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    適切な外向傾の作り方 - How to skin a cat.

    「外向傾を全く取らないのは駄目」というのが、世界のワールドカップ選手やコーチ、スキー教師の間で共通した認識なのは今までのエントリーで書いてきた。だけど、「外向傾は0」というのは簡単でも、「適当な外向傾の量」を示すのは難しいし、人によっても意見の分かれる部分だ。

    今まで紹介してきたようなコーチやスキー教師はどう言っているだろうか。以下は主にカービング大回りでの話。


    最初に、元US代表選手で、ベテランレースコーチのRick Schnellmann
    http://www.yourskicoach.com/YourSkiCoach/Skiing_Into_Counter.html

    Q:どのような場合に受動的に外向に入って行き、どのような場合に積極的にターンの最初に外向を作ればいいでしょうか?
    (訳注:”外向に入っていく”というのは、体を谷に向けたまま、ターン前半は内向、板が下を向いたときに正対、後半は外向という滑り。ここではその前半の話。)

    A:ターンの最初に骨盤を移動させ外向をつくると、外傾を作り、外脚の上でバランスを取るのがすごく簡単になります。遅いスピードでのターンや、ターンがシャープにフォールラインを超えてスキーヤーの向きを大きく変えるような場合は、ターン最初で左右へのバランスを上手くとりやすいという事には大きな価値があります。
    スピードが高い場合は、慣性のおかげでターン初期での左右のバランスをあまり気にしなくても良いので、(ターンの初期に谷を向いて)”外向に入っていく”方法がより適切な方法になります。スキーヤーがターンの最後で比較的谷の下を向いたターンを繰り返す場合も、左右のバランスがとりやすいので、この方法が適しています。

    ”外向に入っていく”事が可能な場合、これはとても効果的に体を使える選択肢となります。腰をわざわざ外向させる動きがなくなるわけですから。体は下向きの方向を保ったまま、スキーが回ってくるのを待つことになります。しかし、これはちゃんとやるのが少し大変な方法となります。なぜなら、ターンの前半で体を捻った体勢になり(先行動作)、前のエッジを外し始めた瞬間にスキーが勝手に回ってこようとするからです。高い技術のあるスキーヤーにしか、スキーが回って来ることをコントロールして、綺麗なカービングターンを行うことは出来ません。

    ”外向に入っていく”ことの問題点は、ターン初期の外向が無いことにより、外足を親指側に傾かせ新しい外スキーに圧力をかけていく力が存在しないことです。スキーヤーはターンの上半分を、外向を取った場合に比べ、あまりしっかりと(雪面と)噛み合わずに通過することになります。このため、両方の滑りが出来るスキーヤーの一部は、ターン初期で外スキーがしっかりと噛んだ、安定した感覚を経るために、自分から骨盤を外に向けて外向を取ることがあります。

    両方試して、それぞれの感覚を比較してみましょう。



    次に、元チェコ/スロバキアチームのアルペンオリンピックチームキャプテン等、USSA認定コーチの集まりのスキーコーチング会社、Modern Ski Racingの記事
    http://www.modernskiracing.com/HipsForward.php

    よく、内足を引いて腰が前にあるポジションを保てと言っているのを聞きます。疑いもなく、我々は内足がターンの先に凄く出て行って、トランジション(切り替え時)にポジションが後ろになった、受身のポジションでターンするようなことになりたくない。とはいえ、内足を後ろに引きすぎて体が自然の力学の結果起こそうとする動きをブロックするようなことにもなりたくありません。つまり、少しの外向が出来るように、多少の内半身の先行を作ることです。この動きのより良い見方は、ターンで片足が長く、片足が短い体勢を取る際に、内足の踵を体の下にたくし込むということです。これにより、内足をあまりにも引きすぎて、外向とその後の連鎖的な動きを邪魔することを防ぐことが出来ます。内スキーの先行の量をコントロールすることが必要なのは疑いありませんが、それが実際になくなることはありません。体が適切なバランスを保つのに必要だからです。



    続いて、各国のナショナルチームと仕事をしているというロシア人コーチGreg Gurshmanの所属する別のコーチング会社youcanski.comによる、オーストリアコーチングメソッドの紹介
    http://www.youcanski.com/en/coaching/austrian_coaching.htm

    編集者ノート:上の写真から、一見どちらのレーサーも、特にフェーズ2(ターン開始)とフェーズ3(ターンマキシマム)において、大きなティップリードを示しているような印象を受けるかもしれない(内スキーが外スキーよりも大きく先に出る)。私達はこれらのアスリートはわざと内スキーを前に押し出したり、腰を逆回転させたりしてこの状態を作っているのではないと強調したい。ティップリードはこれらのトップレーサーの非常に高いエッジアングルのために自然に起こるものである。このような極端に高いエッジアングルを取るためには、外側と内側の足の大きな左右方向の距離を必要とし、それが結果として前後のスキーの距離を生むのである。(人間の膝は曲がると前に出るという単純な解剖学的な事実により。たとえばバッタであれば逆ティップリードが生まれる)



