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    カナダスキー教程 - 5 Skills

    今回は、CSIAスキー教程による、スキーの滑り方を考える際の5つのスキルと3つの基本的な能力について紹介する。4章p72からp86になる。

    カナダのスキーレース連盟CSCFでもこの5つのスキルという考え方をしていて、これをベースに、技術の分析や練習の組み立てをしている。アメリカのスキースノーボード連盟USSAでは、これのタイミングとコーディネイション以外の4つとほぼ同じ分け方になる。


    様々なスキーのスキル

    スキーの滑り方は5つの基本的なスキルを使って分析し、発展させることが出来る。

    • スタンスとバランス
    • タイミングとコーディネイション
    • ピボット
    • エッジング
    • プレッシャーコントロール


    基本的な能力:
    5つのスキーのスキルを使うことで、3つの基本的な能力が現れる。これらは効率の良い滑り方を発達させ、クライアントが良い結果を出せるかどうかを決定する。

    1 スキーの中心にのった、動きやすいスタンス

    中心に動きやすいように乗っているか? あるいは固くなって不安定か?


    2 下半身で回る

    下半身で回っているか? それとも腰と肩を行きたい方向に捻っているか?


    3 エッジ上でのバランス

    エッジは雪を捉えているか? 捉えられずに、スピードとターンの形のコントロールに欠けているか?


    どの能力に注意を払う必要があるか見極めたら、5つのスキルを使って解決策を探そう。たとえば、下半身で回ることが出来ないスキーヤーは、ピボットのスキルを発達させる必要があるだけかもしれない。あるいは、不適切なタイミングとコーディネイションがピボットすることを妨げているのかもしれない。同じように、エッジの上でバランスが取れないスキーヤーはスタンスに問題があるのかも知れず、それは肩を山に向けて傾け、捻っていることから来ている可能性がある。

    3つの基本的な能力というフィルターを通して滑りを見ることで、どのスキルを発達させる必要があるかを見極める事が出来る。ほとんどの場合、スキルは協調して働いていて、一つを発達させることで他のスキルにも影響が出てくる事になる。



    スタンスとバランス:



    スタンスとはスキーヤーの体の各部分の並び方の事だ。良いスタンスは安定して、かつ動きやすいもので、スキーヤーがバランスを調整する事を可能にする。

    バランスとは、スキーヤーが転ばないように神経筋肉系を使用することだ。最適なバランスは、最小の動きと筋力で、重心とそれを支える土台を適切な位置に配置する。

    この2つは他のスキルを使う際の基礎となるものだ。


    スタンスのバリエーション

    スタンスに取り組む際には個人の体のタイプを考えに入れる必要がある。腰の広さや、X脚、O脚は個人個人のスタンスに影響する。ブーツの種類や調整も同様だ。目標は、その個人にとって最大限に動きやすく自然なスタンスを作ることだ。


    スタンスと安定性

    スタンスの広さはスピードと雪のコンディションで変わってくる。固い雪と高いスピードは広いスタンスからくる安定性を必要とする。同じように、ビギナーには広い土台が役に立つ。柔らかい雪では狭い足場の方がコントロールしやすいかもしれない。狭いスタンスはコブや荒れた雪等の素早さが要求される場面でも役に立つだろう。


    バランス - 動的なプロセス

    バランスとは、外界の刺激に対する、常に連続した一連の調整だ。バランスを崩そうとする力が強く多様なスキーというスポーツにおいてはこの意味が特に強くなる。”バランスを保つ”為に、体は内耳から受け取る感覚のフィードバックや、視覚の手がかり、脚の下での圧力の配分の感覚に対して筋肉の動きを使って反応し、骨格を直立させ、また重心を足元の土台によって支えられた位置に保つ。バランスを保つ動きは前後、左右、上下、さらに回転と、すべての方向に働く。

