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    傾くか、傾かないか - GSターンでの内傾角

    今までの記事で、何人ものコーチやスキー教師を紹介してきたけれど、その全員がターンの前半では外スキー荷重で、ターンの適切な場所で適切な外向外傾を作る動きがあるのが良い滑り方だという点で完全に意見が一致している。この2点は現在でもスキーの大原則だ。

    ところで、これらのコーチやスキー教師同士仲良くやっているかというとそうでもなくて、ネット上で直接間接にかなりやり合っていたりする。今回は、Greg Gurshmanによる、Inclination(内傾角)の作り方に関する記事と、それに対するHarald Harbの批判を紹介したいと思う。

    Greg Gurshmanは現役レースコーチで、ワールドカップの技術の記事を良くあげている。他のコーチからはよく「Angulation/Counter(外傾・外向)が無さ過ぎる」と言われる位、外向傾が少ない滑りが特徴だ。そのGregが書いた内傾角の作り方についての記事がある。

    内容は、インクリネーションとはスキーヤの体全体が垂直より次のターンの内側に向かって入ることであるという定義から始まって、ターンの最初で

    • 体の外側は真っ直ぐである。
    • 外足は伸びていて、肩と腰の線が平行に並び、スキーに対して正対。

    であり、骨格を無理なく並べてインクリネーションを取るのが良いとしている。



    また、ちゃんとしたインクリネーションは、ターンの最初の時期に内スキーに乗りすぎてしまう”leaning in(内倒)”とは違う。後者は完全な失敗であり、肩が腰の線よりもより傾いてしまうとそうなってしまうと書いてあるが、逆にこの時点で肩を斜面に平行に保とうとすると、ターンの初期に過剰なアンギュレーションが出て、固まったポジションになってしまうと言っている。

    最新のGSテクニックでは、エッジ角は主に外脚を伸ばすことによって作られ、膝でのアンギュレーションは最小限、あるいは全く無しであるということだ。

    インクリネーションを作る理由としては、重心が短い距離を動くこと、ターンの初期に”エッジロック”で固まってしまうこと無しに、高いエッジ角を滑らかに作っていくことが出来ることとしていて、この動きはJ3(12~13歳)以上のすべてのGSレーサーが身につけるべきだといっている。

    インクリネーションの作り方は下のようになる。


    Extension & Projection

    Extension: 足を伸ばす。前のターンの終わりで次の外脚を伸ばしていく。
    Projection: 重心を次のターンに向けて入れていく。体が前に、スキーの上を通り越して動いていく。

    この2つは同時に起こり、的確に行われれば効率的にスキーの中心に乗りなおすことが出来る。


    Re-centering

    ターンとターンの間でスキーの中心に乗りなおして、ターンの最初に外スキーの先に圧をかけることが必要で、これはどのような切り替えの方法でも同じ。下の写真ではマイヤーが最初の青と次の赤の旗門の間で抱え込み抜重をしているし、その次の青との間ではもう少し立った位置で切り替えているけれど、どちらの場合も外スキーの先に十分な荷重がされている。




    Dynamic Angulation

    アンギュレーション、あるいは”腰からのくの字”が最後のフェーズで行われる。エッジングにおいてインクリネーションを補助する役目で、ターンの最初の部分で的確なインクリネーションがされていないとこれが効果的に行えない。ターンからの力が強まる部分で、エッジのグリップを確保する役目を果たす。力強くターンを終えるために、外脚はターンの丸い部分が終わるまで、伸びたままにすることが重要。アンギュレーションは軽く上体を立て、肩を斜面に平行に近づけることによって行い、大きく腰から「くの字」を作る必要があることは少ない。アンギュレーションの量はスピードとターン弧の半径による。


    ジュニアの多くが、過剰に腰からのアンギュレーションを取った、固まったポジションで滑っていて、これはコーチが”leaning in”(内倒)を直そうとして、肩を平行に保つように指示した結果であることが多いとしている。こうすると、内倒は治るかもしれないが、速くダイナミックなスキーが出来なくなるとの事だ。適切な直し方は、基本のメニューに戻って、バランスを鍛えることと、上に上げられたような個々の技術を発達させること、また、効果的にインクリネーションを使うための感覚をつかませることと締めくくっている。ちなみに他の記事で、ワールドカップのレースでは、このインクリネーションを取るために、原則に反してあえて内スキーに乗るほど傾いたほうが速い状況さえあるとも言っている。

    これに対して元ワールドカップスラローマーのHarald Harbは、Greg Gurshmanの記事はすべて読んで、実際にそれを教えてみたこともあるが、いい結果は得られなかったとした上で、自分のフォーラムで完全に否定的なポストをいくつもしている。GSターンにおけるターン開始について、「ターン初期では圧をかけようとしてはいけない。外向を作るのも早すぎないようにして、浮くようにして通過する。板の上でバランスを取りながら板を傾けて、次に来る圧力に対処するための体勢を作り上げるのがターンの最初1/3でのポイントだ」とあるポストで言っている。

    これはインクリネーションを「とらない」と言っているのでは無くて、「ほとんどの人がインクリネーションをとりすぎているのに、それを教える意味が分からない」「傾くのは誰でも出来るが、適切な外向、外傾をとる動きはトレーニングを繰り返して始めて身に付く」という立場だ。

    確かにパタンと傾くように滑ると内脚に乗ってしまいがちで、外スキーが外れないようにインクリネーションを作るには、極々小さいとしても多少の外傾は必要なことが多い。「適切な外傾」を取った結果インクリネーションが出ているという方が正確なのかもしれない。とはいえ、「最初にインクリネーションを取って後半アンギュレーションするんだよ」というのは、誤解を招きやすいかも知れないけれど、わかりやすいとは思う。

    どちらのアプローチにしても、ターンの初期に外スキーの先が雪に噛むことが大事で、ここで内スキーに乗ってしまっても、外向傾を取りすぎて固まってしまっても駄目だという事は二人とも共通している。

    以前も何度か紹介した元US Ski Teamの男子ヘッドコーチPhil McNicholは、Ski Racing誌の最新のスラローム技術についてのインタビューでインクリネーションのとらせ方について、「私は選手に緩斜面でのレールターンをさせ、綺麗な2本のシュプールを残させる。徐々に急な斜面に移り、2本のシュプールを残したまま、深いターンをスピードをつけてさせるようにする。これをやると相当インクリネーションが出ることになるので、出来るようになったらインクリネーションにより重点を置いて、洗練させていく」と言っている。

    まずは急な斜面で完全にカービングしろという事で、そのためにエッジングのドリルをやるそうだ。スポーツというのは多くの場合、"Just Do It"だね。
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    テーマ:スキー - ジャンル:スポーツ

    1. 2013/04/27(土) 05:49:58|
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    3. | トラックバック:0
    4. | コメント:1
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    コメント

    やっぱ競技だと外足主導なのですね
    1. 2013/05/04(土) 22:52:59 |
    2. URL |
    3. m.satoh #-
    4. [ 編集 ]

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