    さらに、元ワールドカップ選手、元USデモのスキー教師Harald Harb。最初のRick Schnellmannによる、外向のデモンストレーションを批判する内容。1番目の写真がRick Schnellmann。
    http://www.pmts.org/pmtsforum/viewtopic.php?f=1&t=3232



    これはカウンターアクティング(適切な外向傾をとって良いバランスを保つこと)ではない。これはカウンターアクティングを示そうとしたものだが、わざとやっていて、過剰な内スキーの先行のある、後ろに座ったようなポジションになっている。外脚のヒザが内脚のヒザの後ろに落ちており、外脚のヒザは山に向かって入れこまれている。これは腰の落ちたパークアンドライド(ポーンと後ろ気味のポジションに入ってそのまま固まって曲がること)だ。どんな意味でも実用的ではない。



    こちらが実用的なカウンターアクティングだ。全く違う。彼はスキーの上にたって、スキーをたわませており、バランスが取れている。

    2枚の写真を比べよう。上の写真をみると、彼はカウンターアクティングを見せようとしていろいろなことをやっている。内スキーを前に押し出し、腰を捻り、足(ブーツ)を傾けていない。彼のスキーはほとんどエッジが立っていない。体はスキーのアングルと並んでいない。彼はバランスが取れた良いターンを見せることよりも、わざとらしくカウンターを見せることに集中している。どんなに切実に何かを見せたいとしても、ターンの質を犠牲にするべきではない。誤解を招くからだ。



    最後に、Ski Racing誌に時折寄稿しているレースコーチRon LeMaster。オリンピック金メダリストDidier Defagoと世界選手権金メダリストDidier Cucheのダウンヒルレースでのターンを比較して。
    http://ronlemaster.com/skitechtoday/blog/2010/10/09/more-than-one-way-to-skin-a-cat/

    Cucheの腰と上半身はターンの外側に向けられ、英語で「Countered Stance」と呼ばれる体勢になっており、大きな腰からの外傾が見られる。Defagoの体勢はかなり違っている。彼はアメリカ人が「Square(正対)」とよぶ少ししか外向を取らない構えを取っており、著しく少ない腰からの外傾を使っている。さらに、彼は外スキーのエッジをコントロールするために(膝)からの外傾を多く取っている。(訳注:”膝”の部分は脱字だが、彼の普段言っている事や、通常AngulationにはHipとKneeしかないという事から考えて、ここは間違いなく膝からの外傾だと思われる。)
    二人のアスリートの構えの違いは、主に体つきの違いから来ている。174cm 89kgのCucheは体重に比べて背が低い方だ。Defagoは10cm高いが、1kg重いだけだ。腰からの外傾の目的は、スキーヤーが外足に体重を乗せ、エッジが鋭く立っている局面で、外脚の大たい骨の股側の付け根の上で重心のバランスをとることである。そのためには、上半身と比較して、体の中心部分に重さが集まっていれば集まっているほど、より大きな外傾を取ることが必要になる。外向の目的は、臀部と太ももの筋肉を、スキーヤーと雪との間に働く力に対して最適な形に並べることである。通常は、身長に対して腰が広いほど、より強い外向が必要になる。結果として、Cucheの背の低く、ガッチリした体つきがより大きな腰からの外傾と外向となって現れ、Defagoの背が高く、狭い腰の体つきは正対した構えを要求する。

    もう一つアスリートが技術を選択する際に大事な要素は、その個人が最初にどうやってスキーを習ったかである。スキーで良いターンをするためのやり方は一つではなく、発達段階で磨いた技術が、スキーヤーが最高のレベルに到達したときに一番効果的なものになることが多い。アメリカにこの場合にぴったりなことわざがある。「猫の皮を剥ぐやり方は一つではない」というものだ。スキーの話でいえば、CucheとDefagoがここでやっているように、2人の人間が、同じ事を違うやり方でやりつつ、どちらも優れたスキーヤーでありうるということである。



    大まかにいえば、外膝が内膝の後ろに入りこむほど大きく体を開くのではなく、体が有効に使えないほど無理に内足を引き付けるのでもない、というところだろうか。その範囲であれば、大きく作る方法と作らない方法のそれぞれにメリットがあるし、個人の体型によっても適切な量は変わってくるということだ。感覚的な話も人それぞれの部分があるだろう。個人的な話をすれば、骨盤の左が前に出ているとカイロプラクターに言われて(目でみてわかるほどではないけど)、普段足を組む方向を変えたり、Pivot Slipを重点的にやったりして直したんだけれども、その前には、カービング大回りの場合、左ターンはターン半ばで内足の踵を体の下に引き付けて、右ターンはターン前半で骨盤の内側を意識して前に出すのが良いターンになっていた。

    良く聞く「スキーの前後差を無くせ」と言う様なアドバイスはもちろん有効な事もあるだろうけれども、物理的に本当に前後差がなく、本当に外向の無い滑りと言うの通常しないし、人次第、状況次第で必要な事は逆だったりするわけで、あまり画一的な流行にとらわれず、自分に最適な方法をさがすのが良さそうだ。

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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/02/08(金) 09:32:31|
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