    ビギナーやインターミディエイトのスキーヤーは”考えて”バランスを取る反応をする傾向にある。上級者は必要な筋肉だけを使った自動的な反応を身に付けている。エキスパートは経験からバランスが崩れる状況を予測して、雪や地形の変化に対応する。この事はエキスパートのバランスの取り方を、先手をとった、より正確で効率的なものにする。



    タイミングとコーディネイション:



    タイミングとはスキーヤーが適切な瞬間に適切な行動を起こすことだ。ターンの種類や地形や雪のコンディションはスキーヤーがタイミングを決定することに影響を及ぼす。コーディネイションとはさまざまな運動技能を融合させ、一つの動きを作り出す能力の事だ。これら二つは、スキーヤーが持つ運動能力や運動の経験、スポーツ固有のトレーニングによって大部分決まり、他のスキルを適切に使用する際の鍵となる。


    タイミング = 決断

    タイミングとはスキーヤーが、自分の置かれた状況を解釈して様々なスキルを適切な量と順番で適用することを学んでいく中で、周りの環境にたいして反応することだ。どのような状況においても、スキーヤーは望んだ結果を出すために、動きのタイミングを調整する。このスキーの一面はフリースキーと、指導を受けながら量を滑ることで磨かれる。


    運動のコーディネイション

    空間の感覚と運動能力はバランスを取るための道具である。スキーヤーはゲレンデを滑り降りる動きをコントロールするためにさまざまな動きを調和させる。もともとの運動能力がコーディネイションの能力の大きな部分を占めるが、どのようなレベルにあっても発達させることは出来る。筋肉と感覚が応答する能力を発達させることで、正確に速く反応することが可能になる。ウォーミングアップ、さまざまなスキルを発達させること、重要な動きの繰り返し練習がコーディネイションを発達させる役に立つ。


    タイミングとコーディネイションの発達

    初心者と初級者にとってタイミングとコーディネイションは、動けるようになることとリズムを発達させることから始まる。スピードが上がるにつれ、両スキーのエッジを同時に切り替えることと、エッジと圧力のコントロールのために、体の各部分の動きの範囲を大きくすることが目標になってくる。距離を滑ることによって、体の反応はより速く、自動的になる。やるべきことは感じる能力と決断力を磨くことだ。



    ピボット:




    ピボットとは両脚と両足を使って方向を変える能力の事だ。カービングか、ずらしたターンかに関わらず、下半身がターンをする運動を導く。


    ピボットと方向転換

    両脚を股関節で回転させることは進行方向にクロスするようにスキーを向けるもっとも効率的な方法だ。雪に対してスキーがグリップする力と合わさることで、スキーのターンの弧に向けてスキーヤーは方向を変える。ピボットの結果として上半身と下半身の分離が起きる。


    ピボットとエッジング

    上半身と下半身の分離は、アンギュレーション(外傾)によってスキーヤーがエッジの上でバランスを取ることを可能にする。大腿骨を股関節の中で回転させることで股関節が横方向、ターンの内側へ動きやすくなり、エッジ上でバランスをとる助けになる。


    ピボットとバランス

    脚で回ることによって方向転換を、バランスを崩すことなく効率的にすることが出来る。スキーを腰や上半身のローテーション無しに回すことは、外スキーの上でバランスを取る役にも立つ。



    エッジング:



    エッジングとはスキーの雪面に対する角度をコントロールして、サイドカットの特性を引き出す能力の事だ。エッジングによってスキーヤーは進行方向とスピードのコントロールをすることが出来る。


    エッジングと方向転換

    進行方向が変わるときには、エッジングが行われている。エッジングは雪に対するグリップを提供し、向心力が質量を方向転換させる。エッジングの量は、減速したいのか、スピードを維持したいのか、加速したいのか、またどれだけ素早く方向を変えたいのかで決まる。


    インクリネーション(内傾角を作ること)

    自転車の場合のように、傾く角度はスピードと外からの力、通りたいラインによって決まる。傾きが大きすぎればスキーヤーは内スキーに乗るか、倒れてしまい、小さすぎればターンの弧を維持することが不可能になる。


