは中心からしなる」

     「両スキーが同じようにずれる」

     「山スキーは谷スキーより前に出る」

     「両スキーは常に平行」

     「関節はバランスが取れた形で曲げられ、重心を、土台であるスキー(Base Of Support)の上に保つ」

     「両脚は、安定した骨盤と上半身の下で回転される(上半身と下半身の分離)」

    となっている。後で出てくるけれど、このとき両スキーをぴったり付けず、肩幅(腰幅)程度の、自然に動きやすいスタンス(アスレチックスタンス)を保つのもポイントだ。「上半身と下半身の分離」が強調されていて、上半身が完全に真下(進行方向)を向くことも求められ、大事な部分。


    次にLevel 2で出てくるのがHokey Stop。(張りつけ出来ないのでリンク)

     http://vimeo.com/7440961


    今度は直滑降から横滑りに移り、止まるもの。説明は「スキーヤーは直滑降で真っ直ぐ数メーター滑ってから、両スキーを90度回転させて両エッジを同時に立てて突然止まる」と、なっている。

    以下途中の字幕

     「両スキーはフォールラインに直角になるまで同じ割合で回っていく」

     「両スキーは同時に同じ割合で横に傾いて(=エッジ角が付いて)いく」

     「両スキーは中央からしなる」

     「ターンは安定した骨盤と上半身の下で、両脚によって行われる」

     「スキーを横に傾ける(=エッジ角をつける)動きは”足(feet)”と”脚(Legs)”で行われる」

     「体の伸び縮みの動きは徐々に行われ、重心を、土台であるスキー(BOS)の上に保つ」


    これはSkills QuestのSide Slip with Edge Setと、要求される厳格さは違うもののほぼ同じものだ。




    このほか、Level 2にはこれを左右連続してやるLinked Hockey Slipsがあり、(これもリンク)

    http://vimeo.com/7427952


    Level 3になると、前にも紹介した、左右を滑らかにつなげたPivot Slipsが出てくる。




    この際の注意点は上とほぼ同じ。ここでも足は多少開いて、両足(ブーツ)の下を中心にそれぞれのスキーが回転することになる。

    より詳しいUSSAのPivot Slipsの説明を一部訳すと、

     • サイドスリップは6メーター行う
     
     • 大きくスピードを落とさずにサイドスリップした後今度は反対に回して6メーター

     • 左右2回ずつ行う

     • 最後はストックを付きながらエッジを強めてとまり、その姿勢を3秒保つ

    となっている。





    さらにPSIA Level 3ではこれのバリエーションとして後ろを向くものや





    横を向いた状態からジャンプをして真下を向いて着地、そのまま回していくものなどもテストされる。




    またSkills Questではフェーズ4で、Side Slip to Straight Run to Side Slipという、ピボットを途中で一旦とめて直滑降を混ぜるバリエーションをあげている。




    上のLinked Hockey Slipsとの違いは、ここではサイドスリップの際にスピードを落とさないことが求められている事。荒れた雪面でこれをやっていて、逆エッジを食らって谷側にたたきつけられたことがあるけれど、それくらいの薄いエッジのかけ方が必要だ。ちなみにその時はしばらく悶絶して人が集まって来ることになったので、そうならないように気をつけよう(笑)

    どのように行うかは下のように規定されている。

     • 圧雪された中斜面でおこなう

     • 直滑降から始める

     • スキーは腰の広さに保つ

     • 10メーター滑ってスピードに乗った後、両スキーはフォールラインに90度まで回される

     • そのまま大きくスピードを落とすこと無しに、6メーター真下にサイドスリップ

     • その後直滑降に戻って6メーター、逆方向に回してサイドスリップ6メーター

     • 4回目のサイドスリップでエッジを強めて、ストックを付きながら止まり、そのまま3秒静止


    実際やってみると、板の中央のいい位置に乗り続けていないと綺麗に回らない。最初に書いたように、Pivot (Rotary)とEdgingのトレーニングとして行われているという事がよく分かる。


    最後に、今までのドリルの流れとは違うけれども、前にパトロールのトライアウトでもやらされた、木の葉落としのドリルとカービングのターンとの関連をBodeとPhilが見せているビデオがあるので紹介。



    Phil 「今回のエピソードではカービングターンを扱う。それにはプレッシャーコントロールとエッジングが必要になる」

    Bode「カービングになると、すべての事がもう少しダイナミックになってくる。1本のエッジに乗るのでバランスがもっと大事になってくるし、左右のバランスは必須の物になる。ここで最初に話す前後のバランスも同じように大事だが、一番重要なのはエッジを雪に奇麗に噛み込ませ、ダイナミックなターンの間中その上に立ってバランスをとる能力だ」

    ナレーション「上体の動きはあなたが奇麗なカービングターンをマスターする上で非常に重要な物になる。ボーディーがターンをする際の前傾がわかるだろうか」

    Phil「ターンに入る際、スキーのシャベル、つまりスキーの先のサイドカットが広がっている部分、に向かって立ち上がる。この部分は同時に柔らかくなっているのでスキーがしなり、サイドカットがターンの弧を内側に引っ張ってくる。ターンを抜けて行くに連れて、自然に踵の方に押される感じがするだろう。これが自然な動きだ。ターンを前で始めて… 踵に向かって少し押される。ここでやるべき事は(後ろに動きながら)これに耐えて(前に動きながら)これを積極的にやる。(もう一度後ろに動きながら)これに耐えて(前に動きながら)これを積極的にやる」

    ナレーション「ボーディーが木の葉落としの練習をやるのを見てみよう。この練習はエッジのかけ方を理解して、奇麗な弧を描いたターンをするのに非常に役にたつ」

    Phil「重心を前に移動して、今度は後ろに。微妙な動きだ。スキーがどのように反応するか、どこにバランスポイントがあるかを掴め」

    ナレーション「前後の動きを色々試してみよう。(実際にターンをする時には)一般には後ろへの動きには耐えることになる」


    このように、「ズラし」と「カービング」という対極にある2つの別の技術ではなく、ピボット(回旋)とエッジング(それにバランスやプレッシャーコントロール)という技術があり、それらを適切に使った結果、カービングを含めたレベルの高い滑りが出来るようになると捉えられていて、上に挙げたPivot Slipのバリエーションは、そのうちの主にピボットの分野のドリルだ。

    今シーズンは日本にズラシのビッグウェーブ(笑)が来るようなので、Side Slip、Pivot Slip系のドリルの発展をまとめてみた。USSAの4技能の1つ、ピボットはこれだけでもかなり押さえられると思う。PSIAはピボットをかなり重視していて、Harald Harbはそれに一言(以上)あるようだけれど、その事に関してはまた次の機会に。

    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/11/13(水) 08:47:21|
    2. 北米スキードリル
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:0

    プロフィール

    Rockface

    Author:Rockface
    コロラド在住
    スキーパトロールはじめました

    最新記事

    最新コメント

    最新トラックバック

    月別アーカイブ

    カテゴリ

    未分類 (15)
    内脚の使い方 (2)
    カナダスキー教程 (7)
    インタースキーでの日本 (3)
    北米スキー生活 (5)
    北米スキードリル (7)

    検索フォーム

    RSSリンクの表示

    リンク

    このブログをリンクに追加する

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード

    QR

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。