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    カナダスキー教程 - イントロダクション・エントリーレベル

    少し前に、スキーは小学生のときに滑ったきりという、ボーゲンがやっとの女性を教えることになった。普段人に教えないので、どうやって教えたものか全くわからない。Harald HarbのPhantom Moveは、普段はハイヒールしか履かないという、運動自体何年もしていない女性には無理だろうしなあ… とりあえず前をボーゲンで滑ってリードして、「左に曲がるときは右にじっくり体重かけてー 右に曲がるときは左にー そうそう、良いねー」 とやっておいた。まあ大方そんなもんで良いんじゃないかと思うけど、プロはどう教えているのだろう。今回は前回のレース志向の記事からガラッと趣向を変えて、海外のスキー教師の指導法を紹介しようと思う。

    カナダという国がある。アメリカと同じような国ととられることが多くて、確かに英語圏(カナダにはフランス語圏もある)の言葉はほとんど同じなんだけど、社会システムや文化は結構違ったりする。社会保障の手厚い、ヨーロッパ的な部分のある国だ。

    そのカナダのスキー教師協会CSIAのサイトは、無料でさまざまなリソースを提供していて、そのなかに最新のカナダのスキー教程もある。本も映像も丸々そのままだ。

     
     付属の映像

    覗いてみると、まずインストラクターとしての適切な行動、コミュニケーションのとり方、グループの心理、安全確保の方法、などが具体的に示されている。カバーする範囲も、スキーの履き方から始まって、レース用からロッカーまでのスキーの選び方や、夏季のトレーニング、雪崩対策まで広範囲にわたっている。また、子供に対する配慮なんかも、心理的なものから、体の発達の順序まで、具体的な話に丸々1章が割かれている。なによりまずは「インストラクター」として適切な行動、発言をすることと、どうやってお客さんに安全に楽しんでもらうか、どうやって集団を把握するか、というところに非常に重点がおかれている感じだ。不適切なインストラクターの行動は本部にレポートする事として、対応する専門の部署の連絡先も書いてあり、30日以内に調査して対処するとされている。

    技術的には、全くの初心者からなんとかパラレルが出来る位までのレベルには"Fast Track to Parallel"という5段階に分かれたメソッドが使われている。

    第一段階 Mobility=動けること。ブーツだけ履いてその場で跳ねたり、スキーを履いて歩いたりと、まずはブーツやスキーをつけて「動く」ことを教える。


    第二段階 Sliding=滑る。斜面とはいえないくらいの場所で、片足ずつ上げて前にちょこっと滑ったり、スケーティングしたり、スキーが「滑る」ことに慣れる。


    第三段階 Stopping=止まる。真っ直ぐボーゲンをしたり、出来る人間はHockey Stop=アイスホッケーのように足をそろえてガッと横になって止まったりする。


    第四段階 Turning=曲がる。ボーゲンで真っ直ぐ下を向いた状態から片方にまがる。この際、谷スキー(外スキー)の上に乗り、腰からくの字を作ることを強調する。


    第五段階 Linking=つなげる。左右両方に曲がれるようになったら、谷スキーのエッジを外して外スキーの上でバランスをとるように動いていく。下半身の動きで曲がるように。足を回して、外スキーの上でバランスをとるようにすれば、多くのスキーヤーが「パラレルになることがある」位になるとされている。


    それぞれの段階でTactics=戦術として、目標を達成するためのいくつかの具体的なドリルや、Cue=きっかけ(「足の先をターンの進行方向に向けるように!」等の目的の運動のイメージをわかせるような言葉)があげられていて、ドリルは映像でも見られる。



    このメソッドで実際にプロが教えると下のようになる。



    なるほど。手取り足取りすばらしい。さすがプロは違う。だけどこれだけ具体的に教え方が書かれていれば、自分でも教えられそうな気がしてくる。実際経験が無いので、どれだけ効果的かはわからないけれど、代わりにCSIAのスキー教師養成コースに参加したイギリス人のブログ記事をちょっと紹介。フランスのスキー場での話だ。

    で、ディジーが今週スキーを始めた(一日レッスンをミルトンキーンズのインドアスキー場で受けた後 *イギリスにはスキー場がスコットランドの5箇所しかない)。奴はESF(フランスのスキースクール)のインストラクターに日曜と月曜教わって、昨日は休み、今日、俺、嫁、息子と一緒に出てきた。他のメンバーはLes Arcsに出かけやがった。つまり俺が丸っきりのビギナーを教えなきゃいけないって事だ。ところが、俺がカナダで教わった(で、信じちゃいなかった)「Fast Track to Parallel」とかいうたわごとは、なんと実際効く事がわかった。3本目を滑るころにはあのでかぶつをボーゲンから卒業させて、考えこまずに初歩のパラレルをさせることが出来た。コツはたち方とバランスを徐々に直していって、ここだというときに後ろを滑らせてスピードをつけさせることだ。機が熟していれば、これであんまり考えずに勝手にパラレルになる。まるで魔法のようだ。

    ついでに嫁の骨盤を突き出して、立ち方を直すことも出来た。ゲレンデの周りのスキーヤーは俺が彼女に向かって「骨盤!骨盤!」と何度も何度も叫ぶのを見て、面白がっていたようだ。


    なるほど。次機会があったら試してみよう。

    この後、教程は初級、中級、さらに上級と続いていくので、次回はそれの紹介をしようと思う。


    追記:この教程、Canadian Ski Teaching Manualが紙の本で欲しい場合はCSIAのネットショップ
    https://www.snowpro.com/estore/e/
    のPublicationsセクションから購入できる。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/07(木) 09:49:17|
    2. カナダスキー教程
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