    アンギュレーション(外傾)

    足首と膝、腰で調整される。体の各部分を曲げることでスキーヤーはバランスをとり、インクリネーションだけで作るものよりも大きなエッジアングルを得ることが出来る。


    ターンの開始 - インクリネーションの傾く向きを変える

    方向転換のために、スキーヤーはインクリネーションの傾く向きを変える。これは土台であるスキーを回すこと及び/または、重心を移動させることで行われる。ボーゲンやシュテムは土台を新しいターンの外側に持っていき、インクリネーションの傾く向きを新しい方向に向ける手段だ。



    パラレルターンでは、この「倒れる」ことは、外スキーの圧力を抜いていくこと、及び/または、それを逆のスキーに移動させることで可能になる。これにより、効果的に重心を支える土台を谷スキーから新しい外スキーに移動させ、インクリネーションの方向を変えることが出来る。両スキーから圧力を抜いていくのも、重心を土台の上を通し、新しいターンの内側へとクロスオーバーさせるもう一つの方法である。ほとんどの場合エッジの切り替えはこれらの組み合わせでなされ、スキーヤーの技術レベルと、目的次第で、受身か能動的、また、同時(パラレル)か順番(ボーゲン)に行われる。


    エッジングとプレッシャーコントロール

    スキーが雪面に平らになっていくと、グリップが抜け、向心力は少なくなる。スキーを慣性で進んでいる方向にクロスする方向にむけエッジを立てると、スキーヤーの質量が動かされ、重さ、あるいは圧力の感覚が生まれる。



    プレッシャーコントロール:



    プレッシャーコントロールとは、ターンの力に対してバランスを取ったり、筋力を使ったりすることで、スキーに荷重したり荷重を抜いたりする能力の事である。これはエッジングと密接に関係しており、ターンの種類や地形によって、どのようなものなのか違ってくる。


    プレッシャーコントロール - 感覚の技術

    スキーを開放したときの浮遊感と、ターンによる力や重力に耐えることからくる重さの感覚とを繰り返すことは、スキーの魅力の一つだ。ターンの力学がスキーヤーの扱う荷重を生み出し、圧力の感覚と、スキーの滑走感を生み出す。スキーヤーは地形と雪のコンディションを予測して反応することを学び、足下の圧力の感覚を発達させていく。


    雪とのコンタクトのコントロール

    体を曲げ伸ばしする動きはサスペンションのように働き、重心を安定した軌道に保ちつつ、スキーを雪面にコンタクトさせ続ける。この動きはインクリネーションの傾きの線に沿って行われる(エッジアングルと直角に)。スキーの跳ね返りが大きくなったり、地形が難しくなったりすると、この効果は大きくなる。


    両スキーへの圧力の配分

    ターンからの力が強くなるにつれて、圧力は自然に外側へと移っていく。谷(外)スキー上でバランスを取るのが、アイスバーンや、高速、急斜面ではもっとも確実な方法だ。ターンとターンの間では、圧力は両スキーにかかる。片方のスキーからもう片方のスキーへと移っていく「重さ」の感覚は、通常徐々に移り変わり、重心の軌道やスキーの滑りを最大限邪魔しないようなタイミングで行われる。


    前後の圧力

    現在のスキーは中央からターンするようにデザインされている。中央より前に多少の圧力をかけてターンを開始することは良いが、あまり掛けすぎるとスキーが回りすぎてしまい、減速する。方向転換や雪の抵抗で突然増加した摩擦力はスキーを減速させ、後ろに引きずられるようにする。この調整は、重心と、それを支える土台であるスキーの、片方または両方を動かすことで行うことが出来る。



    ターンフェイズ:

    ターンフェイズの考え方は、特定の動きのパターンをターンの特定の部分に関連付け、技術の評価と発達のためのものさしを提供する。また、ターンのある部分での問題は、他の部分に影響するため、原因と結果を理解する助けにもなる。ここでは参考の為に1から3までに分類したが、効果的に結果を出せるどのようなアプローチをとってもかまわない。最終的な目標は、連続した、流れるような滑り方だ。


    フェーズ1 エッジアングルが小さくなる



    スキーを雪面に対して平らにしていくことで、次の方向転換を開始する。重心は次の弧に向かった慣性を持っている。スキーのグリップ力が減っていき、体の質量がスキーを横切り、次のターンの内側に入っていく。スキーが平らになっているので、スキーの向きを変えるのは簡単になる。


    フェーズ2 足場を作り、体の各部を並べる



    大きなエッジ角や圧力無しに、脚の回転は続いていく。どれだけスキーがターンするかは望むターンの形と、減速したいのか、スピードを維持したいのか、加速したいのかによって変わる。慣性を維持して、前及びターンの内側に動いていきながら、次の両エッジ上で、自然な上半身と下半身の分離を伴った、中央に乗ったスタンスでバランスをとる。これによってフェーズ3での荷重に備えることになる。


    フェーズ3 - 荷重とコースの変更



    方向転換を終わらせるために、スキーの雪に対するアングルはどんどん高くなっていく。強く安定したスタンスが外からの力を扱うために必要になる。下半身が引き続きまわることを導いていく。アンギュレーションによってエッジングが増え、体重の大部分が外側のスキーに保持される。スキーがたわみ、力が溜まっていくと、そのエネルギーをスピードとスキーの返りを生むために使うことが可能になり、次のターンへと力強く繋げていくことが出来る。


    滑りの種類によって各フェイズを調整する

    • 急斜面やコブでは、各フェーズのタイミングが変わってくる。


    1 エッジを外す動きが速く、しばしば圧力を抜くことによって開始される

    2 スキーヤーの下での積極的な脚のピボットが速い方向転換と上半身と下半身の分離を生む。

    3 スキーの制御と、板の返りを得るために、積極的に自分から回していく。板の返りを作ることは、難しい雪でターンを開始することを楽にし、コブや急斜面でのリズムを作り出す。


    • ターンフェイズは遅いスピードの場合にも当てはめることが出来る


    1 両スキーに同じだけ荷重し、ターンとターンの間で滑らかに滑走する

    2 アンギュレーションと上半身と下半身の分離により、外スキーの上でバランスを取る

    3 外スキーでグリップすることによって、コースの変更が出来る>





    このように、カナダのシステムでは、レジャーでもレースでも同じように、5つのスキルと3つの能力という軸を使ってスキーの滑りを見ている。漠然と滑りを見て、何となく後傾だとか無理に板を捻ってるとか言うのではなく、必要な能力を整理分類して見る事で、必要な物が何で、何をすれば良いのかという事が分かりやすくなると思う。

    次回はアドバンスト/エキスパート=上級編。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/03/15(金) 07:58:46|
    2. カナダスキー教程
    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:2
    <<カナダスキー教程 - 上級 (コーチングメソッド) | ホーム | カナダスキー教程 - インターミディエイト編>>

    コメント

    いつも、素晴らしい記事をありがとうございます。娘が、アルペンスキーをやっていますが、非常に参考になります。しかしながら、何故SAJは、このような普遍的な教程を作れないのか、理解に苦しみます。これからも、よろしくお願いします。
    1. 2013/03/19(火) 21:30:22 |
    2. URL |
    3. ひら #-
    4. [ 編集 ]

    Re: No title

    コメントありがとうございます。頑張って他にも素晴らしい記事を紹介したいと思います。

    海外在住なのでSAJの事はネットでしかわからないのですが、見たところ今年から色々変化があるようで、いい方向に進むと良いですね。

    今後もよろしくお願いします。
    1. 2013/03/20(水) 01:57:20 |
    2. URL |
    3. rockface #-
    4. [ 編集 ]

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